2,619 / 2,770
第28章~魔剣士の台頭~
第37話
しおりを挟む
「イーサン、さっきからこいつが僕たちにクレームつけてくるんだよ! せっかく捕まえた戦利品を解放しろってうるさいんだ! どうにかしてくれ!」
「あ?」
イーサンとやらがこちらを見た。
ガラは悪そうだったが、彼が一番頭も回って強そうだった。腰には他の魔剣士と同様、鞘に入った剣を下げている。
その彼がニヤリとほくそ笑み、自分の唇を舐めた。
「へえ……? あんた、なかなかいい顔してるじゃねぇか。スタイルもいいし、面白い反応が見られそうだ」
「はっ……?」
「いいぜ、こいつらのことは解放してやるよ。ただし、あんたが身代わりになったらな」
「なっ……!?」
いきなり下衆な取引を持ちかけられ、頭が真っ白になった。
いい顔をしている? スタイルがいい? 身代わりになれ?
つまりそれは、俺にお前たちの慰み者になれって言っているのか……?
――ふざけるな……! 俺に触れていいのは兄上だけだ!
ますます頭に血が上り、小太刀の柄を握り締める。
これ以上侮辱されたら抜刀も厭わないつもりで、アクセルは唸るように聞いた。
「……お前ら、そもそも何の目的があって暴れているんだ? 魔法を使って無双して、一体何がしたいんだ?」
するとイーサンは、前髪を掻き上げてしれっとこう言った。
「別に? 特に目的なんかねぇよ。俺たちはただ、ヴァルキリーに『好きなように暴れていい』って言われたから好きなようにしているだけだ」
「は……?」
「ここでは強者こそが正義なんだろ? 俺たちは死合いで連戦連勝、現在無敗の状態だ。だったら何をしても文句ねぇよな?」
「……!」
「あ?」
イーサンとやらがこちらを見た。
ガラは悪そうだったが、彼が一番頭も回って強そうだった。腰には他の魔剣士と同様、鞘に入った剣を下げている。
その彼がニヤリとほくそ笑み、自分の唇を舐めた。
「へえ……? あんた、なかなかいい顔してるじゃねぇか。スタイルもいいし、面白い反応が見られそうだ」
「はっ……?」
「いいぜ、こいつらのことは解放してやるよ。ただし、あんたが身代わりになったらな」
「なっ……!?」
いきなり下衆な取引を持ちかけられ、頭が真っ白になった。
いい顔をしている? スタイルがいい? 身代わりになれ?
つまりそれは、俺にお前たちの慰み者になれって言っているのか……?
――ふざけるな……! 俺に触れていいのは兄上だけだ!
ますます頭に血が上り、小太刀の柄を握り締める。
これ以上侮辱されたら抜刀も厭わないつもりで、アクセルは唸るように聞いた。
「……お前ら、そもそも何の目的があって暴れているんだ? 魔法を使って無双して、一体何がしたいんだ?」
するとイーサンは、前髪を掻き上げてしれっとこう言った。
「別に? 特に目的なんかねぇよ。俺たちはただ、ヴァルキリーに『好きなように暴れていい』って言われたから好きなようにしているだけだ」
「は……?」
「ここでは強者こそが正義なんだろ? 俺たちは死合いで連戦連勝、現在無敗の状態だ。だったら何をしても文句ねぇよな?」
「……!」
17
お気に入りに追加
844
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

婚約破棄された僕は過保護な王太子殿下とドS級冒険者に溺愛されながら召喚士としての新しい人生を歩みます
八神紫音
BL
「嫌ですわ、こんななよなよした男が夫になるなんて。お父様、わたくしこの男とは婚約破棄致しますわ」
ハプソン男爵家の養子である僕、ルカは、エトワール伯爵家のアンネリーゼお嬢様から婚約破棄を言い渡される。更に自分の屋敷に戻った僕に待っていたのは、ハプソン家からの追放だった。
でも、何もかもから捨てられてしまったと言う事は、自由になったと言うこと。僕、解放されたんだ!
一旦かつて育った孤児院に戻ってゆっくり考える事にするのだけれど、その孤児院で王太子殿下から僕の本当の出生を聞かされて、ドSなS級冒険者を護衛に付けて、僕は城下町を旅立った。

嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
鈍感モブは俺様主人公に溺愛される?
桃栗
BL
地味なモブがカーストトップに溺愛される、ただそれだけの話。
前作がなかなか進まないので、とりあえずリハビリ的に書きました。
ほんの少しの間お付き合い下さい。

繋がれた絆はどこまでも
mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。
そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。
ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。
当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。
それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。
次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。
そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。
その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。
それを見たライトは、ある決意をし……?

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる