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 そこで一度文章が切れて、すぐに次が入れられている。

 ――あの後、駅員さんがしっかりお説教してくれたそうです。警察まで行ったのかとか、詳しいことは言えないそうですけど、少しはいい結果になったのかなって。

 ――あんなのが平然としらばっくれて同じ電車に乗り続けてると思うと三木元さんがつらいかな、と思って連絡しました。ていうか、遅くなってすみません。あと、思い出したくもないことだったらすみません。

 そこに、謝っているポーズのスタンプが添えられている。本当に、そんな必要ないのに。
 ……いい人だ。私なんかより、ずっと大人な気がする。
 どんな文章でどう返そう、なんて思ってると、あんなちゃんがにやにやした目で私を見ていた。

「……な、なに?」
「いやー、なんか三織の表情がくるくる変わってかわいいなーって。これはやっぱり、アレでしょう」

「あ、あれでもどれでもないっ。この間知り合いになった人からの、挨拶みたいなのだよ」

 そう言って私は、スマートフォンをしまった。

「あれ? 三織、今返事返してないよね? えーこれはあれじゃん、ちょっとゆっくり落ち着いて、満を持して返信したいから一回寝かせるやつじゃん」
「やつじゃんとか言われても! そういえば、なにか用事だったの?」

「あ、そうそう。三織って柏だったよね?」
「うん」

「柏に、新しく女装カフェができたんだって。あたしちょっと行ってみたいんだよね。三織も一緒にどう?」
「じょ、女装カフェ? 私、これでも女だけど」

 ていうか、あんなちゃんも。かなりキラキラした女子なのに。

「違うよー、お客じゃなくて、お店の人が女装してるの。コンカフェだから。お店のホームページみたんだけど、かなりかっこかわいいキャストさんがいっぱいいるんだよねー!」
「……そういうのって、かなり修正とかされてるのでは」

 あんなちゃんは、人差し指を立てて左右に振った。

「そりゃそうでしょ、画像の加工はネットのメイク! 義務みたいなもんじゃん」
「分からないけど」

「その修正具合を見るのも楽しいじゃんー。ね、ちょっとだけだからー」
「なんで、女装した人が見たいの……?」

「見たいのは、女装そのものより、メイクかな。どんなにきれいでも、どうしたって男の人は男性的じゃん? それをどう女の子に寄せてるのか、実物が集まってるとこに行ってみたい」

 そういえば、あんなちゃんは前にも、アイドルとか、堕天使とか、男装とか、いろんなコンカフェに行っているって聞いたことがある。私はあまり興味がなかったので一緒に行ってなかったんだけど、そういう着眼点だったのか。

「あたし家が北千住だから、柏からならすぐ帰れるしさ。三織も近所なら、どうかなー」

 正直、ちょっと興味はある。最近はSNSなんかでも、びっくりするくらいきれいな女の人だと思ったら、女装だったっていうことがよくあるし、実物を目にする機会なんてあまりない。
といって、自分一人でいく勇気なんてなかなか出ない。
 私は、なるべく社会性を保とうと思ってはいるけど、放っておいたら同人ショップとファミレスの往復だけで一年過ごせるくらいのオタク気質なのだから。

