泉界のアリア【昔語り】~御子は冥王に淫らに愛される~

佐宗

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第三章 蝶の行方

17※

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「――あぁ――っんう、……っは……ぁ」
 高められてゆくが、達しようとすると根元をきゅっと握られて、達するのを阻止される。
「や……っぁ」
 ナシェルは絶頂感を得られずにもどかしげに首を振り、腰をくねらせた。
「ヴァニオ……達か、せ……ろ…ああっ……」
「未だだ……ここがいいんだろ? ビクビクしてる……」

 ヴァニオンはにやりと意地悪そうに笑い、その下の双珠を掌にくるんで転がすようにした。亀頭を丹念に舌で愛撫しながら、その尖端に喉奥の吐息をふきかける。

「んっ……は、ッん……」
 熱い息に、ソコが溶かされるようだ。

 ナシェルは耐えがたい快感に幾度も背をしならせる。立てた膝をわななかせ、ばたつかせて、悦びに息を上げる。尖端からはとぷとぷと先走りの蜜が溢れて伝い落ちる。ヴァニオンは丁寧にそれを舌で舐め取った。
 そうしてナシェルを舌技に溺れさせると、ヴァニオンはさらに再びそれを喉奥まで呑み込んだ。

「ああっ……っぁ――ふ…、ヴァニオン……もう、もう……だめ、ぁあ――っ」
 ナシェルの苦しげな懇願が滔々と続く。

「……もう我慢できねえのか? 仕方ねえな……イけよ、ほら」
 切羽詰ったナシェルの啼き声に、ヴァニオンは微苦笑し、舌の動きを速め根元をゆるめて、一度彼を達させた。
「ひ、っあ。ああああ――!……っぁあ……っ」

 ナシェルの放った猥らな体液を残らず嚥下したヴァニオンは、唇を離してもう一度ナシェルの体の上へと這い上がり、その白皙の裸身を抱き竦めた。


 ――お前を、もっともっと遠い世界に連れていくことができたらいいのに。

 ヴァニオンは口に出すことのできぬ想いを腕の力に込めた。腕の中にはナシェルの裸身がある。見た目よりもずっとしなやかで強靭な体だが、今はヴァニオンの下で絶頂の余韻に浸り、小刻みに震えていた。

 荒い呼吸に上下するナシェルの胸の揺れを、ヴァニオンがそっと包み込み、鎮めてゆく。
 抱きしめたまま、抱きしめられたまま、二人はしばらくそのままでいた。
 長い沈黙があった。

 それに耐えられなくなり、ナシェルが口を開きかけたその時、ヴァニオンが諭すように語り始めた。


「……ずっとお前を護ってやる。これからもずっと。
 陛下に手ひどくされてお前が疲れているなら、俺はいつでもお前をこんな風に甘やかしてやれる。…お前が希みさえすれば」
「……ヴァニオン……」
「けどな、ナシェル。それは痛みから逃れるための、傷を舐めあうだけの単なる逃避だよ。……分かるだろ?
 俺を選ばないと決めたなら、もう、振り返ったら駄目だ。
 俺はお前に忠誠を誓う。だけど、お前はもう前だけを見てろ。俺を気にするな。振り返って俺を見るな……。これで、最後にするから」
「………」

 ヴァニオンは顔を近づけて来、ナシェルの返事も喘ぎも全て吸い取るような濃厚な口づけをした。舌で、烈しくナシェルの口腔を掻きまわす。
 そうしながらナシェルの後孔に指を這わせる。ナシェルの放った白露で存分に濡れたそれを、躊躇わずに秘肛の中に押しいれ、奥を寛げ始めた。

「……ひ、っぁ……」

 弛緩しかかっていた体が、すぐに過敏に反応してきつく反り返る。ねっとりした指が体の内側を侵す快感に、ナシェルは我知らずそこを締め付けていた。

 指の動きが停まる。
「せっかく拡げて慣らしてるんだ……そんなに締め付けたらだめだろ? 力、抜けよ」

 云われたとおりに息を吐いて下肢を綻ばせるのを意識すると、孔に差し入れられた指がまたたく間に増やされ、ひどく掻き乱された。

「ああ……っ……く……ぅ、はっ……あぁ」

 ナシェルは無意識にヴァニオンの腕に爪を立てていた。節くれた、男らしい指が襞の内部を前後左右に弄り回す。渦のようにぐるぐるとした圧迫感に包まれて、ナシェルはたちまち汗みずくになり身をよじった。

「挿れるぞ、」

 心の準備をするかしないかのうちに、ヴァニオンは己のものをナシェルの秘蕾に押しつけ、狙いを定めて性急に抉り入れてきた。

「ぁ、待っ……んぅ! い……っ」

 一息で、ずぅんと最奥まで貫かれる。その強引な進め方にナシェルは思わずまなじりに涙を浮かべ、抗議の声を上げようとするが、ヴァニオンはその唇を軽くついばんで声を吸い取り、そのまま腰を前後に激しく抽送しはじめる。

「ん――っ……あああっ……」

 ナシェルは背筋を粟立たせ、ぶるぶると全身を戦慄かせてて善がる。
 気持ちいい。

 大きく息を吸ったかと思うや嬌声がとめどなく溢れ出し、ヴァニオンの荒い呼吸音をかき消す。
 身の内を抉る熱い肉棒に、喉を焼けつかせ、腰をくねらせ、眦に溜めた雫を弾けさせて、
 ナシェルは、ヴァニオンを受け入れたまま幾度も精を散らした。

「ヴァニオ、ン、はぁっ……もっと……もっと……」




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