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第31話
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電車を乗り継ぎ、小一時間くらいで十夢先生の自宅アパートに到着した。
柚希は一気に階段を駆け上がり、十夢の部屋の呼び鈴を押した。早く先生に直接結果を報告したくて、ドアが開く時間さえもどかしかった。
「いらっしゃい。待ってたよ」
柚希をリビングに通し、十夢はソファーに腰かけながら嬉しそうな笑みを向けた。
「柚希くん。この度は主演抜擢、おめでとう。僕も鼻が高いよ」
「またまたぁ。この配役、先生が推してくれたんでしょ?」
「いや、僕に決定権はないよ。多少意見はしたけど、最終的に決めたのは監督さんだ」
「それでも嬉しいです。キャラクターのイメージを壊さないよう、しっかり演じ切らなきゃ」
「ふふ、そうだね。それで台本は持って来た?」
「もちろんです」
と、鞄から台本を取り出す。冒頭からサッと目を通してみたけれど、BLの脚本だからか、意外と恥ずかしい台詞が多かった。普通のアニメでは絶対に言わないであろう台詞ばかりなので、少々戸惑ってしまった。
「あ、やっぱりベッドシーンあるんだ……。大丈夫かな……」
「おや、不安なの?」
「不安というか、こんなシーン演じたことないので……。いえ、そんなこと言ってられませんけど」
「なるほどね。じゃあこの際、ちょっと役作りしてみるってどうだろう」
「役作りですか? そりゃあできればしておきたいですけど、どうやって?」
「そりゃあ、こうやって……」
言うやいなや、十夢が手を伸ばしてきて股間に触れてきた。
「ひゃっ……、ちょっと先生……」
目を白黒させて十夢を見たら、彼は真面目な顔でこう言った。
柚希は一気に階段を駆け上がり、十夢の部屋の呼び鈴を押した。早く先生に直接結果を報告したくて、ドアが開く時間さえもどかしかった。
「いらっしゃい。待ってたよ」
柚希をリビングに通し、十夢はソファーに腰かけながら嬉しそうな笑みを向けた。
「柚希くん。この度は主演抜擢、おめでとう。僕も鼻が高いよ」
「またまたぁ。この配役、先生が推してくれたんでしょ?」
「いや、僕に決定権はないよ。多少意見はしたけど、最終的に決めたのは監督さんだ」
「それでも嬉しいです。キャラクターのイメージを壊さないよう、しっかり演じ切らなきゃ」
「ふふ、そうだね。それで台本は持って来た?」
「もちろんです」
と、鞄から台本を取り出す。冒頭からサッと目を通してみたけれど、BLの脚本だからか、意外と恥ずかしい台詞が多かった。普通のアニメでは絶対に言わないであろう台詞ばかりなので、少々戸惑ってしまった。
「あ、やっぱりベッドシーンあるんだ……。大丈夫かな……」
「おや、不安なの?」
「不安というか、こんなシーン演じたことないので……。いえ、そんなこと言ってられませんけど」
「なるほどね。じゃあこの際、ちょっと役作りしてみるってどうだろう」
「役作りですか? そりゃあできればしておきたいですけど、どうやって?」
「そりゃあ、こうやって……」
言うやいなや、十夢が手を伸ばしてきて股間に触れてきた。
「ひゃっ……、ちょっと先生……」
目を白黒させて十夢を見たら、彼は真面目な顔でこう言った。
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