【白銀の黒帝:20】魔大陸の貴族

八木恵

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6章:エピローグ

エピローグ

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それから数年後、俺 デオドルは、デオドル・ドラーティオとなっている。 

今は、養父の魔皇帝であるオッサンが、俺が生家から縁をきったタイミングで養子縁組していたらしい。

オッサンはなかなかの狸で、もともと皇女の旦那となる男には継がせる気はなかったらしい。 
次代を探していたところ、ひょっこり現れたシリルさんが、俺のことを話していて気になったとの事だ。 
学園長経由で俺の事を報告してもらったり、騎士団の訓練参加も次代候補としての素質があるかの確認だったとの事。 

オッサン笑いながら「魔王様が面白い奴っておっしゃったからな、素質あるとは思ったが、わしの想像以上だった」といっていた。 結局、俺は、オッサンの思惑通りで次代になるしか選択肢がない状況にされていたわけだ。 
俺だって、その時は怒ったよ。 

しかしオッサンが真面目な顔をして、魔大陸の成り立ちとこの世界のこと、黒帝の存在、魔界の魔族、傍観者と調停者の話だ。 そして、混魔族のことそして劣魔族ことだ。 オッサンが「これが代々魔皇帝と次代にしか受継がん真実だ。 魔族は質をみて判断する。 力が全てという言葉の中には、強靭な精神も備わっている必要があるという意味だ。 デオにはそれがあるからな。 まだ未熟だがな」って言われた。

そして、オッサンがその後連れて行ってくれた場所は、執務室と隣りの部屋だった。
オッサンが「1500年前ぐらいに、魔王様ご一行が正式訪問した際滞在した部屋だ。 当時の魔皇帝が、魔王様のためかなり質素にしたらしい。 デオの部屋にするといい」という。

俺はその部屋をみて苦笑いしながら「豪華な部屋じゃ、にげっちゃうっすからね」というと、オッサンが「だろ。それに、貴族のマナーとかいっとるのは、一部貴族のみだ。」といい、「わしの仕事は手伝ってもらうが、デオの好きにするんじゃ。 なんなら、好きなだけ愛人作ってもかまわん。」と笑っている。

俺も笑いながら「愛人って、俺 セックスは好きっすけどね」といってやった。
お互い笑いながら、俺 このオッサン嫌いじゃねぇーしなってわけで、結局、いろいろ話も聞いて逃げれなくなったわけで、結構自由なので、一応皇太子として生活をしている。

貴族のパーティーとか仕事で行くが、皇太子のほうが楽だわ。
騎士団の団員達といって、貴族の女きてもタイプじゃなきゃ「てぇめー好みじゃね」っていえばいなくなるし、タイプのやつなら肉体関係だけでいいやつしか手を出さなきゃいい。 言葉遣いも何も言われねぇし、オッサンもいわない。

冒険者から皇太子になったけど、俺の生活はあんま変わらない日々だ。
なんせオッサンの手伝いさせられてるのは変わらないし、暇があればダンジョンにも行ってる。 ギルドの任務も受けてるしな。 肩書だけが皇太子になった感じだ。
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