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第26章~狩りの引率~

第43話

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「そのレポートも、意味があるかどうかわからないけどねぇ……」

 と、兄が夕食を作りながら言う。夕食は作りすぎた熊カレーのアレンジ料理だ。

「だいたい、提出したところであのヴァルキリーが見ているとは思えないし。裏紙にされて終わりじゃない?」
「裏紙って……。いくら何でも少しは目を通すだろ。何のために提出させてるかわからないじゃないか」
「自分たちのスケジュール通りに引率してくれたか、確認したいだけでしょ。多分内容はどうでもいいんだよ。だから狩りに組み込む新人も適当だし、狩り場でのトラブルにも干渉しないんだ。……それでもラグナロク前は、危険な大型魔獣が出たら上位ランカーが召集されていたものだったけどね」
「え、そうなのか?」
「そうだよ。お前の始めての狩りの時も、ランゴバルトが誘き出した大猪のために召集かけられたんだから」
「そ、そうだったのか……」

 なるほど、あの時タイミングよく兄たちが来てくれたのは、ヴァルキリーの召集があったからなのか。兄の第六感が働いた故のことだと思っていたけれど、実際はきちんと召集されていたようだ。

「……なら、最近そういった召集がかからないのは何故だ? ヴァルキリーの管理体制が変わったのか?」
「多分、ヴァルハラをしっかり管理するタイプのヴァルキリーが、ラグナロクで軒並みいなくなっちゃったんだと思う。あれは神々と巨人の大戦争だったからね。ヴァルキリーだって全員駆り出されたし、戦死しちゃった人もいるんだよ」
「そうか……」
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