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第十五話 リトル・ドラゴンスレイヤー

拮抗

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 ドスッッッ!
「グォッ!?」 
 咄嗟に避けようとしたリトルドラゴンだが、避けきれず顎に攻撃が当たる。しかし一点集中の一撃はすさまじく、まるでアッパーカットのように上へ吹き飛んだ!
(くっ、外れたか……)
 しかしナガレは、今の一発でツノを破壊するつもりだった。やはり相手も危険度B級、反応速度が桁違いだ。
(……だが、生憎だったな。オレだって新技をちゃんとこさえてきたんだ!)
 決意を固めるナガレの前で、リトルドラゴンは空中で体勢を立て直し飛び上がった。そのまま三連続で火球を放つ!
「ガァッ! ガァッ! ガァッ!」
(……なっ!?)
 なんとその炎は紫色に染まっていた! 異様な光景に一瞬の迷いが生じる。それが命取りとなり火球が直撃!
 ドガァン!
「ぐあっ!」
 至近距離で火薬が爆発したような衝撃。高熱を感じる間もなくナガレはぶっ飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「くそ……なんだってのさ、どいつもこいつも紫色になりやがって……うぉっと!?」
「ガァァッ!」
 ボォォッ……ドガァン!
 倒れたナガレに容赦のない追撃の追い火球。ナガレは跳ね起きからのスライディングで避ける。
「グググ……!」
 避けられたからか、ゆっくり降下して来るリトルドラゴン。ナガレは回復薬を飲みながら、その様子を注意深く見ていた。
(紫色のオーラ! ……イビル教団の仕業か? コイツをぶっ倒したら、何かヒントが得られるかも……)
 そう思うと、俄然燃えてきた。確かに今の状況はアクシデントだ。しかしここで逃げては何も得られない。むしろここで倒せば、物事が進展するかもしれない!
「やぁぁってやるぞ! こっからが正念場だ!」
 ナガレも負けじと吠えた。足は震えるし呂律は回らないし、それでも自らを勇気づけるために大声を上げる。
(オレを信じて送り出してくれたみんなのためにも……絶対に、負けられないんだっ!)
 ランク昇格のため、そしてみんなと笑って年末を終えるためにも絶対に負けられない。(それに……今ここで死んだらサキミを誘えないじゃないか! 年末は一緒に過ごそうって誘ってみようと思ってるのに!)
 ……邪念が混じっているが、それでも闘志は本物だ。一方、ゆっくり降下してきたリトルドラゴンは、ムササビのように滑空しながらコチラへ突進してきた!
「ガァァァッ!」
「たぁっ!」
 風に乗って紫色の巨体が迫る。しかしナガレはマルチスタッフを捌き、闘牛士のようにリトルドラゴンを後ろへ受け流した!
「そこだっ、サミダレコンボ!」
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