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第二十五話 リベンジ! スカルクリーチャー
改めて、いざクエストへ
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呆れ顔のアルクル。するとサニーが口を開いた。
「なんにせよ、ナガレさんは今回は休んだ方がいいかもしれません」
「えっ?」
「ナガレさんはこれから、かなりの試練を迎えます。どうせ数日のうちに向かうのでしょう? ならその時に備え、体力を万全に保つべきです」
「……た、確かにそうだな」
サニーの言うことももっともだ。ナガレより二ランクも上のスカルクリーチャー相手に、ソロで挑まなければならない。
「そーだねー。残念だけど、パイセンは自分のことを優先してよ。アタイはエルフのおじちゃんと行ってくるから」
「あ、ああ。ごめんよ。今度絶対にクエストに行くから」
「約束だよ! スラガンコヨーテ狩りにいこーね!」
「ソレ以外でお願いしますっ!」
~☆~☆~☆~☆~☆~
そして、次の日。
「それじゃ、行ってくる!」
「「いってらっしゃ~い」」
「……気を付けろよ」
アリッサとルック、そしてジョーに見送られているナガレ。……彼の行先はもちろん、スカルクリーチャーの討伐だ。
鎧も整備した、改造マルチスタッフのガシェットもばっちり、万が一に備えて回復薬もけむり玉も持った。体調だって万全、戦う準備は整っている。
雲一つない、四月の晴れた空。青い空も眩しい太陽も、天候だってナガレを送り出してくれているみたいだ。
「でも、一人で大丈夫?」
「お使いに行くんじゃないんだからさぁ……それに、オレ自身の力でやり遂げなきゃならない」
「……前回のドラゴンのように、何かあったらすぐに戻ってこい。ディズ公爵から言われた条件を忘れるな。俺たち冒険者の中で一人でも欠けてしまえば、その瞬間にギルドの未来は潰れる」
ジョーの言う通り、冒険者から一人でも離脱者が出ればその瞬間、来年以降の資金援助はキャンセルだ。せっかく大船に乗ったのに、自分から飛び降りてしまえば意味がない。
「分かってるよ。んじゃ、行ってくる!」
そう言ってナガレは、手を振って出かけて行った。ここからホクス平原の岩場までは、休まず歩いて大体三十~四十分くらい。そこそこの距離である。
「いってらっしゃ~い。帰ってきたらみんなでお祝いだからね!」
「気ぃ付けて行って来いよ~!」
「……さて」
そう言ってジョーは……腰のダガーに手をやった。なぜか鎧まで着ている。
そのままお得意の高速移動で消えようとしたが、その肩をアリッサが掴んだ。
「ジョーく~ん? ……どこ行くの?」
「……いや、ナガレの様子を見に行こうと」
「そんなストーカーみたいなことしないのっ! アンタが過干渉だと成長につながらないでしょ!」
「なんにせよ、ナガレさんは今回は休んだ方がいいかもしれません」
「えっ?」
「ナガレさんはこれから、かなりの試練を迎えます。どうせ数日のうちに向かうのでしょう? ならその時に備え、体力を万全に保つべきです」
「……た、確かにそうだな」
サニーの言うことももっともだ。ナガレより二ランクも上のスカルクリーチャー相手に、ソロで挑まなければならない。
「そーだねー。残念だけど、パイセンは自分のことを優先してよ。アタイはエルフのおじちゃんと行ってくるから」
「あ、ああ。ごめんよ。今度絶対にクエストに行くから」
「約束だよ! スラガンコヨーテ狩りにいこーね!」
「ソレ以外でお願いしますっ!」
~☆~☆~☆~☆~☆~
そして、次の日。
「それじゃ、行ってくる!」
「「いってらっしゃ~い」」
「……気を付けろよ」
アリッサとルック、そしてジョーに見送られているナガレ。……彼の行先はもちろん、スカルクリーチャーの討伐だ。
鎧も整備した、改造マルチスタッフのガシェットもばっちり、万が一に備えて回復薬もけむり玉も持った。体調だって万全、戦う準備は整っている。
雲一つない、四月の晴れた空。青い空も眩しい太陽も、天候だってナガレを送り出してくれているみたいだ。
「でも、一人で大丈夫?」
「お使いに行くんじゃないんだからさぁ……それに、オレ自身の力でやり遂げなきゃならない」
「……前回のドラゴンのように、何かあったらすぐに戻ってこい。ディズ公爵から言われた条件を忘れるな。俺たち冒険者の中で一人でも欠けてしまえば、その瞬間にギルドの未来は潰れる」
ジョーの言う通り、冒険者から一人でも離脱者が出ればその瞬間、来年以降の資金援助はキャンセルだ。せっかく大船に乗ったのに、自分から飛び降りてしまえば意味がない。
「分かってるよ。んじゃ、行ってくる!」
そう言ってナガレは、手を振って出かけて行った。ここからホクス平原の岩場までは、休まず歩いて大体三十~四十分くらい。そこそこの距離である。
「いってらっしゃ~い。帰ってきたらみんなでお祝いだからね!」
「気ぃ付けて行って来いよ~!」
「……さて」
そう言ってジョーは……腰のダガーに手をやった。なぜか鎧まで着ている。
そのままお得意の高速移動で消えようとしたが、その肩をアリッサが掴んだ。
「ジョーく~ん? ……どこ行くの?」
「……いや、ナガレの様子を見に行こうと」
「そんなストーカーみたいなことしないのっ! アンタが過干渉だと成長につながらないでしょ!」
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