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第二十四話 存続のギルド!
騎士マシマシ
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「えー! でもすっごく運動になったし! だからまたオタク君がボール投げてよ~。あーしがすぐに取ってくるから」
「誰がオタク君だ! あのなぁ。俺も特訓してえんだよ……」
「でも楽しいんでしょ?」
「……まぁな。昔実家で飼ってたイヌのこと思い出してエモい感じになったわ」
「いやそうなんかい!」
ナガレが突っ込むと、みんなゲラゲラ笑った。センチアも「キャハハハハッ!」と笑って、タネツも頭をかきながら結局笑う。
「そんじゃ、今日も特訓ね~♪」
「仕方ねえなあ……」
「タネツ~。今日は私が代わりになってあげるわよ~」
「お、マジか! 助かるぜ」
「よし! それじゃ解散ー! 鎧来て高台広場に集合な!」
そうしてナガレたちはギルドから出ていく。残されたレンとアルクルは顔を見合わせた。
「全く元気な奴らだねぇ。羨ましいぜ。マスター、今日も行くんすか?」
「もちろんじゃ。どんな特訓してるのか興味があるからのう」
「……へいへい、そういうことにしといて上げますよ」
「なっ……ば、バカタレ! 乙女の秘密を変に勘ぐりおって!」
「ちょっと! なんも言ってないでしょうが!」
向こう脛をゲジゲジ蹴られて、アルクルは焦って逃げ出す。だが数歩歩いたところで、何か思い出したように振り返った。
「そういや町長さんから連絡来てましたよね。それは行ったんです?」
「ああそれか。うむ、話を聞いて来たぞ。バッファローに防衛のための騎士団一部隊が駐屯するらしいのう」
王国政府は治安維持のための部隊を大陸各地に派遣している。それには騎士たちだけでなく、重装備のエリート戦闘部隊である国軍も含まれている。中でもスラガン地方は彼らのアジトがあったので危険地帯と考えられており、一際重警備されていた。
この一件でナガレたちは、イビル教団の大ボス一同に名前と顔を覚えられてしまった。これではナガレたちを釣り出そうと、町の人々に被害が及ぶかも知れない。そこでバッファローに派遣された騎士や兵士はかなり多くなっている。これもディズたちの推薦あってこそだ。
「へぇ、そんな感じですか。……ま、多分自分の新しい商売道具を、邪魔されたくないんでしょうなぁ」
「そう言うな。確かにイツマム家の自己中心的な考えかも知れぬが、そのおかげで我々は助かっているじゃないか」
「そうっすけど……大丈夫なんすか、アイツら」
アルクルの心配をよそに、レンは微笑んだ。
「きっと大丈夫。今回もなんとかなるじゃろう。……私たちも頑張って、ギルドを存続させようじゃないか」
「誰がオタク君だ! あのなぁ。俺も特訓してえんだよ……」
「でも楽しいんでしょ?」
「……まぁな。昔実家で飼ってたイヌのこと思い出してエモい感じになったわ」
「いやそうなんかい!」
ナガレが突っ込むと、みんなゲラゲラ笑った。センチアも「キャハハハハッ!」と笑って、タネツも頭をかきながら結局笑う。
「そんじゃ、今日も特訓ね~♪」
「仕方ねえなあ……」
「タネツ~。今日は私が代わりになってあげるわよ~」
「お、マジか! 助かるぜ」
「よし! それじゃ解散ー! 鎧来て高台広場に集合な!」
そうしてナガレたちはギルドから出ていく。残されたレンとアルクルは顔を見合わせた。
「全く元気な奴らだねぇ。羨ましいぜ。マスター、今日も行くんすか?」
「もちろんじゃ。どんな特訓してるのか興味があるからのう」
「……へいへい、そういうことにしといて上げますよ」
「なっ……ば、バカタレ! 乙女の秘密を変に勘ぐりおって!」
「ちょっと! なんも言ってないでしょうが!」
向こう脛をゲジゲジ蹴られて、アルクルは焦って逃げ出す。だが数歩歩いたところで、何か思い出したように振り返った。
「そういや町長さんから連絡来てましたよね。それは行ったんです?」
「ああそれか。うむ、話を聞いて来たぞ。バッファローに防衛のための騎士団一部隊が駐屯するらしいのう」
王国政府は治安維持のための部隊を大陸各地に派遣している。それには騎士たちだけでなく、重装備のエリート戦闘部隊である国軍も含まれている。中でもスラガン地方は彼らのアジトがあったので危険地帯と考えられており、一際重警備されていた。
この一件でナガレたちは、イビル教団の大ボス一同に名前と顔を覚えられてしまった。これではナガレたちを釣り出そうと、町の人々に被害が及ぶかも知れない。そこでバッファローに派遣された騎士や兵士はかなり多くなっている。これもディズたちの推薦あってこそだ。
「へぇ、そんな感じですか。……ま、多分自分の新しい商売道具を、邪魔されたくないんでしょうなぁ」
「そう言うな。確かにイツマム家の自己中心的な考えかも知れぬが、そのおかげで我々は助かっているじゃないか」
「そうっすけど……大丈夫なんすか、アイツら」
アルクルの心配をよそに、レンは微笑んだ。
「きっと大丈夫。今回もなんとかなるじゃろう。……私たちも頑張って、ギルドを存続させようじゃないか」
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