【白銀の黒帝:20】魔大陸の貴族

八木恵

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2章:実家編

牢屋での生活 前編

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俺が起きてベットの上で胡座を掻いていると、バターティオ公が牢屋にやってくる。 顔も見たくない俺は、そっぽを向いている。

バターティオ公が「デオドル、3年も行方不明になりおって。 ここで暫く反省してろ。 これからいうのがここを出る条件だ。
条件1: 名門の魔族学園に通う事。 ただし、貴族として振る舞う事。
条件2: 最低限でもいいから貴族のマナーを学ぶ事。
条件3: 2度と家出しないこと。

以上だ。 さほど難しい条件ではない。 よく考えてなさい」という。

話したくもない、俺は、何もいわず、バーターティオ公が去るまで目もあわさないでいた。

心の中で俺は「んなぁ条件のめっかよ。 じゃなきゃ家出なんかしねぇーわ」といい、この牢屋からの脱出と魔力封印の手錠をどうするかなど考え始める。

◇◇◇
俺のいる牢屋は、細かい鉄格子で扉には重厚になっている。
牢屋の周りには特に兵士はいないが、日中定期的に見回りにくる。 夜は、地下牢の重い扉の閉まるおとがし施錠される音がきこえる。 朝になると解錠される。

食事は、朝昼晩とくる。 兵士2名が来て、足枷をして持参したテーブルと椅子を置く。 乱暴ではないが、椅子に座らせると、従者が食事を運んでくる。
食事が終わりまで、兵士2名は扉の所におり、従者も離れた場所で食事が終わるまで監視する。

食事が終わると、兵士達にベットへ運ばれ、従者は食事の片付けとテーブルと椅子を片付けて扉からでる。 従者が扉から出たのを確認して、兵士1人が拘束して足枷を外し扉から出て行く。 足枷を外す時は、必ず外にも兵士2名がいる。 逃亡されないようにである。

午前と午後は、鉄格子の前で家庭教師が座り、貴族年鑑、歴史など読み聞かせする。
夕食後は、従者が身体を拭き、週1度はタライのお湯で洗う。 俺は、兵士達に拘束される。 爪などの手入れもするがその時も拘束されたままである。

「デオドル様、強情にならずですね、当主様の条件さえ承諾さえしていただければ、ここから出れるですよ」という従者。 俺は、始めるのうちは「うるせぇーな。 嫌なんだよ」と怒鳴っていたが、2週間もすると黙りだし無気力でただ黙っている。 従者が観念したかと思い「この誓約書にご署名してください」というと、俺はその時だけ反抗的な目になり「誰がするか」という。

この誓約書は、従属付与がついており、条件を破った場合は死である。解除は、当主のみが出来る。

すると従者が「まぁ俺もこの誓約書への署名は嫌ですね。 当主様とお話しください」と言って出て行く。

表向きのデオドルは、2週間もすれば日々無気力で、会話もほとんどしない。 
家庭教師の読み聞かせは、ベットに横になっているので聞いているかもわからない。
そんな日々である。
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