上 下
33 / 77
2章:学園編

午前の授業

しおりを挟む
午前の学科は、俺シリルはジョシュアが起きれば一緒にいくし、起きなければ日課のトレーニング後、読書したりする。 時には、1人討伐にいったりする。

授業は、俺は基本聞き流し、ジョシュアの状態をみながら念話で教えつつ読書である。 小休憩は、図書館へ行き学園では教えない、化学、物理、生物の教材を使い、ジョシュアの記憶を呼び起こしている。

ジョシュアがアラン達と月曜と水曜以外は、食堂で食事していたらしいが、人が多い所が嫌いな俺がいくわけもなく、また午後が免除で、学生任務も免除となったため、ジョシュアがアラン達に「シリルと一緒がいいんだ」というと、皆、今まで眠そうだったジョシュアの代わり様がわかったようだ。
「ジョシュアは、シリルといると全然違うな」って苦笑するアラン。 そして、特にに深く干渉してこなかった。 この辺、魔族だからなのかもしれない。 他のメンバー、ジョシュア曰く トミー、ダナ、カーラという名前らしい彼らも同じように、無理に俺を誘ったりしてこなかった。 

午前の学科で、俺としてはあんまり参加したくないのが歴史の授業である。
俺としては、聞きたくない話題ばかりである。

そんなある日の話題は、魔大陸の存在についてである。 俺とジョシュアのいるクラスの1/3が混魔族。アランとダナもである。 あまり彼らは議論に参加しない。 とある生徒が「魔大陸の存在は、何度か確認されたという記載がありますが、数千年ぐらい確認されてませんが、なぜなんですか?」という馬鹿な質問である。

真面目な歴史教師は、「諸説ありますが、造船技術が盛んになっても魔大陸の統治者である魔皇帝の力でベールに包まれており、入国できないとう話しと、神が、魔族による人間への侵略を阻むため分断したという話しもあります。 そのため、竜騎士でも近づく事ができないと言われております」という。 

すると、生徒が安心した顔で「では、いずれにしても魔大陸から侵略はされないってことですね。」という。 

俺が、他の本を読みながら、へー人間社会はそう思っているんだと考えていると、ジョシュアからの念話:
ジョシュア: 「なんで、ベールがあるんだ?」
シリル:「簡単にいうと、魔大陸のほうが人間社会より数段文化発達して、かつ鉱石も豊富なんだぞ。 それを欲した人間の侵略を防ぐために、当時の魔皇帝がこの世界の傍観者であり調停者に頼んでベールをはってもらったんだぞ。」
ジョシュア:「人間って強欲なんだ。」
シリル:「考え方の違いだぞ。 魔族は個の力が全てだぞ。 人間は数という集団だぞ。 集団思想が間違った方向に行く事がたまにあるんだぞ。 でも集団で動くのは仕方ないんだぞ。 人間は個では弱いからだぞ。」
ジョシュア:「うーん、なるほどなのだぞ。 でも、神はなんで人間という弱いものを作ったんだ?」
シリル:「それは、前に説明した創世記だ。」
ジョシュア:「あー、魔族はあとだからか」
シリル:「人間は自分の失敗をみとめず、表の歴史から魔族を消したんだぞ。 っていっても、魔族は魔界にいるけど、ほとんどの人間達はしらないんだぞ。」
ジョシュア:「混魔族が、魔王は魔界にいるっていってるけど」
シリル:「今ここで、制服着てる俺が魔王だぞ。っていっても誰もしんじないんだぞ」
ジョシュア:「そのペンダントとれば混魔族がひれふすんだ。 信じてもらえるんだ」
シリル:「いやいや面倒だぞ。 魔王貴様なにしにきたんだ。 とか正義感いっぱいの奴がきてだぞ、実はジョシュアと遊ぶためだっていったらみんな魔王がそんなわけないんだとかいうんだぞ。 イヤ、事実だ。 証明しろとか言われた日には、俺証明できないんだぞ。」
ジョシュア:「俺はうれしいんだ。 でも、確かに証明できないな。」
シリル:「そうそう、俺この話題になると壊れてくるんだぞ。 まず、魔王はただ単にに魔界で1番強い奴だぞ。 しかも魔族は略称で、魔力をもった人族だぞ。 戦闘狂は多いのは確かだけど、残忍ではないんだぞ。 でも俺、ただ単にに模擬戦好きで、殺しも好きだけど、魔物の間引きだぞ。 無闇矢鱈と殺してなんていないんだぞー。」
ジョシュア:「うん、確かにシリルはそうだ。 他の魔族達はどうなんだ?」
シリル:「魔族同士の繁殖力が少ないんだぞ。 無闇矢鱈殺しあったら数が減るんだぞ。 なんで、集落同士の紛争があった場合は、魔王の判断で双方の代表者での決闘だぞ。 っていっても、俺が魔王になった時も、先代の時もだけど、一度も紛争ないんだぞ。」
ジョシュア:「魔界は平和なんだな。 ここにいる奴は、信じないだ。」
シリル:「信じろとはいわないんだぞ、俺は事実をいっただけだ。 人間は悪、敵を作りたがるから仕方ないんだぞ。」
ジョシュア:「そうなのか。 でも、事実は、魔界の魔王城に現魔王は住んでないとか。 毎日ふらふらしてるが、政務はしているとかだな。」
シリル:「そうそう、魔界では無一文とかだぞ」
ジョシュア:「シリル、魔王なのにお金がないのか?」
シリル:「一応ある。 が、お金もらうのに、おれ魔王城に住んでないから四天王にお金もらわないといけないんだぞ。 となると、利用用途聞かれてだぞ、城下町でお菓子かいにっていったら最後だぞ、お供ついて手つながれるんだぞ。 変装すると見た目年齢6歳だからっていう理由だぞ」

すると、ジョシュアが大爆笑し始め、声を出して「シリル、それ本当か?」といいながら笑う。

歴史の先生が「そこのジョシュア君、何がそんなにおかしいのですか?」といわれ、ジョシュアが「シリルが、シリルが」といって俺を指す。
「グレイ君、またあなたが何か言って笑わせたんですか? 今度は何ですか?」といわれた。
「ジョシュアと、もしも話してたんだぞ。 もし、魔王が魔王城の部屋が堅苦しいと理由で、魔王城にすんでなく、日々ふらふらして適当な森に拠点を作っては、模擬戦して、魔物の間引きして、でも政務はしているんだぞ。 ただ、変装すると見た目年齢が6歳というだけで、城下町にジェラート買いにいくのに、部下がお供について、お手て繋いででしか買い物に行けない魔王が、残酷かどうか議論してたんだぞ」というと、先生に「そんな魔王がいるわけないでしょ。」と一喝された。
ジョシュアが「ここに、ここに」と笑う。黙れジョシュアよと思いつつも、俺は全て事実だぞと心で呟くのであった。

俺たちは、他の授業はいたって静かだ。 俺は読書してるだけだ。 ただ、歴史の真実を知ると、だいたいはばかげているのである。 それを知りたがるジョシュアに説明してしまう俺も馬鹿である。 というか、教えないと抱きつこうとするからだぞとまた心で叫び、俺とジョシュアは、また反省文を書くはめになった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...