崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第二十五話 リベンジ！ スカルクリーチャー

因縁の接敵

　
　その後も歩いて歩いて、ようやく岩場にたどり着いた。
　あの日アリッサを必死で探した緊迫感を思い出す。
　凄まじいパワフルな攻撃の連打をくらった痛みさえ、鮮明に蘇ってくる。
　だが……ナガレもあれから一年経って、さらに強くなった。もう大丈夫だ。絶対にタダでは終わらない。
「よし……やるぞ！」
　顔をパンパン叩いて腹をくくって、覚悟を決めて歩き出す。こげ茶色の岩がそこかしこに転がっていて視界が悪い……。


「カカカッ……カンカッカッ……」
「……ッ！」
　だが、聞き覚えのあるクラッキング音が聞こえてきた。他のモンスターを威嚇するため、ナワバリをアピールするための、大音量で響かせるクラッキング……！
　音のした方へ走るナガレ。倒木を乗り越え小さな穴を飛び越し、大岩の裏へ回ると……。

「……カカカッ？」
「！！！　……やっと出会えたな」
「カカッカカッ！　カンカカカカカッ！」
　
　そこには見上げるほどの巨体。スカルクリーチャーの姿があった。
　骨組みの恐竜みたいな姿は相変わらずだ。そして、ナガレを見るなり激しく威嚇するその凶暴性も。
「会いたかった。ずっとお前に。……ついにこの時が来た！」
　マルチスタッフをブンッ！　と振り回すナガレ。そのど真ん中には、黄色い輝きを放つ雷の魔法石がはめられている。
　当然ながら、あの時のスカルクリーチャーとは別個体だろう。だがそんなことは関係ない。ナガレは、スカルクリーチャーを倒さなければならないんだ！
「カカッ！　カンカカカカカッ！」

「さあ、来いッ！　オレが相手だ！」
　今ここに、リベンジマッチの火蓋が切って落とされた！

　ダッ！
「せりゃっ！」
　先手を取ったのはナガレ。マルチスタッフを振り回し、舞うように接近する。そして前方へ勢いよく跳躍して、スカルクリーチャーの喉骨を突く！
　ガンッ！
「カコッ！　……コココカコッ！」
　一瞬怯んだスカルクリーチャー。だが負けじと腕を振り回し、ナガレを潰そうとしてくる。しかしマルチスタッフをかざしてガード！
　ガキィンッ！　ズザザザザーッ……。
「ぐ……腕がシビれる。相変わらずすごいパワーだ」
　大きくのけ反るナガレ。受け止めたはずなのに、全身が衝撃で震えた。
「カココココッ！」
　スカルクリーチャーは体を回転させ、棍棒みたいに角張った尻尾を一閃。周囲をまとめて薙ぎ払う！
　ブンッ……ガキィン！
「ぐわあっ！」
　これもガードしようとしたが、勢いを殺しきれず吹っ飛ばされた。だがすぐさま受け身を取って態勢を立て直し、またも跳躍！