835 / 966
第二十五話 リベンジ! スカルクリーチャー
もう一人、オマケで
しおりを挟む
……そんなことはなかったようだ。
するとベネットは「あぁ、そうそうッス」と表情を改める。
「実はここに来る途中、ナガレ先輩を探している人と出会ったッス。なぁ、メイトリクス?」
その言葉に、横のメイトリクスも頷く。
「へぇ、オレを? 冒険者の誰かかな。どんな人だった?」
「や、冒険者じゃなかったねです。髪がダンナみたいに赤くって長髪で、でも普通のニンゲンでしたです。確か騎士がどうたらこうたら……」
メイトリクスがそこまで言うと、急にドアが派手に開く!
バタンッ! と大きな音がした。
「ひょわ⁉︎」「うぉ!」
みんな驚いてそちらを向いた。咄嗟にアリッサがルックを、ベネットがメイトリクスを後ろへ庇っている。
「え、またお客さん⁉︎」
「て、てんちょー……! その言い方はコンプラ的に良くないです……!」
「お、おっとしまった……失礼しました、いらっしゃいませ!」
入って来た人物は、赤髪ストレートの女性だった。若干日焼け肌で、結構凛々しい顔立ちである。そして銀色に輝いて見える、クールなプレートアーマーを着ていた。周囲を見渡して、ナガレと目があった。
「……っあーー! やぁーっと見つけた! ナガレさんだよねっ」
「え? は、はいそうですけど」
「いやぁー探したよー! あ、どいてどいて!」
「どわ!」「きゃ!」
ベネットを押し除けてナガレの手を握って握手。対するナガレはキョトンとしたままだ。
「えーと、どちらさま? 確かにオレがナガレだけど……」
「あ、ごーめーん! アタシが名乗るの忘れてたね」
女性はちょっと胸を張って、自慢げに答えた。
「アタシ、エレナって言うんだ。エレナ・ヴィスカー! あの辛気臭いオッサン騎士、クリストフはアタシの上官なんだ」
「へぇ~。あ、そういえばアンタあの時一緒にいたね。オレはナガレ。ナガレ・ウエスト」
エレナは先ほどギルドで出会ったクリストフの配下だ。ナガレもちょっとだけ見かけていた。
「んで、どうかしたの?」
「まぁまぁ、まずは料理を頼もうよ。テンダーさーん、この人とおんなじやつ! ささ、一緒の席へどぞどぞ♪」
「え、ちょいちょい」
エレナはニコニコ笑顔でナガレの背中を押し、席へ押しやった。彼女はその対面の席に座る。
「ほら、食べないの? ステーキ冷めちゃうよ」
「お、おっとそうだ。いただきまーす!」
そういってナガレは、口にステーキの切れ端を放り込んだ。ちょっと冷めて温いが、それでも美味しい。ガーリックの風味と玉ねぎが混ざったステーキ用ソースが食欲をそそる。
するとベネットは「あぁ、そうそうッス」と表情を改める。
「実はここに来る途中、ナガレ先輩を探している人と出会ったッス。なぁ、メイトリクス?」
その言葉に、横のメイトリクスも頷く。
「へぇ、オレを? 冒険者の誰かかな。どんな人だった?」
「や、冒険者じゃなかったねです。髪がダンナみたいに赤くって長髪で、でも普通のニンゲンでしたです。確か騎士がどうたらこうたら……」
メイトリクスがそこまで言うと、急にドアが派手に開く!
バタンッ! と大きな音がした。
「ひょわ⁉︎」「うぉ!」
みんな驚いてそちらを向いた。咄嗟にアリッサがルックを、ベネットがメイトリクスを後ろへ庇っている。
「え、またお客さん⁉︎」
「て、てんちょー……! その言い方はコンプラ的に良くないです……!」
「お、おっとしまった……失礼しました、いらっしゃいませ!」
入って来た人物は、赤髪ストレートの女性だった。若干日焼け肌で、結構凛々しい顔立ちである。そして銀色に輝いて見える、クールなプレートアーマーを着ていた。周囲を見渡して、ナガレと目があった。
「……っあーー! やぁーっと見つけた! ナガレさんだよねっ」
「え? は、はいそうですけど」
「いやぁー探したよー! あ、どいてどいて!」
「どわ!」「きゃ!」
ベネットを押し除けてナガレの手を握って握手。対するナガレはキョトンとしたままだ。
「えーと、どちらさま? 確かにオレがナガレだけど……」
「あ、ごーめーん! アタシが名乗るの忘れてたね」
女性はちょっと胸を張って、自慢げに答えた。
「アタシ、エレナって言うんだ。エレナ・ヴィスカー! あの辛気臭いオッサン騎士、クリストフはアタシの上官なんだ」
「へぇ~。あ、そういえばアンタあの時一緒にいたね。オレはナガレ。ナガレ・ウエスト」
エレナは先ほどギルドで出会ったクリストフの配下だ。ナガレもちょっとだけ見かけていた。
「んで、どうかしたの?」
「まぁまぁ、まずは料理を頼もうよ。テンダーさーん、この人とおんなじやつ! ささ、一緒の席へどぞどぞ♪」
「え、ちょいちょい」
エレナはニコニコ笑顔でナガレの背中を押し、席へ押しやった。彼女はその対面の席に座る。
「ほら、食べないの? ステーキ冷めちゃうよ」
「お、おっとそうだ。いただきまーす!」
そういってナガレは、口にステーキの切れ端を放り込んだ。ちょっと冷めて温いが、それでも美味しい。ガーリックの風味と玉ねぎが混ざったステーキ用ソースが食欲をそそる。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説



貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――

要石の巫女と不屈と呼ばれた凡人
イチ力ハチ力
ファンタジー
女神が姿を消し、瘴気による侵食が進む『詰んでいる世界』に、五人の高校生が召喚された。
そして五人の中で唯一勝手に付いてきた富東 矢那(フトウ ヤナ)は、他の四人と異なり“勇者”では無かった。
『魔王』を倒すべく喚ばれ、魔力量も桁外れ、伝説級のスキルを既に取得している他の四人の『召喚されし勇者』達に対し、矢那の召還時の魔力量は凡人並。スキルも“言語/文字理解”を除いてはただ一つ、『不撓不屈』のみ。
『召喚を要求した者』は、数奇な運命と自身の持つ宿命に導かれながら、世界の命運を賭けた戦いに、身を投じていくことになる。
絶望の色に染まる『巫女』と、絶望が大嫌いな『凡人』が出会う時、神に挑みし『不屈』の物語が幕を開ける。
脳筋や変態扱いされても、姫がポンコツになっても、ヒロイン達が野獣と化したとしても! この男は決して倒れる事は無い! 顔で嗤って心で泣いて、世界を救う真の英雄譚が始まる!
熱い魂の王道ファンタジーここに誕生!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる