崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

サニーの過去

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「ふむ」
「習慣というのは怖い者で、私も四十歳になる頃には『ニンゲンは悪』ということに、なんら疑問を抱かなくなっていました。だからこの閉鎖的な村で地味に平和に暮らしていく、それになんの疑問も抱きませんでした。月日が流れ、私は狩人となって村に溶け込んでいました。……その時、村に一人の人間が来ることとなったのです」
(……そうだったのか。サニーがニンゲンを嫌っていたなんて……)
 そばで聞いていたナガレやうつ伏せに積み重なっていた冒険者たち、その一番下で下敷きになっているジョーも、意外に感じていた。当たり障りの無い穏やかなエルフだと思っていたが、そんな感情を隠していたのかと。

「……おいっ、話を逸らすな! 陛下はなぜ裏切ったのかと……むぐぐ!」
「黙って聞いてろマスクマン!」
「これでも手加減してるんですよっ!」
「あーしらが止めないと騎士の皆さんが来るでしょーが!」
 ジョーが叫ぼうとして、またもケンガやフローレンスに顔を引っ張られている。だがカイリス王は「ははは!」と笑っていた。
「よいよい続けよ。そなたの話に興味が湧いた。王様もヒマでなあ。こう言った話を聞くのは良いものだ」

「は、はい。……私が狩りをしていると、一人のニンゲンの男性が倒れていました。その時はフードを被っていて正体が分からず、モンスターに襲われ腹から血を流していたので、私は同族かと思い村へ連れて帰りました。そこでニンゲンということが発覚したのです」
「なるほど。それでどうなった?」
「気絶していたニンゲンをひとまず適当な家で寝かせて、村のエルフ総出で会議になりました。村人の大半はニンゲンを処刑すべきだと言いましたが、少数人、黙って追い返すべきだと伝えました。どうせ木々に囲まれた大森林で、二度とここには来れないだろうと。その結果、やはり無闇な殺生は良くないとなり、怪我が治り次第ニンゲンを返すことになりました」
「ほうほう」 
 身を乗り出して話を聞くカイリス王。玉座のそばで直立するガレオンさんも、なんだか気まずそうだ。
「という訳でニンゲンはある程度回復して、杖があれば歩けるくらいにはなりました。ですがまだ頭の傷が塞がっておらず、骨折も残っているので変わらず介抱していたのですが……」
「何かあったのか? やはりニンゲンは悪だったか?」
「いえ……それが、そのニンゲンは一刻も早く帰ろうと日々リハビリを続けていました。ケガもロクに治っていないのに、必死に歩く練習をしたり、村を歩き回ったり……」
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