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第二十四話 存続のギルド!
噴水の一コマ
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糸目をキッと開いて、恨みの感情を吐露するフローレンス。ケンガは腕を組み壁にもたれようとして……噴水に落っこちそうになった。
「うわぁ! ……おっとっと、ついいつもの癖で。まあその時は俺様、カナの事まだ好きだったから」
「あー、結婚式行ってみたかったねえ」
ナガレもそのことを思い出し「はぁ……」とため息を吐く。
カナとダンケの結婚式は無事行われたらしいが……その頃ナガレたちは拘留中だった。ドルーシバの面々も歓迎に来てくれたらしいが、会うことはできなかった。
「それもこれもケンガのせいですよ! オラオラオラ!」
「わ! 押すなバカタレ! 逆恨みじゃないか!」
フローレンスは唐突にケンガの肩を押し、水に沈めようとした。しかし特訓を続けているケンガのバランス能力もかなりのもので、なかなか倒れない。
「魔術師男子ってのは塩顔の爽やかイケメンって相場が決まってるんです! 沈めオラァ!」
「わぁやめろ~! その発言コンプラ的に良くないって!」
ナガレも慌てて止めにかかったところで……。
「ねえナガレくーん。アルクルさんが呼んでたよー」
「ふぇ?」「ふぁ?」「ふぉ?」
突然緑シャツに緑ロングスカートといった村娘ファッションのアリッサが現れて、わちゃわちゃしているナガレたちに話しかけた。振り向いた三人は、自分たちがどんな状況なのか忘れて……。
「あっ」
ばっしゃーーん!
……そのまま三人まとめて落っこちた。噴水に負けないくらい派手な水しぶきを上げる。
「ごぽぽ……ぷはっ! どうかしたのアリッサ?」
そして半身浴状態から、呑気に反応してきた。
「そのまま話すんだ……いやー、アルクルさんに言われたんだ。ナガレ君たちを見かけたら、ギルドまで来るように言っててくれって。結構いいニュースだけど、のんびりでいいよってさ」
「いいニュースかぁ。オレ、行ってみようかな。二人はどうする?」
「へっくしょい! わ、私はちょっと着替えてから行かせてください」
「うぅ、俺様のピーコートが……高かったのに……ちゃんと洗って、着替えて向かう。先に行っといてくれ」
「おっけー、分かった! そんじゃお先!」
そう言ってナガレは噴水から飛び移り、そのままギルドへ歩いて行った。
「え!? 濡れたまま行くの!?」
そう呼ぶアリッサの声を無視して、ギルドへ向かう。
……と思ったのに、やっぱりアリッサに引っ張られてズルズル戻っていってしまった。
「いーじゃん別に! マスターとアルクルくらいしかいないでしょ! このレザージャケットは防水性だから濡れて腐る心配はないし!」
「うわぁ! ……おっとっと、ついいつもの癖で。まあその時は俺様、カナの事まだ好きだったから」
「あー、結婚式行ってみたかったねえ」
ナガレもそのことを思い出し「はぁ……」とため息を吐く。
カナとダンケの結婚式は無事行われたらしいが……その頃ナガレたちは拘留中だった。ドルーシバの面々も歓迎に来てくれたらしいが、会うことはできなかった。
「それもこれもケンガのせいですよ! オラオラオラ!」
「わ! 押すなバカタレ! 逆恨みじゃないか!」
フローレンスは唐突にケンガの肩を押し、水に沈めようとした。しかし特訓を続けているケンガのバランス能力もかなりのもので、なかなか倒れない。
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「わぁやめろ~! その発言コンプラ的に良くないって!」
ナガレも慌てて止めにかかったところで……。
「ねえナガレくーん。アルクルさんが呼んでたよー」
「ふぇ?」「ふぁ?」「ふぉ?」
突然緑シャツに緑ロングスカートといった村娘ファッションのアリッサが現れて、わちゃわちゃしているナガレたちに話しかけた。振り向いた三人は、自分たちがどんな状況なのか忘れて……。
「あっ」
ばっしゃーーん!
……そのまま三人まとめて落っこちた。噴水に負けないくらい派手な水しぶきを上げる。
「ごぽぽ……ぷはっ! どうかしたのアリッサ?」
そして半身浴状態から、呑気に反応してきた。
「そのまま話すんだ……いやー、アルクルさんに言われたんだ。ナガレ君たちを見かけたら、ギルドまで来るように言っててくれって。結構いいニュースだけど、のんびりでいいよってさ」
「いいニュースかぁ。オレ、行ってみようかな。二人はどうする?」
「へっくしょい! わ、私はちょっと着替えてから行かせてください」
「うぅ、俺様のピーコートが……高かったのに……ちゃんと洗って、着替えて向かう。先に行っといてくれ」
「おっけー、分かった! そんじゃお先!」
そう言ってナガレは噴水から飛び移り、そのままギルドへ歩いて行った。
「え!? 濡れたまま行くの!?」
そう呼ぶアリッサの声を無視して、ギルドへ向かう。
……と思ったのに、やっぱりアリッサに引っ張られてズルズル戻っていってしまった。
「いーじゃん別に! マスターとアルクルくらいしかいないでしょ! このレザージャケットは防水性だから濡れて腐る心配はないし!」
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