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第二十三話 希望と絶望の復活

カニバリズム

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(……くっ、バカな奴らめ! ナガレさん……どうして、どうして来たんですか……! 雑兵を倒したって、コイツらには勝てない!)
 いきなり襲い掛かられ、サニーですらあっさりやられてしまった相手だ。ナガレたちはおろか、凄まじいスピードと強さを持つジョーですら勝てるかどうか……。
(こいつらは人間じゃない! しかも司祭ペトロと大司祭だっている……くそっ、このままだとナガレさんたちが本当に死んでしまう!)
 サニーはエルフの聴覚で、戦いの音からナガレたちの声を聞いている。あんな無茶な特訓を繰り返していれば、信者の戦士くらいなら相手にならないだろう。
 だがここに来れば、ジョロウたちに殺される。それだけは避けて欲しい。自分のことなんか忘れて生きて欲しいが……。
 ぐしゃっ! がぶっ! じゅるじゅるる~~……。
 タオティエが信者の乳房を食いちぎり、動きを止めた心臓に吸い付いて、血をじゅるじゅる吸っている。首に噛みついて血を吸い取るようなドラキュラの何倍も恐ろしい光景だ。
「……せやけど、アンタの処刑はその後やな。今は栄光のイビル教団に襲いかかって来るアホンダラをブッ殺さなあかんで」
 急に真顔になるジョロウ。
「全員糸でグルグル巻きにして、わいの消化液でドロドロに溶かしたる。かつて仲間やった液体に溺れさしたるわ」
「むぐぐ!」
 サニーが叫んでも、舌も口も動かないままではうめき声しか出ない。
「……くくくっ、嫌そうな声やなぁ。楽しみやわぁ。分かるでぇ、やめろ! って言いたかったんやろ?」
 ……と、タオティエがようやく食事を終えた。そこに信者の死体は存在しない。……髪の毛も服も人肉も体液ですらも、残さず食われてしまった。
 返り血で真っ赤になったタオティエが立ち上がる。
「……無駄口を叩くべきではないぞ、ジョロウ。司祭様の言葉に従え。それが我々の仕事だ」
「ふふ、ありがとうございますタオティエ」
 静かに笑ったペトロ。タオティエは袖で血まみれの顔を拭った。
「……よろしかったですか? ここにいる下衆の裏切り者は司祭様が捕縛しました。あの連中は、我々が片付けてきましょうか」
「いいえ、心配はいりません。……ハピネがいないのはどうしてだと思いますか?」
「……ほほう、なるほど」
 ペトロの言葉に、ニヤリと笑うタオティエ。ジョロウも「ククク……」と笑い、フランコもやっぱりよく分からないまま「あうー!」と叫んだ。
「……ッ!」
 そしてサニーの顔色が一気に悪くなった。
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