【不遇転生:1】俺と魔神 ~ハードモード人生だけど、せめて平均寿命まで生きたい~

八木恵

文字の大きさ
上 下
107 / 185
5章:サウス帝国編

ご婦人たちのお茶会

しおりを挟む
王妃主催のお茶会で、これまた各国のご婦人や婚約者達が集まっている。
男達は、王宮の闘技場で各国の護衛兵や兵の剣技大会の観戦をしている。

俺とヴォルはマリーの護衛だから、お茶会に参加。
今回は大規模なので、丸テーブルがいくつも用意してあって、ケーキも侍女達が配膳してる。

マリーは必然的にマーガレットの所にいるし、インズの王妃も同じ席だ。
「マーガレット王妃様、ガーネット辺境伯夫人、先日の夕食会での家臣の失礼な態度、大変申し訳ありませんでした。 それなのに、このような会にお呼びいただいて何と言ったらいいか。」
「ユリアン王妃様、私は逆に驚き感動いたしました。 物静かな王妃様が、大きな声出すんですもの。」
「あのそれは、私自身も驚きました。 我が国は未だに差別、迫害が多く、男尊女卑です。 そのため、私には何も権限もございません。」
「ユリアン王妃様、あまり自虐するのもよくありませんわ。 毎日礼拝堂へ赴くのは、インズ国の式たりですか?」
「いえ、あれは私の懺悔です。 産声もあげる事なく不備なあの子へ不甲斐ない私はただ祈るしかないのですわ。」
「ユリアン王妃様、お辛い事を聞いて申し訳ないですわ。」
「いえ、とんでもございません。 ただ、もしあの子が生きているのであれば、ガーネット辺境伯夫人の護衛の青年ぐらいにはなっていたのかもと思いつい先日の晩餐会で大声を上げてしまったのです。」
「あら、ユリアン王妃様、その子は黒髪でもあったんですね。」
「ええ、生きているとは考えにくいですが。」
「母親は子が生きていると願ってしまうものですわ。 ねぇ、マリー。」
「ええ、そういう者ですわ。 ただ私の実の息子と娘が傲慢になってしまって、まだ息子は更生中ですが。 ついつい、ノアール、ヴォルが私の息子ならって思ってしまうわ。」
「マリーったら、数年前の手紙から、ノアール君のことばかり。」
「だって、障害のある子が日々成長していくのが嬉しくててついつい」
「彼は障害が? 見えないですわ。」
「普通にしているとわからなくなるぐらいですわ、ユリアン王妃様。 ノアールが12歳の時ですわ、彼の養夫婦が亡くなって14歳になるまでの間、屋敷で勉強するために預かったんですの。 今も視覚、嗅覚等に障害があるんですのよ。 それを補うくらい、別の感性が優れていて、身体能力も高くて護衛もできるほどよ。 ただ、警戒心が強くて、敵意や悪意をむける人に容赦ないってとこはたまに傷ですが、今はヴォルがいるのでなんとかなってますわ。」
「それは凄いですわ。 養夫婦の方がご立派ですわね。」
「ユリアン王妃様、私も詳しくは知らないのですが、旦那様の話しだと7歳前の記憶はなくって、養夫婦が保護したのが10歳の時でそれまで森で1人で生活していたようですの。 よく生きていたって旦那様も奇跡だとおっしゃっていたわ。」
「ええ、まさに奇跡ですわ。」

てな会話だ。 ベルグはあまり俺の事をマリーに言ってなくて良かった。
辺に勘ぐられるのも困るしな、まぁーこうしてトラブルもなくっていうか、そういえば例の男爵令嬢もいなくて和やかに終わった。

例の男爵令嬢は、フィル曰く剣術大会のほうにいたらしい。
フィルにも声をかけてきたらしく、「既婚者ですので」って言って、なんとかその場をとりもったとかと、ベルグとなんか疲れた声をしていっていた。 フィルもフィルで大変だったようだ。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...