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逃げた先には
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愛ちゃんに子猫を抱えて走るように伝えると、
「え!?どうするつもりなの?」
と、動揺していた。
そんな愛ちゃんをどうにかこの場から動かす為に軽く背中を押し、
「大丈夫!何とかするから!」
顔に笑顔を貼り付けた。
すると意を決したのか、愛ちゃんは走り出した。
その背中を見届けながら背負っていた、新しい教科書やノートが入った重いリュックをお腹の前に突き出した。
男は私の行動に驚いたようだが、すぐ近くに来ていた為に軌道を変えられなかったのか、そのままリュックへと突っ込んできた。
「クソがッ!!」
先程ポケットから取り出したであろう、今はリュックに刺さった小さいナイフを抜こうとする男の腹を思いっきり蹴りあげる。
「ぐ…っ」
男は呻きながらよろけている。
その隙に更に股間を蹴り上げ男が回復する時間を遅らせ、リュックからナイフを抜き取り男に向ける。
「大人しくしてな!警察呼ぶよ!」
男に威嚇しながらポケットからスマホを取り出し、110を押し、耳と肩でスマホを挟む。
「クソが、させるか!!」
私が警察に通報している間に男はバックから更に2本の包丁を取り出した。
完全に油断した…武器は一つだけじゃ無かったのか。小さいナイフと包丁じゃ刃渡りの長さが全然違う。このまま突っ込まれたら一巻の終わりだ。
ただ、男はまだよろけている…今ならまだ逃げれるか?それとも足を負傷させればこの場に留めておけるか…?いや、ひとまず逃げた方が良いかな。
私は犯人の方を見つめながらゆっくりと後ずさり、200メートル程距離を開けてから犯人に背を向け走り出した。犯人の追いかけて来る足音を聞きながら公園の中を横断し道路へと飛び出した。飛び出した先、私の目の前に迫って来た車。
やってしまった、死んだ。と思ったその瞬間。キキーッと急ブレーキの音が聞こえ、思わず瞑ってしまった目を開けてみる。
「危ねぇな!!…て、なんだあれ!?とりあえず後ろ乗れ!!!」
運転手は追いかけて来た犯人の手元を見たのか、車に乗るよう提案してくれた。
「はい!!」
これで助かった。
運転手に言われた通り後部座席の扉を開けるも、後部座席に乗っていた男2人に腕を掴まれ、強引に車内へと閉じ込められた。
嫌な予感を覚え、自分の周りをキョロキョロと見回す。車の窓はスモークで暗くなっていて、周りからは車内の状況が分かりにくくなっている。
「た、助け…ムグッッ」
危機的状況を察し叫ぼうとした瞬間、男に布で口元を塞がれた。何か妙な匂いがして思わず息を止める。
「大人しくしててもらうぜ、へへへ」
ニヤニヤと憎たらしい笑みを浮かべながら男は注射器を私の腕に刺した。
これから何されるんだろう…どうにかして逃げなきゃ……。
私はどうにか意識を保とうと遅い来る眠気に反抗する。意識を失う直前、車の前の扉が開くのが見えた。車に乗り込んで来たのはは私に襲いかかって来た刃物男だった。
「へへへ、成功したな。どうせだ、売る前に俺達で遊んでやろうぜ」
「そうだな、少しくらい美味しい思いしても許されるだろ。」
男達の嫌な視線を感じる。ニヤニヤしていて、物凄く気持ち悪い。見られるだけで鳥肌が止まらない。
そんな…グルだったんだ……。でも、襲われたのが愛ちゃんじゃなくて良かった…。
せっかく護身術とか教えてくれたのに、ごめんね、おばあちゃん…。
私は抵抗虚しく意識を手放した。
「え!?どうするつもりなの?」
と、動揺していた。
そんな愛ちゃんをどうにかこの場から動かす為に軽く背中を押し、
「大丈夫!何とかするから!」
顔に笑顔を貼り付けた。
すると意を決したのか、愛ちゃんは走り出した。
その背中を見届けながら背負っていた、新しい教科書やノートが入った重いリュックをお腹の前に突き出した。
男は私の行動に驚いたようだが、すぐ近くに来ていた為に軌道を変えられなかったのか、そのままリュックへと突っ込んできた。
「クソがッ!!」
先程ポケットから取り出したであろう、今はリュックに刺さった小さいナイフを抜こうとする男の腹を思いっきり蹴りあげる。
「ぐ…っ」
男は呻きながらよろけている。
その隙に更に股間を蹴り上げ男が回復する時間を遅らせ、リュックからナイフを抜き取り男に向ける。
「大人しくしてな!警察呼ぶよ!」
男に威嚇しながらポケットからスマホを取り出し、110を押し、耳と肩でスマホを挟む。
「クソが、させるか!!」
私が警察に通報している間に男はバックから更に2本の包丁を取り出した。
完全に油断した…武器は一つだけじゃ無かったのか。小さいナイフと包丁じゃ刃渡りの長さが全然違う。このまま突っ込まれたら一巻の終わりだ。
ただ、男はまだよろけている…今ならまだ逃げれるか?それとも足を負傷させればこの場に留めておけるか…?いや、ひとまず逃げた方が良いかな。
私は犯人の方を見つめながらゆっくりと後ずさり、200メートル程距離を開けてから犯人に背を向け走り出した。犯人の追いかけて来る足音を聞きながら公園の中を横断し道路へと飛び出した。飛び出した先、私の目の前に迫って来た車。
やってしまった、死んだ。と思ったその瞬間。キキーッと急ブレーキの音が聞こえ、思わず瞑ってしまった目を開けてみる。
「危ねぇな!!…て、なんだあれ!?とりあえず後ろ乗れ!!!」
運転手は追いかけて来た犯人の手元を見たのか、車に乗るよう提案してくれた。
「はい!!」
これで助かった。
運転手に言われた通り後部座席の扉を開けるも、後部座席に乗っていた男2人に腕を掴まれ、強引に車内へと閉じ込められた。
嫌な予感を覚え、自分の周りをキョロキョロと見回す。車の窓はスモークで暗くなっていて、周りからは車内の状況が分かりにくくなっている。
「た、助け…ムグッッ」
危機的状況を察し叫ぼうとした瞬間、男に布で口元を塞がれた。何か妙な匂いがして思わず息を止める。
「大人しくしててもらうぜ、へへへ」
ニヤニヤと憎たらしい笑みを浮かべながら男は注射器を私の腕に刺した。
これから何されるんだろう…どうにかして逃げなきゃ……。
私はどうにか意識を保とうと遅い来る眠気に反抗する。意識を失う直前、車の前の扉が開くのが見えた。車に乗り込んで来たのはは私に襲いかかって来た刃物男だった。
「へへへ、成功したな。どうせだ、売る前に俺達で遊んでやろうぜ」
「そうだな、少しくらい美味しい思いしても許されるだろ。」
男達の嫌な視線を感じる。ニヤニヤしていて、物凄く気持ち悪い。見られるだけで鳥肌が止まらない。
そんな…グルだったんだ……。でも、襲われたのが愛ちゃんじゃなくて良かった…。
せっかく護身術とか教えてくれたのに、ごめんね、おばあちゃん…。
私は抵抗虚しく意識を手放した。
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