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第十七話 ハト・スタンピード!

それぞれの晩食

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スタスタ……。
「ごめんフローレンス。ありがとう、おぶってもらっちゃって。いやあ面目ない……」
「別に良いんですよ、ナガレさん。それと一ついいですか?」
「え、なに?」
「今ナガレさんが掴んでいるところ、私の胸なんですけど」
「え! あ、ご、ごめん! あまりにカチカチで固かったから肩だと思って……」
「……今私が背中から倒れたら、ナガレさんどうなるんでしょうね~」
「悪気はないんだって!」
(カチカチで固くて肩……早口言葉みたいだな……)

~☆~☆~☆~☆~☆~

 そうしてそれぞれの拠点へ帰り、夕食の時間となった。
「ケンガおかえり!」
「すごい怪我じゃん。大丈夫?」
「はは……ちょっと張り切っちゃってよ」
 まるで家みたいに大きなドルーシバのテント。あちこちを丈夫な木材で補強された高級品だ。戻ったケンガをドルーシバの面々が出迎えてくれる。残る五人はB~Dランクの面々で、Cランクのケンガより格下もいるがみんな仲がいい。敬語を使わないケンガを咎めるような人もいない良いチームだ。
「もう料理作ってるよ。あたしが作った奴だけど我慢して」
「うぉっ、ありがとう!」
 冒険者の一人が作っていたのはカレーライス。村で色々買い足して、大鍋で煮込んで作っている。ジャガイモやニンジンや豚肉やら入っていてとても美味しそうだ。
「どうぞケンガさん。リーダーも」
「うひょっ! サンキュー! ケンガ、食べれるかい?」
「手ぇくらい使えるさ。いただきまーす!」
 
 一方、ここはイーターズの拠点。一人一つ小さなテントを張って、中央に焚き火を灯したキャンプ系だ。
「あ、カナっち!」
「こんなに遅くまでどこへ行ってたんだ」
 鎧姿のセンチアとダンケが出迎えてくれた。
「あ、えーと……ちょっと町を探検してたんだ」
「なにー! そんな楽しそーなことしてんならウチも連れてけしー! このこの~!」
「あだだ、やめてよ~っ!」
 センチアに肩を組まれて頭をぐりぐりされるカナ。ダンケもひとまず無事が確認できたからか、ホッとした表情になった。
「まぁ、無事で良かった。ほらカナ、君の分だよ」
「わ、サンドイッチ! 美味しそ~!」
「……」
 ワッカーサは相変わらず無口。だが彼の手には、サンドイッチを包んでいたくしゃくしゃの紙がある。
「はふはふっ! お、おいひ~!」
「カナ、喉に詰まらせないようにな」
 ダンケが差し出してくれた水を、カナは一息に飲み干した。
「あーおいしぃ~!」
 そんな感じでおしゃれな夕食タイムが過ぎていく……。
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