「うん、興味ある。行ってみたい」
「いいね、そういう積極的なの。じゃ、あたし学内図書館寄ってくから三十分後に問で待ち合わせしよ」

 私は帰り支度をして、大学生協で細かい買い物などしてから、早めに校門に向かった。
 夏に向かってどんどん日が長くなっていて、授業が終わる時間でもそれなりに明るい。そろそろ衣替えの準備をしないとな、などとひとりごちる。
 ふと、緒田くんのことを思い出した。
 サークルなどに入っていない私が、まっすぐに帰る時間に居合わせたということは、彼も帰宅部なんだろうか。
 高校二年生って言ってたけど、アルバイトとかしてるのかな。
 背が高くて顔立ちも整っているし、昨日みたいに人に優しくしてくれる正確なら、どこかのお店で店員さんでもやれば人気が出そう。
 私は、明るいカフェで、バリスタエプロンをつけた織田くんが、日差しを受けながら若い女性へ接客している姿を思い浮かべた。
 似合う。とても似合う。
 少なくとも、私の十倍は日なたが似合う。
 私のような、今までに貯めてきたお小遣いと短期の(あまり人と接しないで済む種類の)アルバイトで得たお金をつぎ込んで、せっせと同人誌を描いているような人間とは、生き物としての種類が違うような気がしてきた。
 ああいう人には幸せになって欲しいなあ、などと勝手に織田くんの幸福を祈っていると、あんなちゃんが小走りで校舎からやってきた。

「ごっめんお待たせ!」
「大丈夫だよ、ちょっと早いくらい。じゃ、行こ」

 私たちは駅へと歩き出した。
 会社員の方々の帰宅ラッシュより少し早めの電車に乗り、柏へ向かう。

「あんなちゃん、そこ、なんていうお店なの?」
「あー、店名はね、『アンドロアンサス』だって」

 なにかをもじってるのかもしれないけど、いまひとつ意味が取れない。
 三十分ほどで電車は柏駅に着き、私たちは東口から出てて歩き出した。
 エスカレーターを降り、にぎやかな道をまっすぐに歩く。大通りをしばらく行って、私が地元ながらあんまり詳しくない路地へなど入り、軽く汗をかいてきた頃。

「あった、ここここ」

 あんなちゃんが指さしたのは、一軒のビルだった。
 一階にはお店が入っていて、その横に、二階へ上がる階段がついている。確かにそこに、「アンドロアンサス」というカタカナと、恐らく原語のスペルらしい(読めない)横文字の書かれた看板がかかっていた。黒字に白抜きの文字が、そこはかとなく麗しい印象を湛えている。

「おし、じゃあ行こ」
「わあ、さっそく?」

「いや行かない理由こそないでしょ。今日は、あたしがおごるからね」
「えっ!? いいよ、そんな。私だってきたくてきたんだから」

「いいのにー。分かった、じゃあ最初の一杯だけおごる。後は流れでね」

 それで押し切られて、二人して階段を上った。
 外から見る分にはグレーの無骨なビルだったけど、上に進むごとに、壁や手すり、さらには階段のステップまでが、羽飾りやモールやラメで彩られていく。
 二階に着くと、すぐに階段があった。

「おお……これは凄いねー」

 あんなちゃんが思わずそう漏らした。
 両開きの扉は、まるで宗教画のように、天使や羽毛がびっしりと描かれている。ところどころ彫刻もされているみたいで、やたらと立体感がある。
 扉の周りの壁は、ペンキで真新しく真っ白(床まで)に塗られていた。
 扉の向こうからは、にぎやかな声と音楽が聞こえてくる。それに引き込まれるように、私はドアノブを持ち、あんなちゃんに「お、行く?」と言われながら左右に開いた。

「いらっしゃいませ、アンドロアンサスへ!」

 男性特有の低く震えるような声ではなく、かといって無理して出した甲高い声でもなく、自然で小気味よい声が揃った。

「お……お邪魔します……?」

 そう言う私に、横であんなちゃんが吹き出す。
 あんなちゃんはある程度コンカフェの類に慣れているのかもしれないけど、私はこれが初めてだった。
 内装はきらびやかな意匠で埋め尽くされて、天上からはシャンデリアが下がっている。
 窓は赤いカーテンで覆われて、外は見えない。
 店内はテーブルとイスもあれば、ソファの席もあった。まだ夕方なのに、客席は六割くらい埋まっている。
 奥のほうにはバーカウンター。ここにもお客さんがちらほらいた。
 ざっと見で、三四十人は入れそうな広さだった。
 そしてなにより目を引くのは、キャストなのだろう、給仕や接客をしている男の子たち(たぶん)だ。
 みんな、スタイルがいい。衣装は色々で、ロングドレスの人もいれば、ミニに近いスカートの人もいる。フリルのついたドレスの小柄な人もいれば、黒いスカートに上半身はマニッシュなシャツを着た長身の人もいる。その誰もが、すらりとしていて均整の取れた体つきをしていた。
 
