崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

ジョー・アックスの鎮静

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「それなら、今度はここでバトって上げる。どちらが勝っても、アナタの大切な側近がボコボコにされることになるよ」
「ふふふ、手加減しろよクレア。ガレオンは日々の雑務で家族との時間が過ごせず、ストレスが溜まっているはずだ。お前との決闘でそれが抜けてくれれば良い」
「フッ、そうかもね」
 そう言ってクレアは、ふと窓の外を見やった。……ずっと遠くにちょっとだけ見える、スラガン地方のバンテリン高原。褐色の大荒野にて、ナガレ・ウエストは努力を続けていた。


(……いつかまた、面と向かって酒でも飲みましょ、フェムボーイ。……その時は、とも一緒に)


~☆~☆~☆~☆~☆~


 さて、王の間を出てきたナガレたち。
「ぷはぁ~っ、俺様も流石に緊張したぜ……」
「マヂ分かりみ深い。ジョーっちはすぐブチ切れるし、サニーっちは言葉喋るたびヒヤヒヤしたし……あー、寿命が十年縮んだわー」
「イヌならもう死ぬんじゃない? 大体二十年くらいでしょ」
「勝手に殺すなっ!」
 センチアはタネツの肩にお腹を乗せて、手足を宙ぶらりんにしている。大柄なタネツは肩幅も広く、細身でスレンダーなセンチアなら楽々ぶら下がれている。
「……って、しれっと肩に乗るな犬っころ!」
「わ! 揺らすなしオタク君!」
「誰がオタク君だ!」
「……それにしても~、王様ってあんな人だったんですね~」
「可愛かったです。子供ができるのなら、あんな子が良いです」
「フローレンスちゃ~ん。……それ侮辱罪にならないかしら~? 国王を子供にしたいって、やろうもんなら極刑よ~?」
「そ、そうは言ってないでしょー!」
「あの、全部私に聞こえているんですけど」
 次々に好き放題喋る冒険者を、ガレオンは心配そうに(兜で顔は分からないが)振り返った。

「あの、ジョーさん……」
 そしてサニーは、遠慮がちにジョーへ話しかける。
「勝手なことを言ってしまい、申し訳ありません。ですが、私はどうしても……」
 謝罪の言葉を並べ出すサニー。だがジョーは怒るどころか、スッと片手を上げて制した。
「……言いたいことは山ほどあるが、ここで話では迷惑になる。……バッファローに言って、もう一度言ってくれ」
「は、はい」
 突然落ち着いたジョーに、ちょっぴり不安のサニー。ナガレもひとまずジョーが堪えてくれたことにホッとしたが……ふと疑問が頭をよぎった。
「……そういえば、オレたちどうやって帰ろう?」
「ご心配なく。王国の馬車を準備しております。遠慮なく、そちらをお使いくださいませ」
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