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第一部 血族
1 冥王の御子①
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オオオォォォ………オオオォォォ……
地の底で深く低く、魔獣が咆哮している。
……いや、魔獣の唸りと聞き違えるのは風音であった。
どこから吹いてくるのか知れない、血腥いエレボスの風。
風はこの巨大で長い洞窟世界をとめどもなく吹き抜け、いつか冥府を訪う。
ひとときたりとも止むことはなく、その不気味な音は暗い岩壁に反響して、まるで牛頭魔人の嘆きの如く哀しげに谺していた。
その薄気味悪く生ぬるい風に、漆黒のマントを靡かせながら、一人の青年が立っている。
……ここは長大な冥界の入口にある、暗黒界。死者が冥府へ赴く際に通り抜ける、果てしなく長い漆闇の世界だ。
地上で生命の誕生が途切れぬのと同様、死者の群れもまた途切れることはない。
両手を鎖で縛られた、蒼い顔の死者たちが、足を引きずり黙々と冥府へ向かって歩みを進めてゆく。
中には自分が死んだということを理解できぬ者もいるから、鎖で繋がないと逃げて地上界へ戻ろうとする者がいる。
そういった者は地上ではゾンビなどと呼ばれて恐れられるが、死の神の使いたる死の精霊たちに捕らえられたあとは、冥界の最下層である奈落へと突き落とされ、二度と生まれ変わることはできない。
死者たちの鎖が発するジャラジャラという陰気な音の中に、魔獣の遠吠えに似たエレボス特有の風の音が混じる。
……そして風をまともに受け、脆く風化しようとしている崖の上に、その青年は立っていた。
青年は象牙彫刻のような手を伸ばし、宙を翔る精霊たちの挨拶に応ずる。
暗黒界に生息するのは死の精たちと、闇の精たちだ。二種類の精霊たちは次々と主の周りに集まり、ふわふわと浮遊しながらその指先に口付けしてゆく。
数多の精霊たちがひとりの青年に忠誠を誓うその儀式は、冥界の一場面とは思えぬほど幻想的で、神々しくさえあった。
「死の精たちがえらく騒ぎおる。地上で戦いが起こって、死者の数が増えすぎているのか」
青年は切り立った崖の先端に立ち、悠然と死者の行列を見下ろす。よく見れば、多くの死者が身にまとっているのは血塗られた甲冑。どの顔も無念と苦痛に顔をゆがませ、首から上を失った者は己の首級を抱えて歩いてゆく。
兵士の霊魂はなかなかに報われぬ。人殺しを生業とする者…、冥王から課される罰は、それゆえに重いものなのだ。
「まあ良い。死者が少なくなるよりは、この暗黒界が賑やかになって、こちらとしても好都合だ」
青年が唇に笑みを浮かべてつぶやくと、死の精たちが不満げに羽をばたつかせた。
地上から魂を狩ってきて冥府へ導く役目を負った彼等は、地上では“死神の遣い”と呼ばれて恐れられている。
普段は背中に黒い羽を生やした少年の姿をしているが、いたずら好きの彼等は鎌を持った骸骨の姿をして人間を脅かすのが得意だ。
無口で従順な闇の精たちと違い、死の精は不平不満の多い連中だ。青年の言葉に対し怒ったようで、一斉に喧々囂々と騒ぎ始めた。魂を狩ってくる自分たちの身にもなれとこぼしているようだ。
青年は肩をすくめた。
「分かった分かった…お前たちもさぞかし忙しいことだろう。父上は……もっとだな」
他人事のように云って微笑むその青年こそ、冥王の王子にして冥界の世継たる、死の神である。
青年といっても神のこと、実際の年齢は計り知れない。まだ若い神ではあるが、千歳はゆうに超えている。
ナシェルは、父神ゆずりのつややかな漆黒の髪を長くのばし、背中に垂らしている。日焼けすることのない肌は、象牙の如く白かった。柳木のように長身で、目鼻立ちは鋭利。父冥王に文字通り瓜二つの、凛とした美貌である。
ただ一つだけ、瞳の色だけが父王と異なり、天界の女神だった母ティアーナ――彼女はナシェルを生むとすぐ冥界の瘴気のせいで病み、消滅してしまった――その母神に似て、見るものをはっとさせるような群青色だった。
