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第二十六話 荒野に叫ぶロックスター
離脱
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「え、どう言うことだ? ……まさかバンド、捕まえられるようなことを⁉︎」
「……違う。俺のこの姿を見れば、どこの戦士も迷わず悪人と判断する」
その瞬間、バンドの声がぐぐっと低くなった。言葉には、背筋が凍るような殺気が込められている。
「……俺はナガレ・ウエストに『アズラ』を使いこなすように指導する、そう決めた。ナガレも認めた。……ならば、それを邪魔するものは皆殺しだ。たとえ騎士であろうと、貴様の友であろうと、邪魔するのなら殺す」
「うぇ……⁉︎」
「……その人間を大切と思うなら、絶対に連れてくるな。ジョー・アックス。お前も命が惜しければ、来ないことを薦める」
「……フン、俺がナガレを引き止めて、行かせないようにしたら?」
「……貴様を殺し、ナガレを連れていく。此奴が拒否しない限り、俺は何十年立とうと必ずアズラを習得させる」
そう言って、崖に身を乗り出した。
「……ナガレ・ウエスト。嫌なら拒否しろ。俺も、無理強いはしない。……だが、魔を祓う力は、必ず役に立つ。必ずな……」
バッ!
「あぁっ⁉︎」「……!」
なんとバンドは、崖から飛び降りた! ここから下まで十メートル以上はある。それを滑り降りるのならまだ分かるが、なんと大地を蹴ってジャンプしていた!
慌てて二人が下を見下ろすが……その時にはもう、バンドの姿は消えていた。
「行っちゃった」
「……また町の人に化けているんだろう。強さは本物だが不気味な奴だ」
「え、今の一瞬で分かったのか⁉︎」
驚くナガレ。「ああ……」と答えるジョーの声は、わずかに震えていた。
「……正直、奴のプレッシャーに圧倒されそうだった。俺も元Sランク冒険者だ。何度も奴の隙を見て、ダガーを抜こうとした。……だが、それは出来なかった」
額に冷や汗を浮かべながら、ダガーを納刀する。
「……奴に睨まれると、体が動かなくなった。魔法でもなんでもない。ただ恐れて、剣を抜けなかった……俺ともあろうものが、戦いを挑むことすら出来ないとは」
そう言って、ナガレの方を向くジョー。
「……ナガレ。もう奴に会うのはやめておけ。何を考えているか分からない」
「…………」
「アイツは、お前が拒否したら止めると言っていた。明日、面と向き合ってしっかり『もう止める』と伝えるんだ。言っていることが本当なら、奴もそれ以上は言ってこないだろう」
「う、うん……」
だがナガレは、気まずそうに目を逸らした。バンドに罪の意識を持ったのではない。……ジョーの意見を否定するのに、申し訳なさを感じたからだ。
「……違う。俺のこの姿を見れば、どこの戦士も迷わず悪人と判断する」
その瞬間、バンドの声がぐぐっと低くなった。言葉には、背筋が凍るような殺気が込められている。
「……俺はナガレ・ウエストに『アズラ』を使いこなすように指導する、そう決めた。ナガレも認めた。……ならば、それを邪魔するものは皆殺しだ。たとえ騎士であろうと、貴様の友であろうと、邪魔するのなら殺す」
「うぇ……⁉︎」
「……その人間を大切と思うなら、絶対に連れてくるな。ジョー・アックス。お前も命が惜しければ、来ないことを薦める」
「……フン、俺がナガレを引き止めて、行かせないようにしたら?」
「……貴様を殺し、ナガレを連れていく。此奴が拒否しない限り、俺は何十年立とうと必ずアズラを習得させる」
そう言って、崖に身を乗り出した。
「……ナガレ・ウエスト。嫌なら拒否しろ。俺も、無理強いはしない。……だが、魔を祓う力は、必ず役に立つ。必ずな……」
バッ!
「あぁっ⁉︎」「……!」
なんとバンドは、崖から飛び降りた! ここから下まで十メートル以上はある。それを滑り降りるのならまだ分かるが、なんと大地を蹴ってジャンプしていた!
慌てて二人が下を見下ろすが……その時にはもう、バンドの姿は消えていた。
「行っちゃった」
「……また町の人に化けているんだろう。強さは本物だが不気味な奴だ」
「え、今の一瞬で分かったのか⁉︎」
驚くナガレ。「ああ……」と答えるジョーの声は、わずかに震えていた。
「……正直、奴のプレッシャーに圧倒されそうだった。俺も元Sランク冒険者だ。何度も奴の隙を見て、ダガーを抜こうとした。……だが、それは出来なかった」
額に冷や汗を浮かべながら、ダガーを納刀する。
「……奴に睨まれると、体が動かなくなった。魔法でもなんでもない。ただ恐れて、剣を抜けなかった……俺ともあろうものが、戦いを挑むことすら出来ないとは」
そう言って、ナガレの方を向くジョー。
「……ナガレ。もう奴に会うのはやめておけ。何を考えているか分からない」
「…………」
「アイツは、お前が拒否したら止めると言っていた。明日、面と向き合ってしっかり『もう止める』と伝えるんだ。言っていることが本当なら、奴もそれ以上は言ってこないだろう」
「う、うん……」
だがナガレは、気まずそうに目を逸らした。バンドに罪の意識を持ったのではない。……ジョーの意見を否定するのに、申し訳なさを感じたからだ。
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