 エメラルド色のワンピースを着た男の子が、すっと横にきて、少し身をかがめて言ってきた。

「ようこそ。初めまして、ですよね?」
「は、はい! 初めましてです!」

 思わず力んでしまった私とは対照的に、あんなちゃんはひょうひょうとして、

「二人でーす。入れます?」
「はい、奥のお席へどうぞ」

 言われるがままに、奥へ移動した。
 それにしても、仕事で慣れてるんだろうけど、今の男の子の笑顔は柔らかくて、私の周りにいる同世代の男子のように無遠慮な風でもなくて、とても感じがいい。

私とあんなちゃんは、三人掛けのソファに、左右に分かれて座った。
なんで真ん中を空けるのかと不思議に思いつつも、あんなちゃんがそうしろと言うので従っておき、私はアイスティを、あんなちゃんはレモネードを注文する。
注文をとってくれたのは、案内してくれたのと同じ男の子だった。よく見ると、胸のネームプレートに「シン」と書かれている。

「ここ、お酒ないんですねー?」
「ええ、ノンアルコールオンリーです。ちょっとお酒っぽい飲み物もお作りできますが、アルコール度数はあくまでゼロですね」

そう、シンさんがおっとりと答えた。
 オーダーを厨房(バーカウンターの裏にあるらしい)に通している間に、ソファの向かいの椅子と、私たちの間に、「ここよろしいですか?」と言って一人ずつ男の子が座った。
 向かいに座ったのは、ネームプレートに「アル」と書かれた、ショートカットでカジュアルな服装――とはいってもスカート姿――の男の子。私とあんなちゃんの間に座ったのは、「かれん」という、白いマーメイドドレスでロングヘアの男の子だった。髪は、どちらもウィッグっぽい。

「いらっしゃいませ~! お名前うかがっていいですかー! あと、どこでここのお店知っていただいたんですか~?」とアルさん。私と同年代くらいだと思うんだけど、小柄で幼さの残る顔立ちで、薄くメイクしている。女装した男の子というより、少年ぽい女の子、という感じだ。

 お互いに名乗り合ってから、ホームページっすよ、とあんなちゃんが答えると、今度はかれんさんがぽんと手を打った。ドレスから大胆に出ている肩は、海外の女性モデルみたいに少し角ばっているけど、そのラインがとても目を引く。顔立ちは掘りが深くて、年齢不詳だけど(それでも私とそう離れてはいないと思う)、きりっとしたメイクがよく似合っていた。

「わあ、ありがとうございます。今日は楽しんでいってくださいね!」

 それにしても、二人とも、表情やしぐさがすごく女の子っぽい。かれんさんは細い足を組んで斜めに流していたけど、電車や公園のベンチでの中で男の人が足を広げて座っているのとは全然違って、スマートで圧迫感がない。
 アルさんも、スカートのすそを手でさばいて座る所作が、かわいらしくて目がいってしまった。私、あんなふうに丁寧に座ってるかな、普段……?

 やがて、シンさんが飲み物を運んできてくれた。

「いっただきまーす。もう喉かわいちゃって。……ん?」

 ストローから一口吸い上げたあんなちゃんの動きが、ぴたりと止まる。

「ど……どうしたの、あんなちゃん?」
「このレモネード……なんか、めちゃめちゃうまい……」

 へえ、と思いながら、私もアイスティを口に運んだ。
 そして、気づく。本当だ。香りがすごくいい。勝手に、こういうところのドリンクメニューってあんまりコストをかけてないイメージだったんだけど、もしかしてこれらは、けっこういいものなのでは……?

