崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十四話 存続のギルド!

星空の下で

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「うん。ところで他のみんなは?」
 あの後しっかり武装して高台広場に行ったが、既に誰もいなかった。特訓の続きをしようと思ったが、仕方ないのでいつもの特訓をしていた。体に砂袋を巻き付けて素振りをするものだ。
 そうして日が暮れるまで汗を流し、家に帰る途中でジョーとばったり出会ったのだ。
「……後輩たちは、自分もやらされると思ったのかあの後すぐに逃げていった。フローレンスとケンガは、普通に特訓を終えて帰っていった。タネツさんたちは、今日は会っていない」
「うんうん」
「……アリッサは晩御飯を作ってくれている。ルックは今日の売り上げをチェックしている。……そうだ、お前も食べていくか」
「え、いいの? ……アリッサの料理って美味しいのか?」
「……フッ、なかなか美味いぞ」
 少し目を細めて笑うジョー。味には厳しい甘党のジョーがそう言うなら信用できそうだ。
「いやあ、遠慮しとく。アリッサもジャマされたくないだろうし」
「……ジャマ? どう言う意味だ」
「へへへ、マブダチ同時の約束だから言えないよ。……それよりジョー」
「……ああ、俺も考えている。なぜそのバンドとかいう奴は、イビル教団の大司祭ソラルのことを知っているんだ」
 空を見上げれば、幾千もの星が輝いていて、人々の暮らしを見守っている。あの中にジョーの家族もいるのだろうか。
「……いずれにせよ、あまり奴を信用するな。今は距離を置いて、見極めるんだ」
「そうかなぁ。オレ、二度も助けられているんだけど」
「……大いなる力には、何かしらの代償が伴う。俺は家族を失い復讐に明け暮れ強くなったが、姉さんまで失ってしまった。……奴にも、何か隠し事があるかもしれない」
「考え過ぎたよ、と言いたいけど……あんなに強いなら、気をつけた方がいいかもねぇ」
 すんなり受け入れたナガレが意外だったのか、ジョーは改めてナガレを見つめる。
「……まあ、俺の思い込みならそれに越したことはないがな。それに一旦は、そのバンドとか言う男は味方なんだろう」
「まぁ、そうみたい。バンドもイビル教団をやっつけるつもりらしいよ」
「……なら良かった。未知の個体とはいえ、単独でドラゴンを叩きのめすような存在が敵だったら敵わん」
「ハハ……それもそうだな」
 ナガレは困ったように笑って、そこから二人で空を眺めた。相変わらず美しい星空だ。
「ジョーく~ん♡ ご飯にする? お風呂にする? そ・れ・と・も……♡ ……あれ? ナガレ君」
「お、オレもう帰るな! おやすみアリッサ!」
 そう言って、ナガレはそそくさと逃げ帰っていった。
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