その優美かつ“居丈高さ”を隠さぬ強い瞳をふちどる睫毛は長く、ぴんと一方向に緻密に生え揃っていた。
「……精霊どもをもっとちゃんと躾けた方が良いぜ、ナシェル」
不意に背後から声がかかり、ナシェルは振り返った。
一人の若い男が歩み寄ってくる。
「ヴァニオン。いつも云っているだろう、死の精たちは調教にはもともと不向きだと」
ヴァニオンは呆れたように視線だけ上げて応えた。
この男――ヴァニオンは、ナシェルに仕える魔族だ。冥界九公爵家の一つ・ヴェルキウス家の嫡子で、ナシェルの乳兄弟にして親友。
種族は違えど、兄弟のように育った間柄であるから臣下といえど遠慮はない。
ヴァニオンは死の神の傍らに並んで立つ。超絶的な存在力を放つ冥界の王子の傍らにあって、いささかの見劣りもしない。
ヴァニオンの、魔族にしてはやや色素の薄い茶黒の髪は短く刈られ、長めの前髪だけが風をはらんで揺れている。
黒曜石の瞳は妖しく煌き、何もかもを吸い込む奈落の深淵を思わせた。纏うマントは血よりもさらに深き赤。ヴェルキウス家の領地である炎獄界の炎を思いおこさせる。
人の死を束ねる神と、冥界貴族の御曹司。
高貴な二人の青年は、しばらく心地よい風が体を撫でるにまかせた。
グオオオ……という凄まじい風音は、断末魔の悲鳴に似て耳に心地よく、風に混じる血の臭いもまた筆舌に尽くせぬ。
まだナシェルが幼い神であったころ、初めてこの地に来たときには、この魔獣の遠吠えにも似た風に心底から恐怖を覚えたものだが……、数百年の月日を経、今やこの風を肌に浴びぬ日はない。
「そうだ、ヴァニオン」
ナシェルはふと思い出して親友を振り返った。
「あの者はどうしている。月の運行を司る神であったという……」
「ああ、サリエルのことか。神は神でも、今は何の力も持たない堕神だがな。
まだ生きてるぜ、まあ……あまり元気とは云えないが」
「まだ殺さずに痛めつけて遊んでいるのか、悪趣味な奴」
「おいおい、人聞きの悪いこというなよ。ちゃんと丁寧に扱ってるぜ、何しろ天界の神族だったんだから」
サリエルというのは、ヴァニオンが自邸に監禁している天界の神のことだ。
人間に身を窶した二人は偶然地上界で出会い、サリエルに恋着したヴァニオンは彼を欺いて、この冥界に連れてきてしまったのである。
もう百年以上も昔のことだ。永遠に近い命を持つ黄泉の生物である彼ら魔族には、時間など関係ない。長い長い青年期を経て、非常にゆっくりと老いるのだ。
永遠の美を誇るナシェルのような神族とて、それは同じことである。
「私はほんの悪ふざけとばかり思っていたが。あのような下級神……」
「そんな言い方はよしてくれ。俺は珍しく本気なんだ、今度は」
「……済まぬ」
素直に謝罪してから、ナシェルは顔を逸らしてこみ上げる失笑をこらえた。ヴァニオンがむきになるのもおかしいが、今度こそ本気だという台詞もほとほと聞き飽きている。
だが……と云って、ヴァニオンは声を落とした。
「もう長くないかもしれん。やはり冥界の空気は天上界の神族の奴には毒らしくてな。かなり弱っちまってる。最近、よく血を吐きやがる」
「そうか」
ナシェルは己の死んだ母ティアーナを思い出した。彼女も同じ病で、消滅する直前はよく喀血していたときく。
そしてもうひとり。現在、ナシェルの継母である王妃セファニアも。
「神族ってのは不死身なんだと、俺思ってた。だって陛下もお前も、どう殺したって死ななそうじゃねえか」
「父上と私は特別だ。冥界の空気が口に合う。神としては“異端”だからな……」
異端の神、と己を評するナシェルは、自嘲気味に口元を歪める。
「……だがなヴァニオン。私たち神族とて、死のうと思えばできなくはない」
神族にとっての死は、人間や魔族の死とは別の意味である。
神の死とは、天界・地上界・冥界からなるこの三界から『消滅』し、創世神のいる創世界に転位することをさす。
転位すれば、より高次元の神となるらしいが、ナシェルは転位した者と会ったことがないので詳しくは知らない。
己の生母ティアーナも、消滅し転位して、どこからか己を見ているのだろうか?
「殿下!」
そのとき、彼らの真下でナシェルを呼ぶ声がした。
ヴァニオンが崖の上からのぞいて声の主を見出し、軽く手を振る。ナシェルはしかし顔を顰め舌打ちした。
「……煩いのが来た」
『冥王の御子』
挿し絵:syuka様
地の底で深く低く、魔獣が咆哮している。
……いや、魔獣の唸りと聞き違えるのは風音であった。
どこから吹いてくるのか知れない、血腥いエレボスの風。
風はこの巨大で長い洞窟世界をとめどもなく吹き抜け、いつか冥府を訪う。
ひとときたりとも止むことはなく、その不気味な音は暗い岩壁に反響して、まるで牛頭魔人の嘆きの如く哀しげに谺していた。
その薄気味悪く生ぬるい風に、漆黒のマントを靡かせながら、一人の青年が立っている。
……ここは長大な冥界の入口にある、暗黒界。死者が冥府へ赴く際に通り抜ける、果てしなく長い漆闇の世界だ。
地上で生命の誕生が途切れぬのと同様、死者の群れもまた途切れることはない。
両手を鎖で縛られた、蒼い顔の死者たちが、足を引きずり黙々と冥府へ向かって歩みを進めてゆく。
中には自分が死んだということを理解できぬ者もいるから、鎖で繋がないと逃げて地上界へ戻ろうとする者がいる。
そういった者は地上ではゾンビなどと呼ばれて恐れられるが、死の神の使いたる死の精霊たちに捕らえられたあとは、冥界の最下層である奈落へと突き落とされ、二度と生まれ変わることはできない。
死者たちの鎖が発するジャラジャラという陰気な音の中に、魔獣の遠吠えに似たエレボス特有の風の音が混じる。
……そして風をまともに受け、脆く風化しようとしている崖の上に、その青年は立っていた。
青年は象牙彫刻のような手を伸ばし、宙を翔る精霊たちの挨拶に応ずる。
暗黒界に生息するのは死の精たちと、闇の精たちだ。二種類の精霊たちは次々と主の周りに集まり、ふわふわと浮遊しながらその指先に口付けしてゆく。
数多の精霊たちがひとりの青年に忠誠を誓うその儀式は、冥界の一場面とは思えぬほど幻想的で、神々しくさえあった。
「死の精たちがえらく騒ぎおる。地上で戦いが起こって、死者の数が増えすぎているのか」
青年は切り立った崖の先端に立ち、悠然と死者の行列を見下ろす。よく見れば、多くの死者が身にまとっているのは血塗られた甲冑。どの顔も無念と苦痛に顔をゆがませ、首から上を失った者は己の首級を抱えて歩いてゆく。
兵士の霊魂はなかなかに報われぬ。人殺しを生業とする者…、冥王から課される罰は、それゆえに重いものなのだ。
「まあ良い。死者が少なくなるよりは、この暗黒界が賑やかになって、こちらとしても好都合だ」
青年が唇に笑みを浮かべてつぶやくと、死の精たちが不満げに羽をばたつかせた。
地上から魂を狩ってきて冥府へ導く役目を負った彼等は、地上では“死神の遣い”と呼ばれて恐れられている。
普段は背中に黒い羽を生やした少年の姿をしているが、いたずら好きの彼等は鎌を持った骸骨の姿をして人間を脅かすのが得意だ。
無口で従順な闇の精たちと違い、死の精は不平不満の多い連中だ。青年の言葉に対し怒ったようで、一斉に喧々囂々と騒ぎ始めた。魂を狩ってくる自分たちの身にもなれとこぼしているようだ。
青年は肩をすくめた。
「分かった分かった…お前たちもさぞかし忙しいことだろう。父上は……もっとだな」
他人事のように云って微笑むその青年こそ、冥王の王子にして冥界の世継たる、死の神である。
青年といっても神のこと、実際の年齢は計り知れない。まだ若い神ではあるが、千歳はゆうに超えている。
ナシェルは、父神ゆずりのつややかな漆黒の髪を長くのばし、背中に垂らしている。日焼けすることのない肌は、象牙の如く白かった。柳木のように長身で、目鼻立ちは鋭利。父冥王に文字通り瓜二つの、凛とした美貌である。
ただ一つだけ、瞳の色だけが父王と異なり、天界の女神だった母ティアーナ――彼女はナシェルを生むとすぐ冥界の瘴気のせいで病み、消滅してしまった――その母神に似て、見るものをはっとさせるような群青色だった。
その優美かつ“居丈高さ”を隠さぬ強い瞳をふちどる睫毛は長く、ぴんと一方向に緻密に生え揃っていた。
「……精霊どもをもっとちゃんと躾けた方が良いぜ、ナシェル」
不意に背後から声がかかり、ナシェルは振り返った。
一人の若い男が歩み寄ってくる。