 すると、シンさんがにっこりと笑って言ってきた。

「ふふふ。ありがとうございます。うちはオーナーがもともとコーヒーマニアで、お店で出す飲み物はどれもこだわっているんです。なにしろ、コーヒー豆の焙煎どころか選別まで自分でやってる変た……趣味人なので」

 今、変態って言おうとした?
 そう言いながら、「お好みでつまんでくださいね」とお菓子を出してくれるシンさんの指は、細くて長くて、ドレスと合わせた明るいグリーンのネイルがきれいで、濡らした筆先みたいに揃えられていて、私もたまにはネイルくらいやろうかという気にさせられてしまう。

 私たちは、大学生であることや学部、私が近くに住んでいることなどをとりとめもなく話した。あんなちゃんは、今日はキャストさんのメイクが見たくてきたというところから話を広げて、もうアルさんやかれんさんとすっかり打ち解けている。
 あんなちゃんのみたいな社交性が私にはないんだなあ、とは思いつつ、こういうところで楽しくおしゃべりしてみたいという意欲はあるので、私も頑張って話に加わった。
 そして、ふいに趣味の話になって、私はつい、

「マンガを描くのが趣味なんです」

と口にした。
 それから、後悔した。
 今まで、オタク仲間以外の前でこれをカミングアウトして、いい結果になったことがない。
 たいていは「じゃあ描いてみてよ」と言われて適当な紙に適当なものを描かされ、それが大して気に入ったものでないと、「あー、まあうまいね」とか「プロには程遠いね」とか、これまた適当な言葉を投げつけられることになる。
 時には、「ここのバランスがおかしいな」「デッサンの練習がいるね」など、批評じみたアドバイスまでされてしまう。
 はっきり言って、全然うれしくない。私よりずっと絵を描いた経験のない――というよりまともに練習したことのない――人に、知ったようなことを言われて楽しいわけがない。言葉にすると、自分でも傲慢に聞こえるけど、本当のことだ。
かといって、「本気出して集中すれば、もっとすごいものが描ける」なんて言っても、「はいはい、じゃあ出来上がったら持ってきてよ」なんて、いつの間にか上下関係まで発生させられることまである。
私が楽しくて一番打ち込めることで、こんなに不愉快な気持ちになんて、なりたくない。
だから、いつしか、私はオタク仲間の前以外では、絵を描いていること自体を内緒にするようになった。
こんなこと、あんなちゃんにも言ってない。
今は、つい、非日常空間の空気にあてられて、口が滑ってしまった。
でもいまさら、取り消すのも変だし……
一瞬、空気が固まりかけたとき、かれんさんが手を合わせて言ってきた。

「マンガですか。ぼく、絵が全然だめなので、羨ましいです。もし見せてもらえることがあったら、ぜひ見せてくださいね」

 続けて、アルさんも、

「ぼくも絵は見るのが専門なんですけど、ものづくりできるっていいよねえ」

 と言ってくれた。


 その言葉で、強張っていた肩が、すっと楽になった。
 今ここで描いてとか、そんな断りづらい場を作られることもなく、私のペースに合わせてくれたんだ。
 接客ができる人ってすごい、と思った。私もこんなふうに、デリケートな時に人を追い詰めない話し方ができるといいな、とも。
 あと、なにげに、かれんさんたちの一人称が「ぼく」なことであれっと思い、いつの間にかかれんさんたちを女装した「男性」だと意識していなかったことにも気がついた。
 女友達みたいな、でも少し違う、性別にこだわらずにお話しできる空間。それが、こんなに心地いいなんて知らなかった。女装さんならだれでもそうっていうわけじゃなくて、きっと、かれんさんたちだからなんだろうとは思うけど。
 その時、バッグの中でマナーモードにしていたスマートフォンが震えているのに気づいた。

