上 下
64 / 185
3章:ノース国編

いざ、旅館へ

しおりを挟む
蕎麦屋のおっさんおすすめの温泉宿、旅館の枯山水亭へ行く事にした俺は、配達に行くダイトに案内してもらう事になった。

ギルドの巡回馬車に乗るかと思ったら、ダイトは毎日徒歩てか走って配達してるらしい。
元気だな。 身体強化つかってるみたいだが、俺は普通に走っている。

「にいちゃん、すごいな。 俺の速度についてこれるなんて。 この町の子供で俺1番早いのに」
「一応、これでも冒険者だからな」
「へー、目みえないのに、にーちゃん凄いな。 あれか、地質調査にきたのか?」
「いや、単なる温泉観光だ。」
「なんだ、今、結構冒険者の団体がきて調査に向かってるんだ。 なんか、湯量が減ったのは、魔物のせいじゃないかってね。」
「へー、そうなんだ。 温泉好きの魔物なんだな。」
「あはは、兄ちゃん面白い事いうね。」

なんて会話しながら、枯山水亭に到着。
「おかみさーん、今日の配達きたよ。 あとお客さんも」って元気な声でダイトが入口でいう。
「あらあらダイトちゃん、今日も元気ね。 隣りの方がお客様?」って女性の声だ。
「うん、にーちゃん旅してて温泉にはいりにきたんだ。」
うん、その通り。

「部屋は空いてる?」って聞いてみた。
「ええ、ただ1室のみで、部屋に露天風呂がついた当宿でもお値段が高くて、一泊朝食と夕食付きで40,000G 金貨4枚するんです。」って申し訳なさそうに言う女将さん。

「にーちゃん、ごめんな。 どこも今、冒険者で宿がいっぱいだったんだ。」ってダイトも申し訳なさそうな声だな。 が、まったく問題ない俺。
「いや、別に構わないし、その部屋でいい。 とりあえず、7日間よろしく。」
「はい、畏まりました。 お名前は?」
「俺もにーちゃんの名前聞いてなかったぁ~」って今さら聞くのかよダイト。
「ノアール・ギブソン」
「へぇー、ノアールにーちゃんだね。 あ、僕もう行かないと。 そうだ、おかみさん、ノアールにーちゃん、目みえないけど、普通にご飯綺麗にたべるからね。 じゃぁーね。 にーちゃんまたね」ってまた走って来た道戻っていった。

「ダイトちゃん、相変わらず元気ね。 ギブソン様、当旅館へようこそ。 当旅館は、土足厳禁ですのでお履物はここで脱いでください。」

レンジ、すげー本格的だな。
って、ブーツ脱いでおいた。 スリッパまで用意されてるからはいた。

「本当に、目が見えないとは思えませんね。」って突っ込まれた。 これも全てサタン仕込みの魔法のおかげだ。

ちょっとしたラウンジに案内されて、流石に緑茶はなく紅茶かコーヒーかでコーヒー選んだ。 おしぼりまで出てきたよ。

支払いは前払いってことで、ギルドカードに入金されているお金で支払った。 イーストエンド出る時に300万以上入金されてたから余裕。 それに、ノースでも素材売った金が入ってるはず。
結局、支払いは問題なかった。

その後、女将さんに部屋に案内されたら、和室っす。 
寝室と寛ぐ部屋は別々だ。 食事は部屋食だ。 しかも、部屋に露天風呂付き♪

大浴場も最上階にあって、湯布着を着る必要があると。 流石に全裸文化ではなかった。 
もし、大浴場に行く場合は女中に言えば案内してくれるとのこと。 男湯と女湯違うしね。 
女将さんが、浴衣着させてくれると言ったが着方知っているけど、服の上から簡単に教えてもらうようにした。 さすがに着方しってるって言ったら怪しすぎだからだ。

「お似合いですね」って言われた。
ついでに、酒を何種類か用意してもらった。

ってことで、夕食まで時間があるので念願の露天風呂だ。
もちろん、お盆に酒乗せて。
「まじ、温泉最高ー」
「ほうこれが温泉か」
「おい、サタン、何でてきてんだ? てか、酒のんだな」
「いいではないか、我も楽しみたいのだ」
「へいへい、そうですか」
まぁそのあと風呂入りながらセックスしたけどな。

