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初めての共闘
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刀の男2人を銀に任せ、全力で走ってくる私に驚いた男が私に銃口を向けた。
火縄銃の欠点…それは命中率の低さと、1度発砲すると次の弾を撃つまでの時間がかかる事。つまり、1発誤射させてしまえばその次までに相手を攻撃する事が出来る。
敵を驚かせて暴発させるか…その為に必要な物は…。
アレで、良いかな。
走りながら小石を見付けた私は思わず口元に三日月を浮かべる。
屈んで小石を拾い、すぐ様横に飛ぶ。そして、着地と同時に火縄銃に向けて小石を投げる。
コツンッ
私が投げた小石は見事火縄銃の銃口にヒット。
「うわっ!?」
男は小石に驚き、引き金に掛けていた指を引いてしまった。
バァンッ
派手な音を立て、銃は地面に向けて弾を撃ち込んだ。
私は銃口を蹴り飛ばし、次いで男の髪を鷲掴みにし、少し怯んだ男の腹を思い切り蹴って地面に仰向けに転がした。
「まさか、人を蹴り飛ばして気絶させるような人生になるとは思わなかったよ。」
意外と弱かったのか男は白目剥いて気絶していた。
だが、念の為起き上がれないよう、男の腹に足を乗せ体重をかけた。
銀はどうなったのだろうと様子を伺うと、なんと、風を巻き起こし男達を圧倒していた。
「…へっ?」
思わず間の抜けた声を出してしまう。
ただの狼だと思っていた銀は、風を纏っていて、どういう訳か竜巻の中に男達は巻き込まれていた。
悲鳴を上げながらグルグルと竜巻に巻き込まれる男達をポカンと見ていると、褒めろと言わんばかりにしっぽを振って上機嫌そうな銀が寄ってきた。
「…銀ちゃん、凄いんだね…?」
とりあえず褒めようと銀をモフモフしていると、いつの間にか竜巻が収まったのか、男達が血を流しピクピクと痙攣していた。
「ま、まさか魔獣だった、なんて…」
「知ってたら手出ししねぇよぉ…」
何とも情けない声を出している。
「ねえ、魔獣って?」
男達が気絶する前に何とか情報を聞き出したい私はそう話しかけた。
「お前、そんな事も知らねぇのか?魔法を使えるとてつもなく強い獣の事だ。そんなのも知らずに山の中に入るとは、世間知らずにも程があるぜ。」
「魔獣は人と馴れ合わないはず。どうやって手懐けた?…それに見慣れねぇ服着てやがる。嬢ちゃん本当に何者だ…?」
どういう事?ただの制服なのに見慣れないって…。
ゲームとかでこんな展開見た事あるけど、まさか。
「今、何年?」
嫌な予感がして、男達に問い掛ける。答えによっては飛んでもない事実を目の当たりにする事になる。
「永禄二年だけど、それがどうかしたか?」
確か、永禄三年が1560年で桶狭間の戦いがあったはず…つまり、その1年前の1559年にトリップしてるって事?しかも、魔獣って事は魔法がある世界…。ここは戦国時代であって私の知る世界ではないと言ったところだろうか。
「はぁ……ひとまず、私の今後の身の安全の為に、あなた方の持ち物頂いていきますね。そうですね、羽織と刀と路銀と言った所でしょうか。」
いきなりそんな事を言い出す私に驚いている男達。
「は、はぁ!?あっさりくれてやる訳ねえだろ!!」
「この刀どれだけ高かったと思ってやがる!!」
男達は喚き出し、めちゃめちゃ文句を言ってくる。
「でも、襲って来たのはそちらですよね?まさか、やり返される覚悟も無しに、いきなり武器を向けてきたのですか?」
少し睨みを利かせ、男達に問う。
正直こういった顔をするのは苦手だ。出来ればしたくない。
「そ、それはっ…」
私に持ち物を取られたくないのか苦渋の表情を見せるが、もう動けないのか、大人しくなる。
「では、こちらは頂いていきます。弱肉強食の世ならば仕方ないですよね。」
私はにっこりと笑顔を見せ、羽織と刀を2本、僅かな金銭を貰い、その場を去る事にした。
羽織を制服の上に着て、一緒に貰った紐を腰に結ぶ。その紐に引っ掛けるように刀を差した。これで少しはこの時代っぽくなっただろうか。
「はぁ…戦国時代なのに魔法って、どういう事よ…」
歩きながら男達の会話を思い出し、ついため息をついてしまう。そんな私の様子を見てクゥン…と心配そうな眼を向けてくる銀をそっと撫でる。
何かの番組の撮影と思いたいけど、さっきの見た感じ撮影とかじゃ無いだろうし、これからどうしよっかな。戦国時代に関しては少しだけ知ってるけど、この世界でその知識が役立つかどうか…うう、気が遠くなりそう。
