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2章:少年期(イーストエンドでの生活)

バルジェラ公爵家の最後

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あれから数週間経過した。
ザックと作っている大陸の地図もほぼ完成した。

「ノアール、だいたいだが、これがノーダル大陸の地図だ。 ようやく完成したな。」
「うん、一年以上もかかったけどな。」
「あはは、それは仕方ない。 折角完成したんだが、最近また情勢が変わった。 おれもつい最近聞いた話だ。」
「何がかわったんだ?」
「ウェスト国が、インズ国に併合された。」
「ふーん、もともとインズ国って小国だったんだろ。 12年ぐらいで、小国3つを併合したって聞いたけど。 戦力ではウェスト国のほうが上だったんじゃ?」
「ああ、そうだ。 ずっと小競り合いを続けてた。 が、聞いたはなしじゃ、インズ国の王子、まだ12歳だっていうのによ神童らしくて、今回初陣に出立してとうとうウェスト国の首都まで制圧したみたいだ。」
「そうか。」ってしか俺は言えない。 なんせ、あんまり国同士のいざこざに興味がないからだ。

「インズ国も不思議でよ、13年前までは天候不良や小国との戦いでいつ併合されてもおかしくなかったんだが、急に繁栄したんだ。 
 だが、4年前までは、大規模じゃないが災害が3度ほどあったみたいだ。 その後、ある程度時間はかかったみたいだが立て直して、ウェスト国に侵攻。 国の領土規模でいやぁ、とうとうサウス帝国と同じだ。 イースト王国は、魔境があるからインズ国から攻められる事はないが、インズ国の動きによってはサウス帝国がイースト王国に攻め込んで来るかもしれない。 まだ、わからねぇーがな。」と説明してくれるザック。

(4年前の災害、13年前からの繁栄って、はぁーやっぱり悪魔と取引したのってインズ国か)
≪ククク、だろうな。 避けては通れないだろう。≫

まじ、勘弁だな。 
そんな会話をしてたら、屋敷の俺の部屋のドアがノックされた。

「どうぞ」って返事した。
「ああ、フィルップじゃねぇーか。 もう、身体はいいのか?」っていうザック
「ザックさん、フィルでお願いしますよ。 ガーネット伯爵の配慮で、もう公爵家の団長ではなくガーネット伯爵家預かりの護衛騎士兼冒険者のフィルですから。」というフィリップ、いや今はフィルと名乗っている。

「違いねぇ。 んで、ノアールに用事か?」
「ああ、ガーネット伯爵は忙しいから俺が代わりに来たんだ。」
「俺は外したほうがいいか?」
「嫌、ザックも聞いてほしい。」

「バルジェラ公爵家の罪状が決まった。 当主の横領、密輸、暗殺などまぁいろいろ今回発覚してね、バルジェラ公爵家は取り潰しで、公爵領についてはバルジェラ公爵の実弟のトレイバー侯爵が継ぐことになった。 
 公爵家一家は、女性は修道院で、19の長男は幽閉となった。 ただ、6歳の次男はトレイバー家に養子となった。 トレイバー侯爵に子供はいるけど、次男はバルジェラ家では妾の子で冷遇されてたしね。 それに、トレイバー侯爵は王都で文官職だから今後は真面な政治となるよ。 
 ただ、イーストエンドおよび周辺の村は、ガーネット辺境伯領になる。 魔物や魔境に隣接する地は、ガーネット家じゃないと無理ってことでね。」

へぇー、ベルグも忙しくなるんだな。

「辺境伯かよ。 マスターも昇格でいっそう忙しくなるな。」ってザックが突っ込んでくれた。
「ああ、だろうね。」

「ここからが本題だ。 ザイとエイラの死は、バルジェラ公爵の指示で影によって暗殺された。 近くノアール君には、バルジェラ家の財産の一部から見舞金がでる。 相当数いてね僅かだけどね。」と言われた。
「見舞金なんていらないよ。」って俺は言っておいた。 もう過去の事だ。

「ノアール、貰えるものはもらっとけ」ってザックがいう。
「うん。わかった」って返事しておく。

「今度はザックだ。」
「俺になんかあんのか?」
「ああ、ベルグ様が辺境伯になるんで、冒険者ギルドマスターを兼任できなくなった。 そこで、ベルグ様の後任なんだけど、ベルグ様がザック、君を指名されたよ。」
「はぁああああ、マスター何考えてるんだよ!」って叫ぶザックだ。
「僕も補佐ではいることになったよ。」というフィル。
「って事で、任命式やらで明日王都へ出発することになったから」というフィルだ。

ふーん、大変だなザック。
「ザック、いってらっしゃーい」って言っておいた。
「ノアール、何いってんだよ、お前独りイーストエンドに野放しにしたら何しでかすかわかったもんじゃねぇーだろ。 お前も行くんだよ! なぁ、フィル。」ってザックがいう。
「ああ、その通りだ。 ベルグ様もマリー様も王都で待っている。」

いやいや、ベルグとマリーがいろいろな処理で王都にいっているのは知ってるけど、俺もいくのかよ。

≪イーストエンドと魔境以外いったことないんだ。 たまにはいいだろう≫
なんかのりのりのサタン。

こうして、俺は一時的に王都に行くことになった。
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