崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

文字の大きさ
上 下
863 / 966
第二十六話 荒野に叫ぶロックスター

獅子奮迅の後輩たち!

しおりを挟む
 白い閃光が、ナガレの横を通り過ぎる。瞬間移動もかくやというスピードで、気づけばニンフォはサイレンコンドルの背後にいた。
「……これぞイラムサ剣術の極意、抜刀斬り!」
 そう言って、カチンと刀をしまう。
 ……直後、なんと突然サイレンコンドルの胸に大きな傷ができた! 血飛沫が舞い悲鳴を上げる!
 ザクザク……バシュッ!
「グェ~~!」
「うわっぷ! す、すごい。斬撃が早すぎて、傷が遅れて開いたのか!」
「ふふふ~、ちょっとは見直した。私はコウヨウ地方で剣術を嗜んでるのよ~♡ ちなみにイラムサを逆から読むと~……」

「オォォーーッ!」
 そしてベネットが雄叫びを上げながら突進。その巨大によく似合う、彼の武器トライバルアクスを振り上げた。重量のある鉄と毛皮を組み合わせた無骨な大斧だ!
「ぶっ飛ばしてくッスー! 大! 切! 断ーーッス!」
 ゴォォォォッ……ドガァーンッ!
「うひゃあー⁉︎」
「グェェーーッ⁉︎」
 地面がひび割れるほどの衝撃。振り下ろされたトライバルアクスは凄まじく、衝撃でナガレまで吹き飛んだ。サイレンコンドルは下クチバシを地面に叩きつけられ、バウンドして大きく後退する。 

 パヒュンッ!
「そらっ、そこにゃあ!」
 その隙を縫うように、ミケが矢を放った。鉄製の矢は勢いよく飛んでいき、後退したサイレンコンドルに追撃をお見舞いする。
 ザクッ!
「グェェェ!」
 胸を突き刺され悲鳴を上げるサイレンコンドル。ミケはすぐさま次の矢をつがえる……。

「アタイに任せて! ミケー! サポートするよー!」
 だがその時、シャットが杖を構えた。そしてグルグル回して魔力を溜め、それを一気に突き出す!
カクダイキョウ拡大鏡! それーっ!」
 パァァァァ……!
「お、助かるにゃあ」
 その時ミケの前方に、正方形の小さな障壁が出現。若干オレンジ色で宙に浮かぶ半透明の、魔力で作られたものだ。しかしぱっと見でも三十センチくらいしかないため、とてもシールドには見えないが……。
「アレを通して!」
「かしこまにゃあ!」
 パヒュンッ! と矢を放つミケ。それはシャットが出したのど真ん中に突き刺さる……。
 すると矢がその場から消えてしまう。だがその直後、オレンジの正方形がみるみる巨大化!
「いっけーー!」
 バビュンーッ!
「うぇぇーー⁉︎」
 そして、一メートルほどまで大きくなった正方形から……極端に巨大化した、投げ槍の如き矢が出現! それは螺旋回転しながら突き進み、サイレンコンドルを吹き飛ばす!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

ここは貴方の国ではありませんよ

水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。 厄介ごとが多いですね。 裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。 ※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話

Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」 「よっしゃー!! ありがとうございます!!」 婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。 果たして国王との賭けの内容とは――

要石の巫女と不屈と呼ばれた凡人

イチ力ハチ力
ファンタジー
女神が姿を消し、瘴気による侵食が進む『詰んでいる世界』に、五人の高校生が召喚された。  そして五人の中で唯一勝手に付いてきた富東 矢那(フトウ ヤナ)は、他の四人と異なり“勇者”では無かった。  『魔王』を倒すべく喚ばれ、魔力量も桁外れ、伝説級のスキルを既に取得している他の四人の『召喚されし勇者』達に対し、矢那の召還時の魔力量は凡人並。スキルも“言語/文字理解”を除いてはただ一つ、『不撓不屈』のみ。  『召喚を要求した者』は、数奇な運命と自身の持つ宿命に導かれながら、世界の命運を賭けた戦いに、身を投じていくことになる。  絶望の色に染まる『巫女』と、絶望が大嫌いな『凡人』が出会う時、神に挑みし『不屈』の物語が幕を開ける。  脳筋や変態扱いされても、姫がポンコツになっても、ヒロイン達が野獣と化したとしても! この男は決して倒れる事は無い! 顔で嗤って心で泣いて、世界を救う真の英雄譚が始まる!     熱い魂の王道ファンタジーここに誕生!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

処理中です...