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第二十五話 リベンジ! スカルクリーチャー
バンドの行方?
しおりを挟むという訳で「かくかくしかじかで……」と説明するナガレ。二人は顔を見合わせてから、納得したように頷いた。
「へぇ、あのバンドって奴がこの町にいたのか」
「それで私の姿に化けて、ナガレ君の後をつけていたと……」
「分かってくれましたか?」
「ああ。よく分かった」
「じゃが、それはそれとして……」
ボカボカボカッ!
「……痛い~っ」
頭に大きなタンコブを作って呻くナガレ。
「全く、レディをこんなに扱うんじゃないわ」
「ても、満更でも無かったんじゃないッスか? ナガレ君にフニフニされて」
「そんなことはないっ! 殺されるかと思ったぞ」
「すいません……」
確かに、それは怒られても仕方がない。
「全く、羨ましいぜホントに」
「お前にロリコン趣味は無いじゃろう。くだらん冗談で冷やかしとらんと……」
「いや、ナガレ君じゃなくて、マスターが羨ましい。オレもこんな彼女がいたらねぇ……元カノも大体ロクデナシだったから」
「「どーゆー意味だ!(意味じゃ!)」」
二人同時に叫んだところで、アルクルはふと首を傾げた。
「そういや、そのバンドはどこにいるんだ? あんな怪しい奴がウロチョロしてたら話題になりそうなもんだが」
確かにあんなおっかない男が町を歩いていたら大問題になりそうだ。
「うーん……フクザツな気分じゃが、私に化けられるのなら、他の町の住人にも変身できるのでは? ナガレ君が言うには、声まで私と一緒だったそうじゃないか」
そうなれば、同じ人間が二人いれば、片方がバンドだということ。しかし体型や声まで変わるのなら、見分けるのは至難の業である。
「まぁ、多分呼べば来ますよ。それかあっちがオレたちを呼んでればすぐに……」
「え、じゃあ呼べば来るのか?」
「え? た、多分ですけど。バンド本人がそう言ってたんです」
すると、またも顔を見合わせるレンとアルクル。
「……じゃあ、呼んでみる?」
「え? ま、まぁいいですけど……理由は?」
「ええとそうだな。冒険者なら、その町のマスターには一言挨拶するのがマナーだ! なんてどうだ?」
「え~、そんな理由で大丈夫かなぁ……」
ちょっと不安なナガレ。変な理由で呼び出して怒られたらどうしよう。そんな考えが頭をよぎる。
……だが、本当に呼べば来るのだろうか?
「じ、じゃあ呼びますよ……」
ナガレが言うと、二人は黙って頷く。
「おぉーーい! バンドーー! 来てくれーー!」
周囲は静かなままだ。町の穏やかなざわめきが、どこか遠くに聞こえる。
「バンドにー! オレのギルドマスターをー! 合わせたいんだーー!」
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