崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十四話 存続のギルド!

ナガレの価値?

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「い、一千万ダラー⁉︎」
「やべえ、俺の生涯年収超えてるかも……」
「ちょっとルック! 乗り気になってない⁉︎」
「そ、そんなことねえって! ちょっと考えただけだから!」
 そんなゲスい会話はさておき、マッシバーは「フフン」と鼻で笑う。
「いいか、アイツの石猿流……どこで見つけて、どこで知ったんだあんなもん」
「フン、お前なんぞに言うものか」
 ジョーは白状しなかった。
 石猿流棒術の秘伝書は、このギルドで戦っていく決意を固めたナガレがレンからもらったものだ。古代の英雄であるダルク将軍という人物が書き記したもの……と、伝わっている。
「そうなのか? チッ……だがあれは危険なシロモノだぞ。石猿流棒術について記された本は、王国で一つ残らず焼かれ消滅したはず……」
 そう独り言を言ってから、マッシバーは顔を上げてジョーを睨んだ。

「……で、どうする? 俺としては、平和的に受け渡してほしいもんだが。てめえを殺せば、あのクソ雑魚ゴミカスメス野郎冒険者は絶対に従わねえだろうからな」
「……笑わせるな。俺は仲間を売ったりしない。俺を殺してとっとと帰るんだな」
「仲間……! ぷっ、ガッハハハハハ! そうかそうかなるほどなァ! そりゃあ弱くもなるか!」
「何がおかしい!」
「なんでもねえよ、ジャック。……計画を曲げるつもりはねえ。力づくでも、あのナガレを仲間にする。そうなる前に、アイツを売っちまえばいい思いさせてやるぜ? ……考えといてくれや。ジャック・ハルバード……」
 そう吐き捨てて、背中を向けるマッシバー。「待てっ!」と叫んだジョー……だが、その背中を追いかけることはできなかった。

 後ろにアリッサとフックがいたからだ。以前なら、脇目も振らずに追いかけダガーを振り下ろしただろう。……しかしこの二人に殺陣を見せるわけにはいかない。

「そうそう。忘れてたぜ。その壁について文句を言われりゃ、こいつを渡して黙らせとけ」
 マッシバーが振り返り、何かを放ってきた。それは足元に転がってくる。……よく見ると、拳くらい大きな赤い宝石・ルビーだった。
「な、なんじゃこりゃあ⁉︎」
「すすすすすんごい宝石だよ! こ、こんな大きなルビー、一体何千ダラーするんだろ……!」
 慌てて拾い上げるアリッサとルック。壁どころか家を丸々建て直してもお釣りが来るだろう。
「……ナガレを、どうするつもりだ……!」
 だがジョーはそれに目もくれず、去っていくマッシバーの背中を睨みつけていた。
(あのマッシバーが興味を惹かれるほどの秘密が、石猿流にあるというのか……?)
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