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第二十三話 希望と絶望の復活
しれっと加入
しおりを挟むそうして別室にやって来たナガレたち。シンプルな、ちょっとボロい長机とソファだけがある、窓の無い部屋だ。
「なるべく、ここから出るんじゃないぞ。トイレに行きたければドアの外にいる兵士に言え」
そう伝言を残されて、見張りも退出する。出口は一つだから、もし逃げるとしても逃げられない。
「……私たち、これからどうなっちゃうんでしょうか」
ソファに座って手を組むフローレンス。それに壁に持たれて立つタネツが反応した。
「さあ、分からねえな。……だが、なんとなく今後の展開は予想できる」
「そうなの~?」
「まず、バッファローに帰ったとして、ほぼ確実に修羅場となる。おそらくマスターたちには、騎士の皆様が手紙やらなんやらで伝えてくれているだろう。……だが問題はあの二人だ」
「はぁ、ジョーのやつ……あんな怖い顔しなくたって」
フローレンスの隣に座ったナガレもため息をついた。
「最悪、サニーが死にかねない。そうなればバッファローにおけるジョーの立場がかなり危うくなる。最悪ここを出ていってしまうぞ」
「そうなればギルドは間違いなく解散です。俺も加入するって馬車の中で言ってくれたのに、メンバー不足で解散です」
「大変よねぇ~。……なんですって?」
「あ、言ってませんでしたっけ。実はかくかくしかじかで……」
と言う訳で、しれっと明かされた事実。それはジョー・アックスが、ついにバッファローへ加入すると言うことだった。
そして、だいたい一時間後。
暇を持て余したナガレたちは、指スマや⚪︎×ゲームで時間を潰していたところ……。
コンコン、ガチャッ……。
「ん? ……あ、ジョー! サニーも!」
ようやく重そうな扉が開いて、ジョーとサニーが戻って来た。二人とも五体満足だ。
「おお、帰って来たか!」
「やっと来たーー! 暇で暇でしょーがなかたんし~!」
みんな一斉に駆け寄ってくる。
「良かった~。ケガはない? 忘れ物は?」
「ハラ減ってねえか? 何か嫌なことされなかったか?」
「え、い、いや、そのようなことは何も。騎士の皆様も紳士的でしたし……」
「痛いことされてない? 足疲れたんじゃない?」
「何か欲しいものがあったら言えよ。ある範囲であげるからな」
「久しぶりに息子が帰って来た両親かアンタらは!」
そんなショートコントを繰り広げたところで、付き添っていた偉そうな騎士が進み出る。そして「ウォッホン!」と目立つ咳払いをした。
「……突然だが、冒険者諸君。今すぐ鎧に着替えてくれたまえ」
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