774 / 966
第二十四話 存続のギルド!
それすなわち特訓!
しおりを挟む
するとアルクルが「おい!」と呼びかける。
「行ってみろよ。面白いものが見られるかも知れないぜ。魅了が効かない理由も分かるかもな」
「まあ、アルクルさんがそう言うなら……」
「行ってみよっか! それじゃあ武器も取ってくるね!」
そう言って四人も行ってみることにした。
ギィィィィッ……パタン。
そうして一人残されたアルクルは「ふぃー……手続きやるかぁ」と椅子にもたれる。すると後輩と入れ違いに、レンが帰って来た。
「ん、アルクル。まだおったんか。後輩たちの様子はどうじゃ?」
「ああ、まだ様子見ってところですね。だが期待してもいいかもしれないっすよ」
「ほう?」
レンも適当な椅子に腰かける。
「アイツらはみんな種族に応じた良さを武器にしている。それに苦手なこともちゃんと分かってる。ベテランならまだしも、夢と希望にあふれたルーキーでそれが分かってる奴は少ない」
「ふむ」
「だけど、まだダイヤの原石だ。これから磨いていかなきゃな」
そこまで言って、アルクルは首を傾げた。
「とこらでマスター、どこ行ってたんすか? 朝からいなかったんで、ナガレ君がらみだと思ってたんですけど」
「ああ、ツーテン食堂にお邪魔してな。餅を食べておったのじゃ。米をこねて丸めた物で、チーズと一緒に焼くと美味しいぞ」
「そりゃどうして? 確かに餅はうまいですけど」
「正月に食べる機会がなかったからのう。ちょっと遅くなったが、新年のお祝いじゃ」
「なんすかショーガツって」
「……ふふふ、こっちの話じゃ」
~☆~☆~☆~☆~☆~
そして、高台広場。まだ太陽は高い位置にある。
「行くよ、ナガレくんっ!」
「よっしゃあ来いッ!」
バシュンッ!
アリッサの操縦で、バリスタから砂の入った袋が打ち出される。ギン爺がカスタムしてくれて、バネの数が多くなっている。それにともないパワーが増している。殺傷力は低い砂袋といえど、その勢いは大砲並みだ!
ガキィン!
「ふっ……ぐぅっ!」
ドガァン!
「ぐわーーっ!」
受け流そうとしたが、衝撃が重すぎてその暇すらなかった。マルチスタッフで受け止めても、そのまま吹っ飛ばされてしまう。
「ぐ……いででででっ」
それでも立ち上がるナガレ。アリッサが心配そうな目を向けてくる。
「ナガレくーん、ホントに大丈夫……? こんなのあたしみたいな常人がくらったら多分大怪我しちゃうような威力だよ……」
「な……なーにこんなもん! オレはもっと強くなるんだ。この程度でやめられるか! さぁ十二本目、どんと来いっ!」
「行ってみろよ。面白いものが見られるかも知れないぜ。魅了が効かない理由も分かるかもな」
「まあ、アルクルさんがそう言うなら……」
「行ってみよっか! それじゃあ武器も取ってくるね!」
そう言って四人も行ってみることにした。
ギィィィィッ……パタン。
そうして一人残されたアルクルは「ふぃー……手続きやるかぁ」と椅子にもたれる。すると後輩と入れ違いに、レンが帰って来た。
「ん、アルクル。まだおったんか。後輩たちの様子はどうじゃ?」
「ああ、まだ様子見ってところですね。だが期待してもいいかもしれないっすよ」
「ほう?」
レンも適当な椅子に腰かける。
「アイツらはみんな種族に応じた良さを武器にしている。それに苦手なこともちゃんと分かってる。ベテランならまだしも、夢と希望にあふれたルーキーでそれが分かってる奴は少ない」
「ふむ」
「だけど、まだダイヤの原石だ。これから磨いていかなきゃな」
そこまで言って、アルクルは首を傾げた。
「とこらでマスター、どこ行ってたんすか? 朝からいなかったんで、ナガレ君がらみだと思ってたんですけど」
「ああ、ツーテン食堂にお邪魔してな。餅を食べておったのじゃ。米をこねて丸めた物で、チーズと一緒に焼くと美味しいぞ」
「そりゃどうして? 確かに餅はうまいですけど」
「正月に食べる機会がなかったからのう。ちょっと遅くなったが、新年のお祝いじゃ」
「なんすかショーガツって」
「……ふふふ、こっちの話じゃ」
~☆~☆~☆~☆~☆~
そして、高台広場。まだ太陽は高い位置にある。
「行くよ、ナガレくんっ!」
「よっしゃあ来いッ!」
バシュンッ!
アリッサの操縦で、バリスタから砂の入った袋が打ち出される。ギン爺がカスタムしてくれて、バネの数が多くなっている。それにともないパワーが増している。殺傷力は低い砂袋といえど、その勢いは大砲並みだ!
ガキィン!
「ふっ……ぐぅっ!」
ドガァン!
「ぐわーーっ!」
受け流そうとしたが、衝撃が重すぎてその暇すらなかった。マルチスタッフで受け止めても、そのまま吹っ飛ばされてしまう。
「ぐ……いででででっ」
それでも立ち上がるナガレ。アリッサが心配そうな目を向けてくる。
「ナガレくーん、ホントに大丈夫……? こんなのあたしみたいな常人がくらったら多分大怪我しちゃうような威力だよ……」
「な……なーにこんなもん! オレはもっと強くなるんだ。この程度でやめられるか! さぁ十二本目、どんと来いっ!」
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説


貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――

要石の巫女と不屈と呼ばれた凡人
イチ力ハチ力
ファンタジー
女神が姿を消し、瘴気による侵食が進む『詰んでいる世界』に、五人の高校生が召喚された。
そして五人の中で唯一勝手に付いてきた富東 矢那(フトウ ヤナ)は、他の四人と異なり“勇者”では無かった。
『魔王』を倒すべく喚ばれ、魔力量も桁外れ、伝説級のスキルを既に取得している他の四人の『召喚されし勇者』達に対し、矢那の召還時の魔力量は凡人並。スキルも“言語/文字理解”を除いてはただ一つ、『不撓不屈』のみ。
『召喚を要求した者』は、数奇な運命と自身の持つ宿命に導かれながら、世界の命運を賭けた戦いに、身を投じていくことになる。
絶望の色に染まる『巫女』と、絶望が大嫌いな『凡人』が出会う時、神に挑みし『不屈』の物語が幕を開ける。
脳筋や変態扱いされても、姫がポンコツになっても、ヒロイン達が野獣と化したとしても! この男は決して倒れる事は無い! 顔で嗤って心で泣いて、世界を救う真の英雄譚が始まる!
熱い魂の王道ファンタジーここに誕生!

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる