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第十四話 女王への叛逆
説得?
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フローレンスも、だいぶカチンと来ているようで、まだまだ食い下がる。だがバンドは辛辣な言葉でさらに攻めてくる。
「……無事だった冒険者を、涙を流して抱き抱える者が、赤の他人だとは思えない。……しかし、そんな貴様がその男をみすみす見捨てるとは、さらに思えない」
「見捨ててなんか……」
「……いいや、どうせ見捨てたのだろう。……その場にはいなかったが、分かる。……お前はもうダメだと嘆き戦いを放棄した。……違うか? ……それが諦めていない者の行動か?」
「う……うぅっ……」
これにはさすがのフローレンスも俯いてしまった。
確かにナガレが飲み込まれた時、フローレンスは即座に『もう助からない』『私だけじゃ何もできない』と行動をやめてしまった。……それは諦めるのと同じだった。それをこの男、バンドは責めているのだ。
しょんぼりしたフローレンスを、バンドは冷たく睨みつけている。
「……めそめそ泣くくらい大切な仲間なら、絶対に助けようと思わなかったのか。……たとえこの身が滅びようと、絶対に仲間を守る。……そうは思わなかったのか」
「…………」
「……やりすぎだと思わない方がいい。……もし仲間に窮地が訪れ、絶体絶命の危機に陥ったら……全力で動け。……自分が出せる全ての力を振り絞って、絶対に助け出せ。……そこで死んだって構わん、そのくらいの覚悟だ」
そう言ってバンドは、静かに上を、壊れた天井の上にある大空を見上げた。
「……もし躊躇して、それで仲間を失ったら……どれだけ後悔しても、やりきれないんだからな」
……それを横から聞いていたサニーだが、最後のセリフはわずかに声が優しくなったように感じた。
「…………はい。あなたの……あなたのいう通りです……」
フローレンスもずいぶんヘコんでいる。それを見届けたバンドは、最後にナガレの方を見た。
体中にプラチナのジェルがこびり付いた、目を閉じてぐったりとしたナガレ。それでも獲物のマルチスタッフを硬く握りしめている。
(……この男は、きっと最後まで戦っていたのだろう。……無謀な奴だ)
心中で、そう呟いた。バンドにはナガレに起こったことが、まるでその場にいたかのように分かっているらしい。
(……弱いことは罪ではない。だが……この程度のステータスで危険度S級に挑むのは、命知らずにも程がある)
なんと、ナガレのステータスまで分かっているようだ!
(……あるいは、そこまでして引けない理由があったのだろうか。……これが分からない)
バンドはすっと目を閉じる。
「……無事だった冒険者を、涙を流して抱き抱える者が、赤の他人だとは思えない。……しかし、そんな貴様がその男をみすみす見捨てるとは、さらに思えない」
「見捨ててなんか……」
「……いいや、どうせ見捨てたのだろう。……その場にはいなかったが、分かる。……お前はもうダメだと嘆き戦いを放棄した。……違うか? ……それが諦めていない者の行動か?」
「う……うぅっ……」
これにはさすがのフローレンスも俯いてしまった。
確かにナガレが飲み込まれた時、フローレンスは即座に『もう助からない』『私だけじゃ何もできない』と行動をやめてしまった。……それは諦めるのと同じだった。それをこの男、バンドは責めているのだ。
しょんぼりしたフローレンスを、バンドは冷たく睨みつけている。
「……めそめそ泣くくらい大切な仲間なら、絶対に助けようと思わなかったのか。……たとえこの身が滅びようと、絶対に仲間を守る。……そうは思わなかったのか」
「…………」
「……やりすぎだと思わない方がいい。……もし仲間に窮地が訪れ、絶体絶命の危機に陥ったら……全力で動け。……自分が出せる全ての力を振り絞って、絶対に助け出せ。……そこで死んだって構わん、そのくらいの覚悟だ」
そう言ってバンドは、静かに上を、壊れた天井の上にある大空を見上げた。
「……もし躊躇して、それで仲間を失ったら……どれだけ後悔しても、やりきれないんだからな」
……それを横から聞いていたサニーだが、最後のセリフはわずかに声が優しくなったように感じた。
「…………はい。あなたの……あなたのいう通りです……」
フローレンスもずいぶんヘコんでいる。それを見届けたバンドは、最後にナガレの方を見た。
体中にプラチナのジェルがこびり付いた、目を閉じてぐったりとしたナガレ。それでも獲物のマルチスタッフを硬く握りしめている。
(……この男は、きっと最後まで戦っていたのだろう。……無謀な奴だ)
心中で、そう呟いた。バンドにはナガレに起こったことが、まるでその場にいたかのように分かっているらしい。
(……弱いことは罪ではない。だが……この程度のステータスで危険度S級に挑むのは、命知らずにも程がある)
なんと、ナガレのステータスまで分かっているようだ!
(……あるいは、そこまでして引けない理由があったのだろうか。……これが分からない)
バンドはすっと目を閉じる。
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