【白銀の黒帝:20】魔大陸の貴族

八木恵

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2章:実家編

牢屋での生活 後編

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しかし、俺デオドルの脱出計画は入念にしている。

俺は、最初の週は、監視の動向を観察することにした。 というか、魔力封印のせいで身体は重く、動くと疲れる。 試しに扉まで3Mもないのに、走っただけでその場で気絶はしないが脱力して動けなくなり、這いつくばってベットに戻った。

観察しながら、まず普通に牢屋の扉からは無理と判断した。 というか、自分がどこにいるかもわかってないし、内部構造が不明な状況では脱獄したってすぐに逆戻りだ。 そして、俺は、今いる牢屋の天上付近に日光を入れるための柵があるのを見つけていた。 だいたい頭上から5Mの高さにあり、たまに誰かの足元が通過するのがみえる。 外に出るには、そこしかないと俺はきめた。

でも、今の動くのもままならない状態では、あの柵にも登れない。
そのため、家庭教師の読み聞かせは、子守唄とし、夜中にまずは筋力トレーニング、牢屋の中で往復しながら走りこみをする。 最初なんて、数分でへばったよ。 少し体力が回復すれば、走ったりを繰り返した。
最初の頃は、へばっている俺をみた従者にいろいろ言われたけど、無視している。

ようやくこの牢屋にきて1か月で、まともに動けるようになった。
期間は、従者がいうので把握している。 俺は、次の段階でとして、柵まで登るために更に訓練して行く事にした。 暗殺とかやってたから気配も消せるので、夜中の訓練は悟られないようにして、日々天上付近の柵に向かって登る訓練をする。

あとは地味に、手錠の鎖は普通の鉄だが、腕力では外れないので、ベットの背の細いパイプを使って削っていたら、パイプが外れるようになった。
パイプを尖らせながら、少しずつ鎖を削る。 削る地味な作業は、日中の誰もいない時間だ。 その時だけ、水差しがあって水もある。

更に1か月経過して、ようやく天上付近の鉄格子まで登れるようになり、そこまで頑丈ではない。 日中の水差しの水を使って、誰もいない時間に天上付近の鉄格子に少しずつ水を足して錆びさせていく。

夜は、訓練しつつ、天上付近の鉄格子を削る。
牢屋に入れられて4か月経過する頃、ようやく脱出準備が整のった。 あとは、決行するのみだ。
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