崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十三話 希望と絶望の復活

王の間

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 最初から警備している騎士は、長剣を腰に携えている。
 しかしメンバーが追加されるごとに、短剣と盾の装備、重そうな巨斧、手が届くのか疑問が芽生えるほどの大弓、体より大きなタワーシールド、天井に届きそうなほど長く重いハルバード……と、装備のレベルが上がって来ている。明らかに他と違う銀色のカッチョいい鎧を着た騎士や、逆に武器も防具もつけず、男女問わず黒いタキシードに蝶ネクタイにサングラス姿という危険な香り漂う騎士(?)もいた。
「あ、あの、流石に多すぎじゃないっすか?」
 ケンガがおっかなびっくりタキシードの騎士(?)に話しかける。だがこちらをチラリと見て、何も言わずに軽く頭を下げただけだ。
「……ケンガ、あまり困らせてやるな。おそらく有事の時以外は口を聞いてはいけないんだ」
「そ、そうなのかぁ? ……拷問でも受けてるのか?」
「……悪いが俺も下手に教える訳にはいかない。妙なことを口走ったら、この場で粛清されるかもしれない」
「ヒェッ……」
 急にモンスターに囲まれたような恐怖心が、ナガレたちの脳を駆け巡る。だがようやく、最上階にまで来た。数メートルはありそうな、見上げるほど巨大な扉の前で立ち止まる一同。
 ……その前に、人が立っていた。左右にめちゃくちゃ重装甲でカッコいい騎士が、装飾の入ったロングソードを地面に突き立て備えている。
 ぱっと見では、背の高い筋肉質な男性だ。黒色のベストに白いシャツに黒いスラックス、オシャレな革製の靴を履き、赤いネクタイを締めていた。
 ……だが、なぜか頭には白い兜をつけていて、顔が分からなかった。口の部分がまるで鳥のクチバシみたいに尖った、バシネットという名前のヘルムだ。なぜか眉間の部位に大きな傷があった。

 珍妙な男は手を後ろで組み、ドンと胸を張る。低くともよく通る声で話し出した。
「これより先は王の間。武器の持ち込みは許可しておりますが、決して使用しないように。抵抗する動きを見せられた場合は、直ちに攻撃いたします。くれぐれもご注意を」
 カンペを読むような軽い言い方だが、その物騒な『攻撃』と言う言葉に戦慄するナガレたち。兜男はなおも続ける。
「防具の方はつけていてくださっても結構。国王陛下は『鎧姿こそ、誇り高き戦士の正装なり』と仰っています」
「ハイ質問! おにーさんの名前は? どーしてそんな傷付いてんの?」
「あっおいバカ!」
 空気を読まずにセンチアがいきなり口を開いた。慌てて止めようとするナガレたち。
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