崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

第二十四話 存続のギルド！

バッファロー冒険者の洗礼……

「ふふん、さては俺様に惚れたな？　フッフッフ、魔族さえも惚れさせてしまうとはさすが俺様、自分のカリスマ性が怖いぜ」
　ケンガは全く話を聞いていなかった。……が、これ幸いとばかりにニンフォは「……そうなんですぅ～」と甘ったるい声を出す。
「なんてカッコいいの！　その、えーと、か、カリスマ性があふれ出てる！　素敵！　抱いて♡」
「うわー、都合のいいヒロインだー！」
「……無理するにゃあ」
「口ごもってるッス。それに、すぐに体を明け渡すような関係では、真実の愛と言えないッス」

「いやあ、その気持ちだけもらっておこう。俺様はみんなのケンガ・アタカンだ。お前ひとりのものになったら、ナガレたちが嫉妬してしまうからな」
「……気持ち悪っ。イタすぎでしょ」
　フローレンスがボソッと毒吐いたのは、誰にも気づかれなかった。

　……が、ジョーが後輩達をちらりと見てから呟いた。
「……お前たち、ケンガを舐めているな」
「え？」
　妙なことを言うジョー。後輩四人だけでなく、アルクルやナガレたちも彼の方を見る。
「そ、そんなことないにゃ。ニャアたちよりランクも上だし……」
「そうですよ！　いや、確かにナガレ先輩を舐めたいのは……」
「うん！　舐めてるよ！　すぐ追い抜けるって！」
「素直ッスか!?」

「……フッ、良いだろう」
　ジョーはそう言って、ケンガの方を見た。
「……ケンガ。お前が特訓に打ち込んでいる勇姿を、こいつらに見せてやったらどうだ」
「む、それはいい！　俺様がどんなに困難なトレーニングをしているか見せてやろう」
　即答するなり外へ出て行ったケンガ。彼の性格をよく知っているジョーが、うまく乗せた形になった。なにをするのか分かったアルクルは、机に手をついてニヤニヤ笑っている。
「バッファロー流の洗礼だな。ようし言ってこいや！」
「お、イイネ！　せっかくだしフローレンスも特訓するか！　それじゃまたな！」
「そうですね。久しぶりにこの三人でいろいろやりましょう！」
　そう言ってナガレとフローレンスもギルドを出ていく。キョトンとしている後輩たちにジョーが話しかけた。
「……お前たち。奴らをバカにしたければ、鎧と武器をもってこの町の高台広場に来い」
　そう言ってジョーも出て行った。

　残された四人の後輩は、互いに顔を見合わせる。
「なんだにゃあ。クエストにでも連れてってくれるかにゃ？」
「いや、そう言う乱交プレイかもしれない」
「それは無いッス。でも特訓とか言ってたッスね」
「まさかぁ～！　そんな大したことしないでしょ！」