「ヴァニオン。いつも云っているだろう、死の精たちは調教にはもともと不向きだと」
ヴァニオンは呆れたように視線だけ上げて応えた。
この男――ヴァニオンは、ナシェルに仕える魔族だ。冥界九公爵家の一つ・ヴェルキウス家の嫡子で、ナシェルの乳兄弟にして親友。
種族は違えど、兄弟のように育った間柄であるから臣下といえど遠慮はない。
ヴァニオンは死の神の傍らに並んで立つ。超絶的な存在力を放つ冥界の王子の傍らにあって、いささかの見劣りもしない。
ヴァニオンの、魔族にしてはやや色素の薄い茶黒の髪は短く刈られ、長めの前髪だけが風をはらんで揺れている。
黒曜石の瞳は妖しく煌き、何もかもを吸い込む奈落の深淵を思わせた。纏うマントは血よりもさらに深き赤。ヴェルキウス家の領地である炎獄界の炎を思いおこさせる。
人の死を束ねる神と、冥界貴族の御曹司。
高貴な二人の青年は、しばらく心地よい風が体を撫でるにまかせた。
グオオオ……という凄まじい風音は、断末魔の悲鳴に似て耳に心地よく、風に混じる血の臭いもまた筆舌に尽くせぬ。
まだナシェルが幼い神であったころ、初めてこの地に来たときには、この魔獣の遠吠えにも似た風に心底から恐怖を覚えたものだが……、数百年の月日を経、今やこの風を肌に浴びぬ日はない。
「そうだ、ヴァニオン」
ナシェルはふと思い出して親友を振り返った。
「あの者はどうしている。月の運行を司る神であったという……」
「ああ、サリエルのことか。神は神でも、今は何の力も持たない堕神だがな。
まだ生きてるぜ、まあ……あまり元気とは云えないが」
「まだ殺さずに痛めつけて遊んでいるのか、悪趣味な奴」
「おいおい、人聞きの悪いこというなよ。ちゃんと丁寧に扱ってるぜ、何しろ天界の神族だったんだから」
サリエルというのは、ヴァニオンが自邸に監禁している天界の神のことだ。
人間に身を窶した二人は偶然地上界で出会い、サリエルに恋着したヴァニオンは彼を欺いて、この冥界に連れてきてしまったのである。
もう百年以上も昔のことだ。永遠に近い命を持つ黄泉の生物である彼ら魔族には、時間など関係ない。長い長い青年期を経て、非常にゆっくりと老いるのだ。
永遠の美を誇るナシェルのような神族とて、それは同じことである。
「私はほんの悪ふざけとばかり思っていたが。あのような下級神……」
「そんな言い方はよしてくれ。俺は珍しく本気なんだ、今度は」
「……済まぬ」
素直に謝罪してから、ナシェルは顔を逸らしてこみ上げる失笑をこらえた。ヴァニオンがむきになるのもおかしいが、今度こそ本気だという台詞もほとほと聞き飽きている。
だが……と云って、ヴァニオンは声を落とした。
「もう長くないかもしれん。やはり冥界の空気は天上界の神族の奴には毒らしくてな。かなり弱っちまってる。最近、よく血を吐きやがる」
「そうか」
ナシェルは己の死んだ母ティアーナを思い出した。彼女も同じ病で、消滅する直前はよく喀血していたときく。
そしてもうひとり。現在、ナシェルの継母である王妃セファニアも。
「神族ってのは不死身なんだと、俺思ってた。だって陛下もお前も、どう殺したって死ななそうじゃねえか」
「父上と私は特別だ。冥界の空気が口に合う。神としては“異端”だからな……」
異端の神、と己を評するナシェルは、自嘲気味に口元を歪める。
「……だがなヴァニオン。私たち神族とて、死のうと思えばできなくはない」
神族にとっての死は、人間や魔族の死とは別の意味である。
神の死とは、天界・地上界・冥界からなるこの三界から『消滅』し、創世神のいる創世界に転位することをさす。
転位すれば、より高次元の神となるらしいが、ナシェルは転位した者と会ったことがないので詳しくは知らない。
己の生母ティアーナも、消滅し転位して、どこからか己を見ているのだろうか?
「殿下!」
そのとき、彼らの真下でナシェルを呼ぶ声がした。
ヴァニオンが崖の上からのぞいて声の主を見出し、軽く手を振る。ナシェルはしかし顔を顰め舌打ちした。
「……煩いのが来た」
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挿し絵:syuka様
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