転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第26章~狩りの引率~

第38話

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「おや、いらっしゃい。アクセルは久しぶりだね」

 そんな心配を余所に、バルドルは快く屋敷に迎え入れてくれた。

 客人の訪問が嬉しいのか、手ずからお茶やお菓子を用意してくれて大広間に案内してくれる。こういうところは、人質として彼の屋敷にいた時から変わっていない。

「お久しぶりです、バルドル様。兄から御守り受け取りました。力を込めてくださって、ありがとうございます」
「気にしないで。フレインにはみっちり働いてもらったし、対価はちゃんと受け取ったから。まあ、私の加護なんてたいしたものじゃないけどね」
「……何を仰るか。兄上の加護は神々の中でも随一だぞ。そんな御守りを持てるなんて、お前は幸運だよな。俺の方が欲しいくらいだわ」

 と、ホズが口を挟んでくる。彼は相変わらず、「兄上(バルドル)大好き」のようだった。少し安心した。

 そんなホズを嗜め、バルドルがお茶やお菓子を勧めてくれる。アクセルも少し味わった。

「そう言えばきみたち、新たに透ノ国を管理することになったんだって? ヴァルキリーたちから聞いたよ」
「え? ああ……まあ、そうですね……」

 いろいろなことがあったせいか、そんなことすっかり忘れていた。ほとんど勢いで承諾したのもあり、今更ながら面倒な仕事がのしかかってきた感じがする。

 近いうちに、また透ノ国の様子を見に行かなくてはならないのか……憂鬱だ。

 ――というか、もっと簡単に訪問する方法はないものか……?
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