崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第二十四話 存続のギルド！

その頃、ナガレは……。

「どわーーっ！」「うひゃーーっ！」
　背中に乗せたルックとターショを吹き飛ばし……へろへろと地面へ寝転がった。
「う、うぅ……オーバーワークですぅ……」
「はぁぜぇほぉ……も、もうダメだ、今日はこの辺にしといてやる……」
　ケンガもばったり倒れてしまう。汗が体熱で熱されて、体から蒸気が立っていた。
「あらら、倒れちゃった！　大丈夫ー⁉︎」
「……ああ、寝かせておけ。おっと……下手に動かすよりじっとしていた方が……うわっ……疲労が取れやすい」
　いつの間にか、さも当然のようにアリッサに腕を組まれていた。ちょっぴり頬を赤くして、まるで恋人みたいにジョーの顔を見てくる。
「仲がいいにゃあ。ツガイなのかにゃ？」
「ラブラブだー！　ジョーパイセンって彼女いたんだ！　いいねー羨ましいなー」
「えっへへへー、そう見えちゃう？」
「……いや、付き合っている訳では」
　ヘトヘトの二人と、地面に激突するルックとターショを放置しつつ、ジョーたちの話は続いた。


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　その頃、ナガレは……マディソンの病院にいた。
「う、うーん……」
　アロマが炊かれた落ち着くシンプルな病室で、白いベッドに寝かされていたニンフォが目を覚ます。鎧の金属パーツは外して、近くの棚へ置いてあった。
「ここは……？」
「あ、ニンフォ！　良かった、目が覚めたか」
「ここはバッファローの病院だよ、ミス・リビドーム。あなたは崖から落ちて頭を打って、しばらく気絶していたんだ」
「そ、そうだっけ……」
　ニンフォは体を起こした。素っ裸同然の姿なので、優しいベッドのフカフカ加減が気持ちいい。
「私はマディソン・シャーイ。この町で医者をやっている。今後ともご贔屓に頼むよ」
　そう言ってメガネをクイっとあげるマディソン。渋顔のイケおじがやるとすごく様になっている。
「ちなみに私を魅了しても無駄だ。……私はどんな存在も愛せるが、私の恋人は世界にたった一人。……あの世に別れようと、それは変わらない」
「え……」
　ニンフォだけでなく、ナガレも驚いた表情になった。マディソンには昔恋人がいたのだろうか？　あの世に別れるとは、つまり……。
「ちょっと待った！　そんなしんみりしたお話はナシ！　それより私に何かした？」
「ハッハッハ、そんな心配は無用さ！」
　ニンフォの言葉でけらけら笑うナガレ。
「マディソンは真のジェントルマン！　そんな下品なことは絶対にしないよ」
「ああ。無防備な女性に手を挙げるなど……」

「どうして何もしなかったのよっ！」
「……は？」