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第28章~魔剣士の台頭~

第59話

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「お前たちの肩を持つわけではないが、いい加減、ヴァルハラの自治権は戦士エインヘリヤルに譲渡してやった方がいい気がするな。くだらないトラブルを生むくらいなら、その方が余程平和に過ごせる。父上の魔力を無駄にすることもないしな」
「ホズ様もそう思いますか……」
「常識的な神だったら誰でもそう思うさ。兄上も口調は穏やかだが、内心『いい加減にしろ』と思っているし」
「ですよね……」
「自分たちの手に負えない仕事まで、意地になってやり通すことはないんだ。不要な仕事はさっさと手放して、別の役割に注力した方が誰にとっても平和になる。とりあえず、今はヴァルキリーどもを是正してやるのが一番だろうな」
「はい」

 やはり他の神々から見ても、ヴァルキリーの所業は思うところがあるみたいだ。まあ当然といえば当然だろう。

「ホズ様は、ヴァルキリーからヴァルハラの自治権を譲渡してもらうのって、話し合いでどうにかなると思いますか?」

 一番肝心なところを尋ねたら、ホズはやや難しい顔をしてこう答えた。

「……どうだろうな。あいつらがお前たちとの話し合いに素直に応じるとも思えんが」
「でも……話し合いができないとなると、最終的には武力行使になってしまいそうですが」
「そうなるだろうな。戦士エインヘリヤルVSヴァルキリー……ラグナロクほどではないが、そこそこ大きな争いになりそうだ」
「…………」

 そう言われると、少し迷いが生じる。
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