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第三部 天 獄
21虜囚④※
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アドリスは背後からまるで抱き竦めるようにナシェルの躯に腕をまわし、鎖を握ったままの彼の指に、そっと触れてくる。
指ごと、包み込まれた。
「お客様は、アンタだけじゃないんだよ。アンタがあんまりおイタすると、お連れさんに、迷惑がかかることになる。
でもおとなしくしてくれるなら、あとで直接、傷を治してくれた礼だけは云わせてやってもいいよ? 可愛い女神ちゃんにね」
云いざま、アドリスはナシェルの指から手枷の鎖をもぎ取った。
ナシェルは心の乱れを悟られぬよう、静かに双眸を閉じた。
やはりそうか……。嫌な予感は的中していたのだ。
ルゥも囚われたということだ。なおかつ、己が夢に浮かされていた間にルゥはここへ連れて来られ、この肩の傷を癒させられたらしい。…だからあのような夢を見たのだ…!
(ルゥが、さっきまでここに居た……。この場に!)
年端も行かぬ姫に、あの生々しい怪我を治癒させたというのか。どんな顔をしてルゥは、この肩の傷に触れたのだろう。
湧き立つ怒りが臨界点を越えかけるのを、なんとか抑えた。己が、ここで爆発するわけにはいかない……。
殺気を封じ込めるためにゆっくりと深呼吸を繰り返す。
(ルゥが囚われているならば、無謀な行動はできぬ)
ナシェルは眸を閉じたまま幽かに声を絞り出す。
「……姫はどこにいる」
「今は言えない。おとなしくするって、約束するならあとで会わせてやるよ? どうする?」
「……分かった。抵抗はせぬ。そのかわり、姫には手を出すな」
「うん。物分かりがよくて結構なことだね。
こいつらがさ、アンタみたいな異端の神でも、ちゃんとオレ達と同じ躯の造りしてるのかどうか確めたいんだとさ……。
それに一目見て、アンタの美貌にクラクラきちゃってるってのもあるみたいよ」
「………」
「……あーそれと兄貴が来るとまずいからオレ、外で終わるの待ってようかと思ってたんだけど…、万が一さっきみたいにおイタされちゃうと困るからなぁ、しょーがない、終わるまでここで見張らせてもらうわ」
残忍なことをさらっと云ってのけると、アドリスは剣先をひたひたとナシェルの頬に打ちつける。
「もう一度云うけど、無駄な抵抗したりおかしな行動取ったりしたらお連れさんの安全は保証できないからね。
じゃ、お前ら…適当に楽しんだら?」
斯くして形勢は覆った。瞬殺されかかった神々はひるがえって凌辱者と化し、怒気をもってこの清冽な美躯を代わる代わる犯すために近づいてきた。
「さっきの御礼をさせてもらうからな」
己以外にも人質がいると聞かされれば、それ以上抗うことはできぬ。ナシェルは為すがまま見も知らぬ天族に己が四肢を委ねるしかなかった。
だが、この下級神どもによってどのような目に遭わされようとも、ナシェルは心底に根を生やした高貴な自尊心を失わずに揚揚と掲げ続けると心に誓っていた。こんな程度では私の心には傷ひとつつかぬと己に云い聞かせることで正気を保とうとしたと云ってもよい。
野犬共よ、私の躯を醜く浅ましく、よってたかって喰らうがいい。
私が貴様らごときの責めに我を失いよがり狂うなどと思ったら、大間違いだ。
私は眦ひとつ動かさぬ。貴様ら程度に私の心を堕とすことはできぬ。
さあ貴様らごときには本来触れ得るべくもない、この私の躯を特別に味わわせてやる。翻っておのれらの卑しい貧弱な体躯を恥じるがいい。
へたくそな腰遣いをしてみろ、笑ってやるぞ……。
◇◇◇
「…ほう……こいつは凄えや……」
「女みたいに生白い躯してるな」
「あっちのほうも女のようによく締まるんじゃねえか?」