火縄銃の欠点…それは命中率の低さと、1度発砲すると次の弾を撃つまでの時間がかかる事。つまり、1発誤射させてしまえばその次までに相手を攻撃する事が出来る。
敵を驚かせて暴発させるか…その為に必要な物は…。
アレで、良いかな。
走りながら小石を見付けた私は思わず口元に三日月を浮かべる。
屈んで小石を拾い、すぐ様横に飛ぶ。そして、着地と同時に火縄銃に向けて小石を投げる。
コツンッ
私が投げた小石は見事火縄銃の銃口にヒット。
「うわっ!?」
男は小石に驚き、引き金に掛けていた指を引いてしまった。
バァンッ
派手な音を立て、銃は地面に向けて弾を撃ち込んだ。
私は銃口を蹴り飛ばし、次いで男の髪を鷲掴みにし、少し怯んだ男の腹を思い切り蹴って地面に仰向けに転がした。
「まさか、人を蹴り飛ばして気絶させるような人生になるとは思わなかったよ。」
意外と弱かったのか男は白目剥いて気絶していた。
だが、念の為起き上がれないよう、男の腹に足を乗せ体重をかけた。
銀はどうなったのだろうと様子を伺うと、なんと、風を巻き起こし男達を圧倒していた。
「…へっ?」
思わず間の抜けた声を出してしまう。
ただの狼だと思っていた銀は、風を纏っていて、どういう訳か竜巻の中に男達は巻き込まれていた。
悲鳴を上げながらグルグルと竜巻に巻き込まれる男達をポカンと見ていると、褒めろと言わんばかりにしっぽを振って上機嫌そうな銀が寄ってきた。
「…銀ちゃん、凄いんだね…?」
とりあえず褒めようと銀をモフモフしていると、いつの間にか竜巻が収まったのか、男達が血を流しピクピクと痙攣していた。
「ま、まさか魔獣だった、なんて…」
「知ってたら手出ししねぇよぉ…」
何とも情けない声を出している。
「ねえ、魔獣って?」
男達が気絶する前に何とか情報を聞き出したい私はそう話しかけた。
「お前、そんな事も知らねぇのか?魔法を使えるとてつもなく強い獣の事だ。そんなのも知らずに山の中に入るとは、世間知らずにも程があるぜ。」
「魔獣は人と馴れ合わないはず。どうやって手懐けた?…それに見慣れねぇ服着てやがる。嬢ちゃん本当に何者だ…?」
どういう事?ただの制服なのに見慣れないって…。
ゲームとかでこんな展開見た事あるけど、まさか。
「今、何年?」
嫌な予感がして、男達に問い掛ける。答えによっては飛んでもない事実を目の当たりにする事になる。
「永禄二年だけど、それがどうかしたか?」
確か、永禄三年が1560年で桶狭間の戦いがあったはず…つまり、その1年前の1559年にトリップしてるって事?しかも、魔獣って事は魔法がある世界…。ここは戦国時代であって私の知る世界ではないと言ったところだろうか。
「はぁ……ひとまず、私の今後の身の安全の為に、あなた方の持ち物頂いていきますね。そうですね、羽織と刀と路銀と言った所でしょうか。」
いきなりそんな事を言い出す私に驚いている男達。
「は、はぁ!?あっさりくれてやる訳ねえだろ!!」
「この刀どれだけ高かったと思ってやがる!!」
男達は喚き出し、めちゃめちゃ文句を言ってくる。
「でも、襲って来たのはそちらですよね?まさか、やり返される覚悟も無しに、いきなり武器を向けてきたのですか?」
少し睨みを利かせ、男達に問う。
正直こういった顔をするのは苦手だ。出来ればしたくない。
「そ、それはっ…」
私に持ち物を取られたくないのか苦渋の表情を見せるが、もう動けないのか、大人しくなる。
「では、こちらは頂いていきます。弱肉強食の世ならば仕方ないですよね。」
私はにっこりと笑顔を見せ、羽織と刀を2本、僅かな金銭を貰い、その場を去る事にした。
羽織を制服の上に着て、一緒に貰った紐を腰に結ぶ。その紐に引っ掛けるように刀を差した。これで少しはこの時代っぽくなっただろうか。
「はぁ…戦国時代なのに魔法って、どういう事よ…」
歩きながら男達の会話を思い出し、ついため息をついてしまう。そんな私の様子を見てクゥン…と心配そうな眼を向けてくる銀をそっと撫でる。
何かの番組の撮影と思いたいけど、さっきの見た感じ撮影とかじゃ無いだろうし、これからどうしよっかな。戦国時代に関しては少しだけ知ってるけど、この世界でその知識が役立つかどうか…うう、気が遠くなりそう。
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