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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター
ナガレの奇策とは⁉︎
しおりを挟む~☆~☆~☆~☆~☆~
さて、次の日の夕方。
相変わらず壮大な夕陽が見える中、後輩たちを除いたバッファローの冒険者が、高台広場に集合していた。
集められて何事かと、一点を見つめるケンガたち。彼の視線の先には、ナガレとジョーの姿があった。
……なぜかジョーは獲物のオブシディアンダガーではなく、無骨な鉄の長棒を持っている。
「ナガレさん、話ってなんですか?」
「ジョーっちも、なんでそんな物干し竿持ってんの?」
「なんだなんだ、棒高跳びでもするのか」
「あんな硬い棒で高跳びしたら、それはただの棒登りなのよ~……」
顔を見合わせて、次々意見を述べる冒険者。それをナガレが制止する。
「みんな、オレとジョーは今日から別メニューにするよ」
「「「えぇ~?」」」
「もちろん、その理由も説明する。実はさ、オレはマルチスタッフの技量を磨きたくって。それでジョーに、マンツーマンで教えてもらうことにしたんだ」
みんな怪訝そうな顔でジョーを見る。彼は長棒を簡単に振り回した。
「……実は俺は、棒術の扱いも得意なんだ。ナガレには剣術や棒術も教えようと思う」
「なるほど、武器指南ですか」
「良いじゃねえか! 俺は何を持ってきたら良いんだ?」
「いや、タネツさんたちみんなは、変わらず特訓を続けてください。オレのマルチスタッフを極めるために、特訓の時間を裂いちゃったら、みんなが強くなれませんから」
「……あと、ナガレはこの特訓に本腰を入れる。つまり二人でじっくり取り組むから、みんなと入れ違いにここに来る。……説明したぞ」
「わ、分かりました」
みんな若干疑問を持っているようだが、それでも納得して頷いた。
「分かってくれて、ありがとっ! それじゃあ今日だけみんなで特訓だー!」
「「「おぉーー!」」」
ナガレが強引に仕切って、他のみんなも賛成した。そしていつも通り、厳しい特訓が幕を開ける……。
ダダダダダダダダッ!
「どららららららーーッ!」
「ちょ、ちょいセンチアぁ⁉︎ は、速いって……じ、獣人すげぇ……」
「ほらサニー! 頑張りなさいっ!」
「か、勘弁してくださいよ……」
先輩四人は、長い長ーい階段をダッシュで駆け上がる。思い装備を背負ったまま、頂上に着いたら歩いて下り、また走って登る……。
「しぶてぇなクソッタレェェァン!」
「こっちのセリフですよオンドラァァァァン⁉︎」
ドカバキボコズガドーン!
そして広場では、ケンガとフローレンスが組み手の特訓。
……もとい、シンプルな喧嘩を繰り広げていた。
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