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第27章~新たな課題~
第38話
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そもそも食事当番みたいな仕事は下位ランカーに回されることが多いので、自分にはもう回ってこないのではないかと思う。
とりあえずもう一度腕立て伏せを……と、床に手をついて何回か行っていたら、
「ぐえっ……!」
唐突に背中に兄が座ってきた。
結構な重みがあったので、危うく潰れそうになった。
「あ、兄上、何を……?」
「いや、せっかくだから負荷をかけてあげようと思って。ずっと同じ重さじゃ筋肉への刺激にならないじゃない?」
「それは……」
「とりあえずこのまま、十回やってみようか」
「えっ!? 十回!?」
「まさかできないなんて言わないよね? お前も立派な上位ランカーなんだし」
「う……」
仕方なくアクセルは、何回か腕立て伏せを繰り返した。
最初の三回くらいはよかったのだが、四回目から早くも腕がぷるぷるしてきて、肩と腕を繋げている筋肉が痛んできた。
――うう……体重が倍になるとやっぱりキツい……。
でも、さすがにここで「できません」とも言えない。そんなことを言ったらどんなお仕置きをされるか、わかったものじゃない。
己を奮い立たせ、アクセルは何とか腕立て伏せ十回をクリアした。
最後の十回目なんかは腕が震えすぎて、カウントと同時にバタリと倒れてしまったくらいだ。
「ありゃ、潰れちゃった。そんなにキツかった?」
「キ、キツいです……。もうできません……」
「そうかい? じゃあ今度は私の番かな。お前は私の上で休んでていいよ」
そう言って、兄は床に手をついて腕立て伏せの姿勢をとった。
とりあえずもう一度腕立て伏せを……と、床に手をついて何回か行っていたら、
「ぐえっ……!」
唐突に背中に兄が座ってきた。
結構な重みがあったので、危うく潰れそうになった。
「あ、兄上、何を……?」
「いや、せっかくだから負荷をかけてあげようと思って。ずっと同じ重さじゃ筋肉への刺激にならないじゃない?」
「それは……」
「とりあえずこのまま、十回やってみようか」
「えっ!? 十回!?」
「まさかできないなんて言わないよね? お前も立派な上位ランカーなんだし」
「う……」
仕方なくアクセルは、何回か腕立て伏せを繰り返した。
最初の三回くらいはよかったのだが、四回目から早くも腕がぷるぷるしてきて、肩と腕を繋げている筋肉が痛んできた。
――うう……体重が倍になるとやっぱりキツい……。
でも、さすがにここで「できません」とも言えない。そんなことを言ったらどんなお仕置きをされるか、わかったものじゃない。
己を奮い立たせ、アクセルは何とか腕立て伏せ十回をクリアした。
最後の十回目なんかは腕が震えすぎて、カウントと同時にバタリと倒れてしまったくらいだ。
「ありゃ、潰れちゃった。そんなにキツかった?」
「キ、キツいです……。もうできません……」
「そうかい? じゃあ今度は私の番かな。お前は私の上で休んでていいよ」
そう言って、兄は床に手をついて腕立て伏せの姿勢をとった。
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