【白銀の黒帝:21】元皇族らしけど、自由に生きたい

八木恵

文字の大きさ
上 下
18 / 85
1章:少年編

召喚して登場した魔族の女性

しおりを挟む
箱にあった召喚陣を起動したら、20代後半に見える魔族の綺麗な女性が現れた。

「ギース、大きくなったのね。 きゃぁー」といって突如俺に抱きついてきた彼女。
ちょっと俺、ビックリしている。
「離せって。 たぶん、おふくろ」
「あら、わかる?」といって俺のほっぺにキスして、俺から離れて俺の隣にすわる彼女。 なんか表情が優しい。
「はじめまして。 母のルーチェよ」っていわれた。 へぇ~、俺のおふくろってルーチェって名前なだな。

「魔族だとどんな感じ?」
「わかんない。 あんま外したことないんだ」って俺は仕方なく、イヤーカフを外した。 
「なんか、自分の息子が、かなりカッコイイと嬉しいものね。 ふふふ」っていうおふくろは、俺の頬を優しく撫でながらいってるし。 ちょっと恥ずかしい。

「魔族って美形が多いんだろ。 大魔王様とかすんげぇーかっこよかったし」って俺。 まじ、大魔王様、色気あるしカッコよかった。 てか、シュンさん達、美形ぞろいだよな。
「ははは、あの方は別格よ。 まぁ、あなたが会った方々は皆かなり変わった方々だけど、それでも息子だからじゃなくて、きっともっとかっこよくなるわ♪」と嬉しそうにいうおふくろ。

「ブサイクよりいいか。 期待しとくよ。」って俺、苦笑しかできないな。
「それで、わざわざこの年齢になるまで会いにこない理由があんだろ?」とちょっこっと怒りながらいう俺。
オヤジもオヤジだけど、おふくろもそうだろ。 俺の事14歳まで放置ってどういう事だ。

そしたら、おふくろがちょびっと困った顔している。

「そうね、2つの理由かな。 魔界の魔族って、結婚とか恋愛概念がないのね。 繁殖力が少ないから個体数が多くないの。 それで、子供産んでも子育てはみんなでするみたいな感じなのよね。 個々が強いから、みんな勝手にそだつし、親子関係はわかっても人間みたいに常に一緒とかじゃないのよね。 たまに会ったらはなすみたいな感じなのよ。 全く会わない事もあるし。」っていうおふくろ。

なるほど、そういう事か。 って俺、逆に納得しちまった。

「あなたを産んだあと、魔大陸に行くって決まってたから、会えないっていうの知ってたし、まぁしょうがないかってね思ってたのよ。 魔王様が魔界魔族の移住を禁止してるからね。」

「そういえば、魔大陸で階級制度ができてから、移住禁止って歴史の本に書いてあったな」って俺。

「そう、よく勉強してるのね」って頭なでられた。

「1万年ぐらいぶりの、魔界の魔族と魔大陸の魔族の子だからって、ある程度、成長したらあなたが1人の時に会ってもいいって魔王様が許可してくれたのよね。 まぁ、それで、その年齢までまったわけよ。 というのもね、私もあなたが弱いままじゃ会う気もないしね。 なんたって、魔界の魔族の女性って結構強い男に惹かれるし、子供も同じよ」と笑うお袋。

「なるほどな。 じゃぁ俺は、少しは強くなったってことか?」
「ええ、それに第二成長期も始まったみたいだし、これから期待だわ」って言われた。 俺ちょっと嬉しい。

「でも、魔界の魔族のほうが、魔大陸の魔族より断然強いんだろ。 なんで、オヤジとの間に子供つくったんだ?」って俺の素朴な疑問だな。 そしてたら、おふくろが妖艶に微笑んでる。 自分のおふくろだけど、ちょっと綺麗じゃないかって思うくらい。
「デオって、魔大陸の魔族だけど、結構強いのよ。 考え方も魔界の魔族よりだし、それに身体の相性も良くってね。 ちょうど私の妊娠しやすい時期ってのもあって、そしたらあなたが出来たった感じね。」

「あはは、なるほどな。 なんか、シンプルでいいな」って俺笑った。 そんな理由かよ。
「でしょ。」と笑うおふくろ。
「んで、もう一つの理由は?」って俺、エールのみだから聞いた。
「うふふ、そりゃぁ、あなたの性教育よ。」ってお袋が笑いながいう。

はぁ~、性教育って。。。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

死んで生まれ変わったわけですが、神様はちょっとうっかりが過ぎる。

石動なつめ
ファンタジー
売れない音楽家のフィガロ・ヴァイツは、ある日突然弟子に刺されて死んだ。 不幸続きの二十五年の生に幕を下ろしたフィガロだったが、音楽の女神から憐れまれ、新たな人生を与えられる。 ――ただし人間ではなく『妖精』としてだが。 「人間だった頃に、親戚に騙されて全財産奪い取られたり、同僚に横領の罪を被せられたり、拾って面倒を見ていた弟子に刺されて死んじゃったりしたからね、この子」 「え、ひど……」 そんな人生を歩んできたフィガロが転生した事で、世の中にちょっとした変化が起こる。 これはそんな変化の中にいる人々の物語。 ※小説家になろう様にも投稿しています。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

私の入る余地なんてないことはわかってる。だけど……。

さくしゃ
恋愛
キャロルは知っていた。 許嫁であるリオンと、親友のサンが互いを想い合っていることを。 幼い頃からずっと想ってきたリオン、失いたくない大切な親友であるサン。キャロルは苦悩の末に、リオンへの想いを封じ、身を引くと決めていた——はずだった。 (ああ、もう、) やり過ごせると思ってた。でも、そんなことを言われたら。 (ずるいよ……) リオンはサンのことだけを見ていると思っていた。けれど——違った。 こんな私なんかのことを。 友情と恋情の狭間で揺れ動くキャロル、リオン、サンの想い。 彼らが最後に選ぶ答えとは——?

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。 望んで召喚などしたわけでもない。 ただ、落ちただけ。 異世界から落ちて来た落ち人。 それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。 望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。 だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど…… 中に男が混じっている!? 帰りたいと、それだけを望む者も居る。 護衛騎士という名の監視もつけられて……  でも、私はもう大切な人は作らない。  どうせ、無くしてしまうのだから。 異世界に落ちた五人。 五人が五人共、色々な思わくもあり…… だけれど、私はただ流れに流され……

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

処理中です...