酒のんで、食って、風呂はいって、酒のんで、サタンとセックスしてのだらけた日々をすごしてた。 
昼は蕎麦を食いに行く日もある。

≪ノアール、だらけすぎだ。 てか、お前そんなに呑んで酔わないのか?≫
酒を追加してたら、途中から一升瓶になってたな。 キセルもふかしてる。
(ああ、酔ったことないんだなこれが。 しかも今は自動回復で結局酔わなくねぇー)
≪なるほどな。 にしても、お主、ユカタ着ると様になるな≫
(そうか? そりゃ黒髪だし、地球の前世、人斬りまくったときは着物きてたしな。 まぁあれは袴だがな。)
≪作れないのか?≫
(流石に当時、裁縫は女性の仕事だったからな、当時は嫁が作ってたな)
≪17歳で死んだのに、嫁がいたのか?≫
(いたよ。 まぁ結局、俺を敵視した奴に殺されたがな。)
≪ノアール、もしかして人を避けるのは、失うのも嫌だからか?≫
(何を急に? 魔神が聞く質問か? 前世までならそうかもな。 今は、色が見えちまって、長くいられるのが苦痛だな。 てか面倒だし、自分の利になる事はしたくねぇー)
≪そうか、って誰か来たな≫

誰だよ、俺のだらけ休暇を邪魔する奴。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

スキル運で、運がいい俺を追放したギルドは倒産したけど、俺の庭にダンジョン出来て億稼いでます。~ラッキー~

暁 とと
ファンタジー
スキル運のおかげでドロップ率や宝箱のアイテムに対する運が良く、確率の低いアイテムをドロップしたり、激レアな武器を宝箱から出したりすることが出来る佐藤はギルドを辞めさられた。  しかし、佐藤の庭にダンジョンが出来たので億を稼ぐことが出来ます。 もう、戻ってきてと言われても無駄です。こっちは、億稼いでいるので。

異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。

星の国のマジシャン
ファンタジー
 引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。  そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。  本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。  この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!

全裸追放から始まる成り上がり生活!〜育ててくれた貴族パーティーから追放されたので、前世の記憶を使ってイージーモードの生活を送ります〜

仁徳
ファンタジー
テオ・ローゼは、捨て子だった。しかし、イルムガルト率いる貴族パーティーが彼を拾い、大事に育ててくれた。 テオが十七歳になったその日、彼は鑑定士からユニークスキルが【前世の記憶】と言われ、それがどんな効果を齎すのかが分からなかったイルムガルトは、テオをパーティーから追放すると宣言する。 イルムガルトが捨て子のテオをここまで育てた理由、それは占い師の予言でテオは優秀な人間となるからと言われたからだ。 イルムガルトはテオのユニークスキルを無能だと烙印を押した。しかし、これまでの彼のユニークスキルは、助言と言う形で常に発動していたのだ。 それに気付かないイルムガルトは、テオの身包みを剥いで素っ裸で外に放り出す。 何も身に付けていないテオは町にいられないと思い、町を出て暗闇の中を彷徨う。そんな時、モンスターに襲われてテオは見知らぬ女性に助けられた。 捨てる神あれば拾う神あり。テオは助けてくれた女性、ルナとパーティーを組み、新たな人生を歩む。 一方、貴族パーティーはこれまであったテオの助言を失ったことで、効率良く動くことができずに失敗を繰り返し、没落の道を辿って行く。 これは、ユニークスキルが無能だと判断されたテオが新たな人生を歩み、前世の記憶を生かして幸せになって行く物語。

幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません

ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
【弱体術師】に選ばれし者、それは最弱の勇者。 それに選ばれてしまった高坂和希は王国から迫害を受けてしまう。 唯一彼の事を心配してくれた小鳥遊優樹も【回復術師】という微妙な勇者となってしまった。 なのに昔和希を虐めていた者達は【勇者】と【賢者】と言う職業につき最高の生活を送っている。 理不尽極まりないこの世界で俺は生き残る事を決める!!

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

処理中です...