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2章:少年期(イーストエンドでの生活)

ギルドマスターの家へ

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魔境の森の俺の小屋を離れて、イーストエンドにあるというギルドマスターベルグの家に着いた。 

って、ベルグの家は、3階建ての屋敷だった。
デカすぎるだろって思っていたら、ベルグは、ガーネット伯爵で、しかも当主らしい。
散々、貴族に利用されないようにとか言ってたくせに、”お前も貴族なんかい!”って心の中で突っ込んでおいた。 ザイとエイラの名字は、ギブソンらしく、遺産相続の関係から養子で俺の名前はノアール・ギブソンになった。

ベルグの奥さんは、マリーって名前だ。
16歳の息子ネイスと15歳の娘キャサリンがいるが、今は王都の魔法騎士学園に行っていて年に一度だけ帰省するらしい。

執事、従者、侍女の他に10名ほど警備兵がいるが、警備兵のほとんどが元冒険者だそうだ。

屋敷内の俺の部屋は、一階の角部屋。 食堂も1階で、階段の移動がないほうがいいだろうっていうベルグの配慮らしい。 屋敷をマッピングすれば問題ないが、面倒なので好意に甘えておこう。 部屋にはシャワーしかないらしい。 湯船に浸かることは、貴族といえどもほとんどないみたいだ。 どうしても入りたくなったら、小屋に行けばいい。

◇◇◇
今は、食堂に案内された。 
何人か人間が集まっている。

「皆集まったな。 先日も伝えたが、この子がノアールだ。 視覚、嗅覚、味覚、痛覚が失われてる。 がそれを補うように、別の感覚がそなわっているようだ。 この子を馬鹿にするような感情、敵意をもつ感情を向けると攻撃するから気をつけてくれ。」と言われた。 攻撃されたらそりゃ反撃するだろ。

「料理長」
「はい、当主様」っておっさんの声だ
「ノアールは味覚がない。 だが、栄養バランスを考えた食事を用意してくれ。」
「はい、かしこまりました」
「あと、料理はコースではなく、ワンプレートだ。 この子に料理を出す時はどこに皿があるか、コップはどこか、パンはどこか伝えてくれ。 ナイフではなく、スプーンとフォークにしてあげてくれ。 肉は一口サイズにすること。 よいか?」
「はぁーあ、はい、かしこまりました。」
「ノアール、なるべく食事はスプーンとフォークを使うこと。 手掴みはなるべくしないようにな。」
「うん、わかった。 気をつける。」と返事しとく。 手掴みじゃないと何がなんだかわからんが、仕方ない。
「ノアール、もし危害を加えられても、殺すなよ」って小声で言われた。

んで食事でてきた。 フォークもって食べ物をさそうとしたけどカチって皿にあたったようだった。
≪ノアール、空間把握使えばわかるだろ≫ってサタンに突っ込まれた。
(狭い空間で使うのとか考えてたことなかったよ。 結構精度求められるな。)
≪いい魔法の訓練だ≫って言われた。

確かにそうだなって思いつつ、試した。 細かい物体はわからないけど、なんとか把握。悪戦苦闘しつつ食べてやった。
「ノアール君、上手に食べました。」ってマリーが言ってた。 たぶんこの人優しい人なんだろう。
「ノアール君、これから私と庭園にいきましょう。」って聞かれた。
「マリー、ノアールは嗅覚もないのに連れて行っても」っていうベルグ。
「植物、生きてるからわかる。 名前しらない。」って言っておいた。
「そうだったな。 じゃなきゃ森で暮らせないな」というベルグだ。 
ベルグの家族そして屋敷の者達には、俺が森でも魔境の森にいたっていうのは秘密らしい。 本来、人間が住めない土地だからだ。

午後は、マリーに庭園案内されながら、植物の名前教えてもらった。 前世でも薬草ぐらいしか知らなかったし、結構勉強になった。
その前の世界の植物は知ってるけどな。 桜は綺麗だったなぁー。

夕食後、こっそり抜けて魔境に行き魔物狩り。 サタンの食事だ。 
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