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第二十四話 存続のギルド!
バッファローの評判
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「……みんなの言う通り?」
ふとジョーは、ベネットの言うことが気になった。なんだか嫌な予感がするので、今のうちに確かめておこう。
「……どんな風に言われているんだ」
「ああ、気になるッスか? でも残念ながら、ジョー先輩のことはあんま触れられてないッスよ。本当に何者かも分かってないんで」
「……俺にとっては、その方がいい。教えてくれ」
「はいなんなりと! えーと……『ダメでクソザコでへなちょこで建物ボロボロでビジュアルも映えないバッファロー冒険者ギルドを立て直そうとしている人がいる。それがキメラドラゴンに乗ってタイガスの人々を救った可愛い女の子ナガレ・ウエストだ』って話ッス」
「ああ。ニャアも百回くらい聞いたにゃその話」
「え、そうなの? アタイは知らなかったなー」
「お前は別地方の生まれだから、知らないのも仕方ないにゃ」
「………………」
うんうん頷いているミケとシャットをよそに、思わず沈黙するジョー。えげつない言われようは、もはや差別とかいじめの領域に感じる。
「……ベネット。それ絶対、ナガレの前で言うなよ」
「えー、なんでッスか? 女の子みたいに可愛い男の子って、ニンゲンでは『男の娘』っていう褒め言葉って聞きましたッスけど……」
「……。ええとな、ナガレは照れ屋なんだ。だからチヤホヤされすぎると、かえって不機嫌になってしまう。だから言うんじゃないぞ」
「あっ、分かりましたッス! 絶対に言いません」
パッと思いついた適当な言い訳だが、ベネットは簡単に信じてくれた。
(……あまり偏見じみたことは考えたくないが、こいつもオーク族にちなんで単純馬鹿のようだ)
オーク族をはじめとして、獣人、小鬼族やその他の亜人種の祖先は、昔は『モンスター』として分類されていた。しかしある時から彼らの祖先がニンゲン(+エルフ)と共通の権利を持ちたいと活動し始めて、長い苦労の末に社会へ馴染むことに成功している。
ただ魔族はかつてニンゲンと戦争したことがあり、その遺恨があって交渉は難航していた。
ニンゲンと魔族の戦争だが、最初は圧倒的な力や魔力を持つ魔族がドン勝状態だった。しかし自らを受け入れてくれたニンゲンを助けるべく、オーク族や小鬼族や獣人族などが味方し逆転勝利を収めた……という歴史がある。
まあそんな大昔の話はさておき、改めて注意しようとするジョーだが……。
「おんどりゃあぁぁぁぁーーーーっ!」
「ドラドラドラドラドラーーーーッ!」
凄まじい大声の後、ケンガが石の階段を駆け上がり、フローレンスが勢いよく立ち上がったところだった。
ふとジョーは、ベネットの言うことが気になった。なんだか嫌な予感がするので、今のうちに確かめておこう。
「……どんな風に言われているんだ」
「ああ、気になるッスか? でも残念ながら、ジョー先輩のことはあんま触れられてないッスよ。本当に何者かも分かってないんで」
「……俺にとっては、その方がいい。教えてくれ」
「はいなんなりと! えーと……『ダメでクソザコでへなちょこで建物ボロボロでビジュアルも映えないバッファロー冒険者ギルドを立て直そうとしている人がいる。それがキメラドラゴンに乗ってタイガスの人々を救った可愛い女の子ナガレ・ウエストだ』って話ッス」
「ああ。ニャアも百回くらい聞いたにゃその話」
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「お前は別地方の生まれだから、知らないのも仕方ないにゃ」
「………………」
うんうん頷いているミケとシャットをよそに、思わず沈黙するジョー。えげつない言われようは、もはや差別とかいじめの領域に感じる。
「……ベネット。それ絶対、ナガレの前で言うなよ」
「えー、なんでッスか? 女の子みたいに可愛い男の子って、ニンゲンでは『男の娘』っていう褒め言葉って聞きましたッスけど……」
「……。ええとな、ナガレは照れ屋なんだ。だからチヤホヤされすぎると、かえって不機嫌になってしまう。だから言うんじゃないぞ」
「あっ、分かりましたッス! 絶対に言いません」
パッと思いついた適当な言い訳だが、ベネットは簡単に信じてくれた。
(……あまり偏見じみたことは考えたくないが、こいつもオーク族にちなんで単純馬鹿のようだ)
オーク族をはじめとして、獣人、小鬼族やその他の亜人種の祖先は、昔は『モンスター』として分類されていた。しかしある時から彼らの祖先がニンゲン(+エルフ)と共通の権利を持ちたいと活動し始めて、長い苦労の末に社会へ馴染むことに成功している。
ただ魔族はかつてニンゲンと戦争したことがあり、その遺恨があって交渉は難航していた。
ニンゲンと魔族の戦争だが、最初は圧倒的な力や魔力を持つ魔族がドン勝状態だった。しかし自らを受け入れてくれたニンゲンを助けるべく、オーク族や小鬼族や獣人族などが味方し逆転勝利を収めた……という歴史がある。
まあそんな大昔の話はさておき、改めて注意しようとするジョーだが……。
「おんどりゃあぁぁぁぁーーーーっ!」
「ドラドラドラドラドラーーーーッ!」
凄まじい大声の後、ケンガが石の階段を駆け上がり、フローレンスが勢いよく立ち上がったところだった。
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