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第二十一話 髑髏の龍と禁忌の龍
再会
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「……分かった分かった。ごめんよ心配かけて」
これにはナガレも困ったような、しかし嬉しそうな苦笑いを浮かべる。二人ともこんなに泣いてまで、自分の身を案じてくれていた。彼にはその事実が何よりも嬉しく、何よりも申し訳なかったのだ。
「見守ることしか出来ねえ情けない俺をどうか許してくれ! ああ、もうギルドなんてどうでもいい。ただお前が生きててくれて良かったぜ……!」
「いやだ! ぐすん、私は……わだじは許ざない! こんなに泣かせるなんて! ナガレは最低……ぐずっ……ざいでいだぁぁ……!」
(マスター、『~じゃ』の口調が消えてるぜ……)
(これじゃ、ただの子供だな)
(……正直、俺様もあの輪に混ざりたい。あの空間すげえあったかい)
(気持ちは分かりますが無粋なこと言わないで!)
(ナガレっち……ご馳走様でした)
(……こいつら別に家族でも兄弟でもないけどな)
そんなことをコソコソ話している一同。ナガレは目で仲間たちに助けを求めるも、アルクルとレンは一層力を強めて離さない。
「……レン。みんな見てるよ。ギルドマスターがそんなことでは……」
もういいだろうと、さすがに見かねたクリフが止めに入った。レンの肩に優しく手を置いて離そうとする。
……がその瞬間、街の人々の群れをかき分けて一人が歩いてきた。
「……いえ、いくらでも続けてくれて構いませんよ」
凛とした、聞き覚えのある声がする。
「ん?」「ほえ?」「なんだ?」
ナガレ、そしてレンとアルクルとクリフ、他の冒険者たちも振り向いた。数秒の沈黙の末……ナガレの表情が、弾けるような笑顔に変わった。
「さ……サキミーーーーっ!」
そこにいたのは、吸い込まれそうな青いドレスを着たサキミだったからだ。ナガレはすぐさま二人を優しく振り払い、サキミへ駆け寄った。
「ひ、久しぶり! 良かった、無事だったんだな!」
そのまま自然と手を握ってしまった。だがサキミは拒否する様子を見せない。むしろ嬉しそうにニコニコ笑っている。
いつものちょっとボサボサだったウルフカットは、どことなく黒くツヤツヤになっていた。真っ白な肌も元からキレイだが、今はモチモチのツヤツヤになっている。まつ毛まで美しく見えてきた……。
「ええ。ナガレさん、お久しぶりです。……私も会いたかったです」
「お、オレもだよ!」
サキミもぎゅっと手を握り返してくれた。それが嬉しくて目からハートを飛ばすナガレ。
「そうか。俺たちゃ祭りに来たんじゃなくて、サキミ嬢ちゃんに会いに来たんだったな」
「ばかもん! 目標を忘れるでないわ!」
ポカッ!
「いでっ!」
アルクルがそう呟いて、いつもの調子に戻ったレンに向こう脛を蹴飛ばされた。
するとサキミはバッファローの冒険者たちを見て「皆様もこちらへ!」と手招きする。
「ナガレさん。……明日お会いする約束でしたが、良い機会です。今から手紙でお伝えした『会って欲しい人』に面会して欲しいんです。冒険者の皆様と一緒に」
「え、今から? まぁ……い、良いよ。みんなも良いだろ?」
ナガレが振り返ると、みんな頷いた。
「それでは、案内いたします。ついて来てください」
そう言ってサキミは、堂々と道を歩いていく。ナガレたち(レンとアルクルも含む)は互いに顔を見合わせながら、その後についていった。
これにはナガレも困ったような、しかし嬉しそうな苦笑いを浮かべる。二人ともこんなに泣いてまで、自分の身を案じてくれていた。彼にはその事実が何よりも嬉しく、何よりも申し訳なかったのだ。
「見守ることしか出来ねえ情けない俺をどうか許してくれ! ああ、もうギルドなんてどうでもいい。ただお前が生きててくれて良かったぜ……!」
「いやだ! ぐすん、私は……わだじは許ざない! こんなに泣かせるなんて! ナガレは最低……ぐずっ……ざいでいだぁぁ……!」
(マスター、『~じゃ』の口調が消えてるぜ……)
(これじゃ、ただの子供だな)
(……正直、俺様もあの輪に混ざりたい。あの空間すげえあったかい)
(気持ちは分かりますが無粋なこと言わないで!)
(ナガレっち……ご馳走様でした)
(……こいつら別に家族でも兄弟でもないけどな)
そんなことをコソコソ話している一同。ナガレは目で仲間たちに助けを求めるも、アルクルとレンは一層力を強めて離さない。
「……レン。みんな見てるよ。ギルドマスターがそんなことでは……」
もういいだろうと、さすがに見かねたクリフが止めに入った。レンの肩に優しく手を置いて離そうとする。
……がその瞬間、街の人々の群れをかき分けて一人が歩いてきた。
「……いえ、いくらでも続けてくれて構いませんよ」
凛とした、聞き覚えのある声がする。
「ん?」「ほえ?」「なんだ?」
ナガレ、そしてレンとアルクルとクリフ、他の冒険者たちも振り向いた。数秒の沈黙の末……ナガレの表情が、弾けるような笑顔に変わった。
「さ……サキミーーーーっ!」
そこにいたのは、吸い込まれそうな青いドレスを着たサキミだったからだ。ナガレはすぐさま二人を優しく振り払い、サキミへ駆け寄った。
「ひ、久しぶり! 良かった、無事だったんだな!」
そのまま自然と手を握ってしまった。だがサキミは拒否する様子を見せない。むしろ嬉しそうにニコニコ笑っている。
いつものちょっとボサボサだったウルフカットは、どことなく黒くツヤツヤになっていた。真っ白な肌も元からキレイだが、今はモチモチのツヤツヤになっている。まつ毛まで美しく見えてきた……。
「ええ。ナガレさん、お久しぶりです。……私も会いたかったです」
「お、オレもだよ!」
サキミもぎゅっと手を握り返してくれた。それが嬉しくて目からハートを飛ばすナガレ。
「そうか。俺たちゃ祭りに来たんじゃなくて、サキミ嬢ちゃんに会いに来たんだったな」
「ばかもん! 目標を忘れるでないわ!」
ポカッ!
「いでっ!」
アルクルがそう呟いて、いつもの調子に戻ったレンに向こう脛を蹴飛ばされた。
するとサキミはバッファローの冒険者たちを見て「皆様もこちらへ!」と手招きする。
「ナガレさん。……明日お会いする約束でしたが、良い機会です。今から手紙でお伝えした『会って欲しい人』に面会して欲しいんです。冒険者の皆様と一緒に」
「え、今から? まぁ……い、良いよ。みんなも良いだろ?」
ナガレが振り返ると、みんな頷いた。
「それでは、案内いたします。ついて来てください」
そう言ってサキミは、堂々と道を歩いていく。ナガレたち(レンとアルクルも含む)は互いに顔を見合わせながら、その後についていった。
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