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第28章~魔剣士の台頭~
第56話
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気持ちを切り替えるように、アクセルはホズに話を振った。
「ええと……ホズ様はこういう洞窟得意そうですよね」
「少なくとも、お前のような苦手意識はないな。そも、こんな暗闇に怯えていたら今まで生活できなかった」
「あ……」
そうだ、ホズはラグナロク前まで盲目だったのだ。
今は視力も回復しているものの、その前は敬愛するバルドルの姿すら見ることができなかったという。
そうなったのは「ミーミルの泉」とやらで力を欲したのが原因だそうだが、その見返りが視力の喪失というのは割に合わない話である。
アクセルは探るように尋ねた。
「盲目の生活って、こんな感じなんですか?」
「真っ暗ではないが似たようなものだ。目を開いていても何も見えないからな。他の感覚は研ぎ澄まされるが、やはり視力がないのは大きい。日常生活に支障はないとはいえ、自分が見たいものを見られないのは、ちょっと……不便なところがある」
「…………」
「願い通りの力は手に入ったが、そうやって楽して手に入れた力では意味がないということだな。やはり自分なりに努力して得た力でなくては。俺の目がちゃんと見えていれば、あの時兄上にヤドリギを投げつけることはなかったわけだし……」
「ホズ様……」
「まあ、過ぎたことをいつまでも悔やんでも仕方がない。同じ間違いを繰り返さなければいいだけのことだ。……お前も、くれぐれも楽な方法で力を手に入れようなんて考えるなよ」
「はい、それはもちろん」
その点はちゃんと心得ているから大丈夫だ。魔剣士たちを見ていればわかるように、身の丈に合わない力は絶対にロクなことにならない。
「ええと……ホズ様はこういう洞窟得意そうですよね」
「少なくとも、お前のような苦手意識はないな。そも、こんな暗闇に怯えていたら今まで生活できなかった」
「あ……」
そうだ、ホズはラグナロク前まで盲目だったのだ。
今は視力も回復しているものの、その前は敬愛するバルドルの姿すら見ることができなかったという。
そうなったのは「ミーミルの泉」とやらで力を欲したのが原因だそうだが、その見返りが視力の喪失というのは割に合わない話である。
アクセルは探るように尋ねた。
「盲目の生活って、こんな感じなんですか?」
「真っ暗ではないが似たようなものだ。目を開いていても何も見えないからな。他の感覚は研ぎ澄まされるが、やはり視力がないのは大きい。日常生活に支障はないとはいえ、自分が見たいものを見られないのは、ちょっと……不便なところがある」
「…………」
「願い通りの力は手に入ったが、そうやって楽して手に入れた力では意味がないということだな。やはり自分なりに努力して得た力でなくては。俺の目がちゃんと見えていれば、あの時兄上にヤドリギを投げつけることはなかったわけだし……」
「ホズ様……」
「まあ、過ぎたことをいつまでも悔やんでも仕方がない。同じ間違いを繰り返さなければいいだけのことだ。……お前も、くれぐれも楽な方法で力を手に入れようなんて考えるなよ」
「はい、それはもちろん」
その点はちゃんと心得ているから大丈夫だ。魔剣士たちを見ていればわかるように、身の丈に合わない力は絶対にロクなことにならない。
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