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第23話
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十夢先生の自宅アパートは、都心から少し離れたところにあった。
柚希は少し離れた場所からじっと十夢を睨みつけた。彼はアパートの階段を上がり、二階の一番右端の部屋に入って行った。
(……嘘つき)
これから用があるって言ったくせに。用があるどころか、そのまま家に直帰してるじゃないか。そんなにおれと話すのが嫌だったのか。だったらつまらない嘘なんかつかずに、普通に「きみとは話したくない」と言ってくれた方がまだマシだった。下手に嘘をつかれるとかえって傷つく。
柚希は一気に階段を駆け上がり、部屋をよく確認してから呼び鈴を鳴らした。しばらくしてドアフォンから声が聞こえてきた。
「はい?」
「……先生、おれです。高島柚希です」
「えっ、柚希くん? ちょっと待ってね」
驚いた声が聞こえた数秒後、ドアがガチャ、と開いて十夢先生が出てきてくれた。かなり困惑している様子だった。
「いらっしゃい……。どうしたの、いきなり」
「……どうしても先生と話したくて。今いいですか」
「いや、それは……」
十夢は軽く周囲に目をやっていたが、
「……まあいいか。どうぞ」
と、中に招き入れてくれた。
アパートは男性の一人暮らしにしては広めの2LDKで、仕事部屋と普段の生活スペースをきっちり分けているようだった。小綺麗なリビングには縦長のソファーがあって、すぐ近くのサイドデスクには立派なオーディオセットが置かれている。
「適当に座ってて」
柚希にソファーを勧め、十夢はキッチンに入っていった。そして数分後、二人分のマグカップを持って戻ってきた。
柚希は少し離れた場所からじっと十夢を睨みつけた。彼はアパートの階段を上がり、二階の一番右端の部屋に入って行った。
(……嘘つき)
これから用があるって言ったくせに。用があるどころか、そのまま家に直帰してるじゃないか。そんなにおれと話すのが嫌だったのか。だったらつまらない嘘なんかつかずに、普通に「きみとは話したくない」と言ってくれた方がまだマシだった。下手に嘘をつかれるとかえって傷つく。
柚希は一気に階段を駆け上がり、部屋をよく確認してから呼び鈴を鳴らした。しばらくしてドアフォンから声が聞こえてきた。
「はい?」
「……先生、おれです。高島柚希です」
「えっ、柚希くん? ちょっと待ってね」
驚いた声が聞こえた数秒後、ドアがガチャ、と開いて十夢先生が出てきてくれた。かなり困惑している様子だった。
「いらっしゃい……。どうしたの、いきなり」
「……どうしても先生と話したくて。今いいですか」
「いや、それは……」
十夢は軽く周囲に目をやっていたが、
「……まあいいか。どうぞ」
と、中に招き入れてくれた。
アパートは男性の一人暮らしにしては広めの2LDKで、仕事部屋と普段の生活スペースをきっちり分けているようだった。小綺麗なリビングには縦長のソファーがあって、すぐ近くのサイドデスクには立派なオーディオセットが置かれている。
「適当に座ってて」
柚希にソファーを勧め、十夢はキッチンに入っていった。そして数分後、二人分のマグカップを持って戻ってきた。
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