男神達はナシェルの躯を包んでいた服をすべて剥ぎ取ると、現れ出た、無駄なく均整のとれた彫刻のような裸身の見事さに思わず嘆を発した。そして黒い薄衣のごとき茂みに覆われた、美しい容をした陽物を目に入れるや見惚れ、己たちの一物に烈しく兆しを感じ始め、彼等は誰が一番手の誉れを得るかでしばし争った。
全裸で床に這わされたナシェルは彼等の醜い揉め事を、冷徹な眼差しで……高みの見物に回ったアドリスからすれば「小生意気な笑い」すら浮かべて、蔑視していた。
やがてナシェルの躯は膝立ちになった彼等に、二人がかりで背後から抱え上げられ、各々の肩を羽交い絞めにされた。
一人が目の前に膝立ちになった。絞殺されかけた男だ。首には鎖の跡が生々しく残っている。
男は復讐心に滾った眼差しを向けてきた。
「俺が最初に試させてもらうぜ。お前の孔がどんな具合かをな……」
男がナシェルの膝を掴んで大きく脚を拡げさせた。痛いほどの視線が根茎と陰嚢と、その下方にある秘蕾に注がれているのを感じた。
だが、心揺り動かさぬと決めた以上、ナシェルは己に恥辱すら感じることを戒め、ひたすら無心を続けた。恥じ入ることなど何もない。たとえ痛烈な言葉で貶められようとも……。
なんの下準備も無くいきなり衝き入れるのかと思いきや、どろりとした感触が股の間を伝った。男が何か潤滑油らしきものをナシェルの下肢に塗りこめようとしているようだ。冷たい感触に、僅かだがびくりと腰が撥ねる。
「……っ…、」
「しつこいようだが傷だけはつけんなよ。このことがばれたら、オレが兄貴に張り倒されちゃうから」
壁際に靠れて腕を組むアドリスが、男達に声を投げてくる。どうやら、そういうことらしい。
まだ少年神の時代から冥王の手で開発されてきたナシェルの秘蕾は、今やとても柔軟だ。たとえ前戯抜きで男の物を受け入れたとしてもそれほど酷く傷がつくことはない。
父王などはそれを承知で昨今はもう潤滑油など余計なものは使わず指戯のみでくつろげてから挿入する。時には寛げることすらしないで挿入し、ナシェルを苦痛に喘がせ屈服させ、服従させる。
それはそれで良い―――、とすら思うのは、ナシェルも父の嗜虐的な愛を心のどこかでは求めているからか。
だがこの者たちの場合はそうもいかぬ。求めておらぬ交わりである以上、慣れているとはいえ苦痛なだけだ。下手糞に突き込まれれば傷つくやもしれぬ。よって理由はどうあれ、己を傷つけることを憚るアドリスだかのこの配慮は幾らか救いとなった。
男が油に濡れた指を、股の間に這わせはじめた。引き締まった尻の後孔の形状をじっくりと目と指で確めた男は、股の間から顔を覗かせてナシェルを至近に捉えた。
「いい色をしているな。まるで真っ赤な雌花だ。早く雄花が欲しくて、花びらをヒクつかせてるみたいだぜ。おいお前ら、こいつの膝を抱えてくれ」
男が他の二人に声をかける。背後の二人が空いたほうの手で其々、ナシェルの膝を抱えてぐいと引き絞った。男達が膝を引けば引くほど大きく下肢が開き、もっとも秘すべき後庭が仰け反るように晒される。ナシェルは無表情を貫くが幽かに眉を顰めた。
「スゲえな……」
「ああ、こんな綺麗な躯は初めて見た」
男達は感嘆の溜息を漏らしながら、官能的な下肢に視線を釘付けられている。
やがて下肢を這いずり回っていた男の指が、つぷりと、その情熱的な色をした雌花の奥へ挿し入れられた。
「……っ!!」
ナシェルはとっさに息を吸い体を強張らせた。上向かされた尻に、抱えあげられた膝に、男たちの手に委ねられた両腕にも、思わず力が入る。躯の奥に男の指をまざまざと感じ、ぶるりと下肢が痙攣した。
歯を食いしばるナシェルの淫靡な表情を、三人の男達は愉悦に満ちた眼差しで見下ろしてくる。
「おいおい、もっとちゃんと声を出して啼いてみせろ……。嬉しいんだろ? こんなにヒクついて誘ってるってのに」
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