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5章:サウス帝国編

歴史博物館 前編

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マリー、俺、ヴォルは、歴史博物館に来た。
貴族街の外れにあってここは平民でもこれるらしい。 
なぜか、館長のお出迎え。
「ガーネット辺境伯ご婦人、お待ちしておりました」って男の声。
「いえいえ、こちらこそ、本日はよろしくお願いしますわ。 ルーズベルト伯爵様。 それよりも、歴史研究家のルイス様のほうが良いかしら?」
「どちらでもですよ」というルイス。

「兄貴、ルーズベルトって」って小声で聞くヴォル。
「国王の寵妃の家名だ」って答えておいた。

マリーはどうも俺が視覚障害だって言うのを伝えてあるのか丁寧に説明してくれる。

「ここの歴史には記載されておりませんが、勇者ユウト様が異世界から召喚される前に、魔王領からの魔物のスタンビード、そしてアルタイト王国が隣国との争いにおいて、たった10名未満の特効・諜報部隊が活躍していたらしいです。」

「では、なぜ異世界からの召喚を?」

「10名のものがみな平民だったというのがあったのでしょう。 団長にいたってはスラム出身者だと。 それ以上に魔王の脅威は絶大だったゆえ、異世界より勇者ユウト様が召喚されました。 そして見事、魔王の討伐に成功しました。」

「そうなんですね。 でも、その時その特効・諜報部隊は?」

「今も語り継がれている勇者様一行と共に彼らも向かっています。 イースト王国の建国したトリス様は、その特効隊の見習いだったようです。」

「そうなんですの! なぜ、その情報は一切でてないんですの?」

「ガーネット辺境伯様、その事実が判明した時は全てが終わってました。 私の先祖がアルタイト王国最後の国王の寵妃だったんです。 そして、国王の日記を託された姫は、また幽閉されてしまい、彼女の手記と国王の日記が見つかったのが数百年前です。 わがルーズベルトの家の地下深くにありました。」

「その真実とは?」

「魔王を倒したのは、勇者ではなくその団長。 ただ平民という事で、勇者が討伐したことになりました。 そのあと、残党の魔族狩りです。 ただ、理由はわかりませんが、当時の国王も団長も残党狩りに反対したようです。 それに対して賛成派は、当時団長が黒髪、黒目だったのを理由に魔族に盲信した悪魔と世論にうったえ、黒髪が悪魔だっていう、魔族、悪魔がりの時代です。
 当時国王は反対したのですが、徐々に体調を崩したと。 寵妃の日記では、勇者を慕う王女と正妃の指示で毒をもられたようです。 最後にその団長は、自らつかまり3年以上にわたる拷問のすえ処刑されました。 その時には国王も崩御しており、王女様と結婚した勇者様が国王になりました。」

あー、だから、あの時、国王もいなかったのか。 身内に殺されてるとはな。

「ルイス様、なぜそのようなお話を私達に?」

「わかりませんが、ガーネット辺境伯夫人のお連れの漆黒の黒髪の彼を見て語りたくなりました。 さて、その団長の死後、魔族・悪魔狩りにより功績よって領土が渡されます。 実は、イースト王国だけ成り立ちがちがうんですよ。」

「勇者ユウト国王によって認められた領土では?」

「その団長が捕まる前に彼の9人の部下をみな東に逃がたのです。 最終的にはトリス様が建国ですが、彼らは一切魔族討伐にはかたんせず、戦争で行き場のない人間を受け入れて開拓したんですよ。 まぁ団長処刑時後にのこった数は6名ですね。」
へー、そうだったのか。 って、なんか自分の死後の歴史を聞いてる気分だな。

「はぁー、3名はどこに?」

「これが凄いのが団長に従っていたのは、人間だけはなかったんですよ。 中には人化していたり、聖獣だったと。 そしてこれです」

「え! 悪獣のグリフィンの剥製ですか?」
って、おいおい、犬鷲がこんなところに。 きっとヴォルも驚いている。 悪獣って。。
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