崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

この大陸の王様

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「何してんだアホ、王様だぞ!」
 だがナガレも内心で驚いていた。王様がいることはみんな知っているが、その姿を見たものは少ない。エンペリオン地方の民はよく見るだろうが、別地方からわざわざ見にいくほどのことはない。なのでその姿を見たことがある、覚えている国民は意外といないのである。
 
 無表情でこちらを見つめる少年。肌は白く、ちょっぴりハネたカッコ可愛い王子カットの金髪。こちらをじっと眺めている大きく青い目。見た感じ、年相応の低身長。金色ラインが入った純白のスーツで、赤いマントをつけている。頭には金色の王冠があった。
 そして耳は長く尖った……エルフのものだ。

「ははーっ、陛下! ありがたき幸せー!」
 そう言ってナガレは先頭で跪く。後ろのみんなも見よう見まねでお辞儀した。
「親愛なる国王陛下、こんな卑しい身分の私めを、清純たる王の間へお招きいただいたことを嬉しく思います。私たちはスラガン地方、バッファローという町の冒険者です」
 そう言って後ろの仲間を大袈裟に手で示す。
「これは私の頼もしい仲間たちです。数々のモンスターを共に倒してきた、私の人生における自慢の仲間たちにございます。ですが平民ゆえに正しい礼儀方法を知らないものでして、ご無礼をお許しくださいませ」
 緊張で顔を赤くしながら、ナガレはなんとか言い切った。……すると数秒の沈黙の末、王様が立ち上がる。
「……よくぞ参った、冒険者よ。私はカイリス・アレシオス・ロードバッツ。今は亡き兄上に変わって王の座についておる。冒険者よ、頭を上げよ」
 見た目に変わらぬジョタボイス。だがその声には可愛さだけじゃない威圧感がある。
「ははーっ、ありがとうございます」
 素直に顔を上げるナガレ。すると国王陛下、カイリス王と目があった。
「……女。私のこの見た目が気になるか」
「へ? おっおい! 陛下をそんなにジロジロ見ちゃ……」
 後ろを向くナガレ。だがフローレンスもヒズマもセンチアもまだ顔を上げていない。みんな怖いのか、ちょっぴり震えながら絶対に視線を合わせない。ということはつまり……。
「そなたのことだ、銀髪の女よ。私の姿が気になるのか。まあ、バンガローに住んでいるのなら私の姿を知らずとも無理はない」
「陛下、バッファローにございます」
「…………」
 いつのまにかそばにいたガレオンに耳打ちされ、カイリス王はちょっぴり顔を赤くした。カワイイ!

「コホン、バッファロー住まいなら仕方がない。……我が姉は聡明なるエルフで、私より百五十歳年上だった」
 カイリス王はすぐににこやかな顔になる。
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