【白銀の黒帝:21】元皇族らしけど、自由に生きたい

八木恵

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3章:セロウノ大陸編

商業都市の学園後期

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後期が始まって、特に変化はない。 クラスメイトからの嫌がらせはなくなり、無視という感じだが、俺は興味ないし、ヴィンスも特にきにしていない。

そんなある日。
「ギース、勉強教えてくれよー。 今週末の小テストあんからよ」といってくるヴィンス。
「何度も言ってんだろ。 面倒だって。 放課後は、用事があんだよ」って俺、読書中。
「爺やの夕食付き」っていうヴィンス。 さすがに俺も毎日作ってるから、たまには誰かの手作り、しかもヴィン爺なら美味しいいし。
「うーん、今日と明日だけならいいぞ」って返事した。 ついつい食い物につられたな俺。
「じゃぁ、放課後な」ってヴィンス。

◇◇◇
放課後、ヴィンスと一緒に図書館にいくと、リンジーとマリーがいて、ヴィンスが「リンジー、マリーも勉強?」と声をかける。 
「うん。 ヴィンス君とギース君が勉強するって聞いて、できれば教えて欲しくって」ってマリー。
「もちろっん。 可愛いマリーちゃんのお願いだしね。」と嬉しいそうにいうヴィンス。

勝手に、してくれだな。

「ヴィンス、俺、本を取ってくるから、おめぇーは勉強してろ」といって図書館にある魔法陣関連の本を数冊選んでヴィンスの前の席に座る。
「ヴィンス、何がわかんねぇーんだ?」って俺、読書しながら聞く。
「俺、気象学、船舶計算だ」ってヴィンス。
「小テストの範囲ってどこだっけ?」と聞くと、ヴィンスがやっぱりという顔をしてる。
「どれも3章が範囲だ」ってヴィンス。 なるほど、まだそこか。
「え! ギース君って、範囲いつも知らないの?」ってリンジー。
「ギース、こいついつもそうだよ」ってヴィンス。
 マリーがやたらと尊敬というか顔を赤らめながら俺のほうみてる。 なに?
「すごい。 あの、あの、私は数学」ってマリー。
「マリー、文系で、数学がだめなの。 私はその逆でね。 魔法学と歴史」と言ってくる。

何を彼女達はいっているんだ?

俺は首を傾げながら「ヴィンスが教えるんだろ?」っていっておいた。
「俺、そこまでの範囲無理だ。 なぁ、ギース。 爺やの夕食1週間でどうだ?」っていってくるヴィンス。
俺がため息つきながら「ああ、わかった。 面倒だかんよ、わかんない箇所だけ聞いて」と言って本を読む。

結局、何だかんだで質問され、最終下校まで付き合わされ、かつヴィンスが彼女達を女子寮へ送るというから付き合わせられる。

こんな立派な結界の中なんだから、危ない事もないのにな。
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