「ごめんなさい、電話みたい」と言ってソファから立ち、隅のほうへ移動する。
 かけてきたのはお母さんで、今度一度うちに寄るように、という程度の内容だった。これくらいならメッセージで送ってくれてもいいのに、とは思うんだけど、うちは両親ともなかなかメッセージアプリの類の操作を覚えようとしない。
 電話を切って、ソファに戻り、スマートフォンをバッグにしまおうとそのベルトを持ち上げた時。
 ちゃんとバッグの口を閉めていなかったのと、置き方が悪かったせいで、持ち上げた拍子に中身がいくつか、ばさばさと落ちてしまった。
 ルーズリーフと、講義で使っていたレジメの薄い束。それに――

「わ、わあ!?」と私。
「あ」とかれんさん。
「おー。ナマ原稿初めて見た」とあんなちゃん。

 彼女たちの目の前に落ちたのは、下書きまで済ませた、私のマンガ原稿だった。
 私は下書きまではアナログで描いて、それをスキャンしてデジタルで仕上げる。その原稿用紙が、十数枚、テーブルと床に散らばってしまっている。

「ひええ、すみませんっ! これが私のマンガなんですっ! すぐしまいますからっ!」

 けれど、アルさんもかれんさんもあんなちゃんも、原稿用紙を集めるのを手伝ってくれた。
 じろじろ内容を見たりせず、とんとんとテーブルに当てて整えてから、差し出してくれる。

「ううう、ありがとうございます……あれ?」

 一枚足りない。
 かなり気合を入れて描いた大ゴマのページなので、すぐに分かった。
 拾い損ねていたのかと改めて見回すと、すぐ横に、いつの間にか長身の影が立っていた。
 キャストさんだ。
 かれんさんが、その子に声をかける。

「あ、スイ。それ、こちらのお客様のだから、お返しして……スイ?」

 スイと呼ばれたのは、キャストさんの中でも背が高めで、百八十センチ近いと思われる、少し痩せた男の子だった。少しグラデーションのついたライトブラウンのウィッグは、かなりの長髪で、腰のあたりまで伸びている。
 着ている服は、ややゴスっぽさの入った、白黒ツートンの、装飾の少ないドレスだった。肩を出しているのはかれんさんと同じだけど、二の腕から手首までをアームカバー状のパーツが覆っている。タイト目な黒い布地なので、腕の細さが強調されていた。
お尻のあたりを膨らませている服のデザインがそう見せているのかもしれないけど、とにかく、腰が細い。足首まであるスカートは控えめだけどきれいにプリーツが入っていて、布が上質そうだった。
そして、それよりなにより、細面でかなりの美人さんである。意志の強そうな双眸、すっと通った鼻筋に、薄い唇、ほっそりした顎のライン。陶磁器のように真っ白でつやめいた肌。メイクの効果もあるんだろうけど、このままファッション雑誌の表紙が飾れてしまいそうだった。
そのスイさんが、私のマンガを一枚、両手で持っている。
心なしか、その手が震えているように見えた。
じっと食い入るような彼の眼差しは、吊り目気味に強調されているメイクのせいもあって、視線に迫力がある。
目の前で、そこまで一生懸命に絵を見られることがそうそうないので、ひどく気恥ずかしかった。
それとなく手を伸ばしてみたりするのだけど、スイさんは、棒立ちのまま微動だにしない。

「スイ、なにしてるの。早くお返ししなさい」

 かれんさんがそう言ってくれたけど。
 スイさんは、ただ一言、こうつぶやいた。

「先生……?」

 せんせい? その意味を、周りにいた誰もが分からず、ぽかんとした時。
 スイさんは、またつぶやく。

「ツミ先生……? サークル『罪と蜜』の……?」
「なっ!?」

 あっけにとられている周囲の中で、私だけが、両腕を上げてのけぞり、悲鳴をあげた。

「本物だ……おれが見間違えるはずがない……ツミ先生の……原画……!」
「なっ!? なぜ、私のサークル名とハンドルネームを!?」

 思わずそう叫んでから、しまったと思った。でもよくよく考えると、別に悪いことではないとも思う。
こんな美女が一人称を「おれ」にしている衝撃もあって、なんだかもうよく分からなくなる。

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